【500-Vdue】<第7章:整備>(第28話:シリンダー座面切削⑩)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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それではテーパーボルトの製作。キャップボルトの座面をテーパー状に削ります。



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旋盤のチャックに長ナットをセットし、そこにナットを挟んでキャップボルトを取り付けます。ネジの締め込みで芯を出すのは難しい・・・というか出せないことが殆どですが、ナットを挟んでそのナットの締め込みで固定すると、比較的芯を出すことが出来ます。




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さて、座面にテーパーを作るので、左から右に削る必要があります。つまり、『左勝手』のバイトが必要。




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それがこれ。刃の向きが『右』を向いています。刃を自分に向けて『左』に向くのを『左勝手』と呼ぶので、使用する時の向きは『右』になります。なんかややこしいですよね笑

で、これがあるなら丸いジグを作る時に左からも削ることで、側面と上面の直角を1回の段取りで作れたハズでした。



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旋盤を購入した時にドサっとまとめてバイトもついてきて、その中に一つだけこの『左勝手』のバイトが混ざっていたのですが、その存在をすっかり忘れていました。
その上、普段の加工の時にも『左から削る』という考え方が染み付いておらず、ワークの向き替えなんぞして手間をかけて精度を落としていたわけです。

思い込みですね。「旋盤は右から削る『べき』である」と。

オリジナルツールを作って球面加工したり完全バイトを削って作るところから始めるなど、これまで色々な物を作ってきましたが『左から削る』という発想は皆無だったと思います。
その成功体験を積んじゃうから、余計に『右から削る』ことに執着してしまうというか、発想が固定化されていったのかもしれません。

思考停止

本人はクリエイティブなことをしているつもりで、その実は完全なる『流れ作業』の様相。
なまじっか、ワークの向きを変えることで製作出来てしまうので、精度や製作時間短縮への飽くなき向上心がないと、『左から削る』という発想が生まれないのです。

旋盤歴5年・・・・と言ってもサンデーメカニックである以上、日数に換算するとたったの240日。新人の旋盤工どころか、まだ工業高校1年生のレベルでしかありません。

年数としてはそこそこ経ち、それなりに色々作ってきたこともあり勘違いしてしまいがちですが、まだまだ『初心者』の域。
傲ることなく、向上心を忘れないことを肝に銘じて、これからも金属加工に取り組んでいこうと気持ちを新たにするのでした。




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さて、『左勝手』のバイトの芯高を合わせるにあたり、実際にワークの端面を削って判断することが出来ないので、芯押し台を目安に合わせました。

右勝手のバイトならワークの端面を実際に削り、残った『ヘソ』の半径分が足りない高さ(あるいは高すぎる分)となるので、ノギスで測ってある程度具体的な数字を導き出すことが出来ます。




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しかし『左勝手』ではこの方法が取れないので芯押し台を目安に高さを合わせましたが、バイトの先と芯押し台の隙間をノギスで測って足りない高さを導き出すのはあまり良い手段とは言えません。位置的に無理な体勢を強いられ、見当をつけて何回も敷板の厚みを調節するというのが、なんとも素人臭い作業となってしまいました。

「もっと良い方法は無かったかな?」

と、ブログを書きながら反省していると、ふとある方法が頭をよぎりました。




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こっち向きでこうすれば良かったんじゃないでしょうか。加工するボルトを取り付ける前に、適当な端材を取り付けてこの向きで試しに削ってみれば良かったのです。
うん。多分これでイケるハズ。





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バイトの芯高を合わせたら、刃物台の角度を設定。目測で17.8°くらいにします。




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あとは徐々に削るだけ。テーパーを削る目安は、ボルトの太さから頭の太さまでなので、角度の設定が間違っていたら帳尻が合わなくなります。今回は大雑把な設定でしたが、まぁまぁ良いところに収まりましたね。



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『滑り込ませる』という大義があるので、切削面をペーパーで磨いてツルツルに仕上げます。




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まぁこんなもんでしょう。



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内径クランプ製作。最後は前回作ったこれの続き。




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フライス盤に、3つ爪チャックを取り付けたターンテーブルを垂直に設置し、そこに残しておいた根本部分でワークを掴んで固定します。




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位置確認を行ったら、ミーリングカッターで中心に切れ目を入れます。切れ目は完全に真っ二つにするのではなく、少し残してつながった状態にしておきます。




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切れ目を入れたら、旋盤に戻って突っ切りで切断。




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しっかり面取りしてメステーパーパーツの完成です☆




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細かい部品ですけど、しっかり出来てますね。




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テーパーボルトのハマりも問題ナシ!




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中心穴とのはめ合いもバッチグー!
ユル過ぎずキツ過ぎず、完璧なはめ合いです。





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諸々問題無さそうなので、早速ミーリングテーブルに固定。クランプで下に押さえつけながらクランプボルトを締め込んでいきます。


そ・・・

し・・・

て・・・





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うぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉおぉ!!!!!


固定され

たーーーーーーーーーー\(^o^)/☆☆☆

ガタつくことなく、しっかり固定されています。外径が大きいので、手で掴んで強く力を入れたらうっすら回ってしまいますが、まぁこれくらいの強度で固定されていたら問題は無いでしょう。目的はあくまでフェイスミルの軽切削なので、ワークが動くようなことは無いハズ。



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そうと決まれば早速切削♪




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今回シリンダーの面切削を行うに当たり、仕上げ用のフェイスミルチップを用意しました。以前から使っていたのはアルミの荒加工用で、チャレンジのシリンダー面切削の研究で「ちょっと仕上げとしてはいかがなものか?」と感じていました。

しかしこの仕上げ用チップ。1個のお値段がなななんと1万円!!荒加工用が1個1500円程でしたので、お目玉ぶっ飛ぶスーパープライス。
フェイスミルには6個付けられるようになっているのですが、さすがに今回6万円分買う度胸はありませんでしたね。

そもそもチャレンジの時にこの仕上げ用を買わなかったのは、ミスミで購入すると10個セットでしか販売されていなかったのが理由でした。10万円ですからね笑
ただ現在ミスミの方が販売終了になっており、モノタローの方で1個売りされていたのを見つけたので、助かりました。




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それでは、『仕上げ用』と謳うその実力。お手並み拝見といきましょう。

フェイスミルの対角に1個ずつ取り付け、刃の高さを調節。切り込み0.025mm、回転数1000rpm。送りは手でゆっくり。

結果やいかに!?



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う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?


なーーんーーーだーーーーこーーーーー
れーーーーーーーーーー!?!?!?!?


やゔぁ!!

や〜〜ゔぁっ!!!

CDじゃん!もうこれCDじゃん!!



凄い。これは本当に凄い!さすが1個1万円!

基本は刃物による切削なので、鏡面のようなツルツルな表面になることはありません。しかし、無数の切削痕が超高密度高精度に刻まれると、金属の表面はこのような光の反射をするようになるのです。




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同条件のアルミ荒削り用チップの仕上がりと比較したら雲泥の差。これはこれで触り心地は悪く無いし、十分綺麗に見えるのですが、あの光の反射はありません。




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今回は『平面出し』が目的ですので、X軸Y軸を何往復もして切削しており、光の反射スジは複合的になっています。

いや〜それにしても、美しい・・・




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この差っ!

材料にA7075とA6061の違いはあるものの、ほぼ同条件の切削方法でここまで見栄えが変わるのですから、いやはや。チップの性能はデカいですねぇ〜!



いや、ちょっとまって!


七色に輝くシリンダーの座面とか、興奮しないではいられないでしょ☆

究極の自己満足!組んだら見えない隠れたオシャレ。

うぉおお〜〜〜早く削りたいぜ〜〜〜!!




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ハヤる気持ちを抑え、とにかく平面度、平行度の確認、確認。




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切削の継ぎ目に段差などは全くなく、針はピクりとも動きません。したがって、平面度は問題ナシ!

しかし、平行度の方がやや出ておらず、。0.03mmほどまだ傾きが残っていました。同条件で観測システムジグの時はちゃんと0.01以下になっていましたので、もしかしたらミーリングテーブルとの隙間にゴミでも噛み込んでいたか?
あるいは、内径クランプの方法では固定力に問題があったか?

再度削り直しても良いですが、そもそも論。



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固定に使うワッシャーとナットの自体平面、平行はちゃんと出ているのか?という問題があります。いくらジグの平行を完璧にしたところで、肝心のワッシャーの平面度、平行度が斜めになっていたら意味無いですからね。

なので、そこも気にするならナットは面切削、ワッシャーはシムを用意するかカラーを作る必要があります。

とはいえ、

さすがにそこまで気にしなくても良いでしょう。シリンダーのはめ合いがしっかりしてますし、接触面も確保されています。最終確認は行いますが、多分大丈夫でしょう。





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というわけで、今度こそシリンダー側のジグが完成。




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次週、簡易ハイトゲージ製作へと駒を進めます。

でわでわ♪




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by tm144en | 2026-03-07 01:02 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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by だいちゃん