【500-Vdue】<第7章:整備>(第24話:シリンダー座面切削⑥)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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さて、シリンダーの話に戻ります。

シリンダー上下座面の平行が出ていない。面精度も出ていないという現状を受け、ヘッド側を基準にベース側を面研しようと画策中でした。
ベース側にはシリンダー壁の飛び出しがあるので、面研するにはターンテーブルで回転させながら行う必要があります。


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前回まではそのターンテーブルをミーリングテーブルに平行に設置するため、底面の面研を行なうなどして平行を出そうとしましたが失敗。


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最終的にはアルミホイルで「なんとかする」という方法で、一応の決着をつけることは出来ました。

というわけで次に行うのはシリンダーの固定方法。



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ターンテーブルの上のシリンダーを、どのように固定するか?
上面を面研するのですから当然その部分にクランプ等は使えませんし、そもそもターンテーブルの面積が狭くてクランプを置く位置がありません。




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しかもパワーバルブの飛び出しがあるので、




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このままではターンテーブルの中心に置くことすら出来ません。





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なので、以前作ったこの上下面平行の出た『ゲタ』で浮かせて、パワーバルブをかわす必要もあります。




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というわけで材料を用意。
上下面サーフェース仕上げのS50Cと、A7075の丸棒です。これらを使って、シリンダー固定ジグを作っていくことにします。




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構想としては、こんな感じでプレートをターンテーブルに固定させ、




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その上にシリンダーを置き、



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こんな感じのカラーを作って上から長ボルトでプレートに固定させようという算段です。



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というわけでまずは、購入したプレートの精度確認から。
ミスミのサーフェイス仕上げの精度基準は、今回の15mm厚の場合平面度は100mmにつき0.015mm、平行度は0.012mmとされています。

定盤の上でダイアルゲージを滑らせ各部を入念に測定したところ、とりあえず基準の範囲内であることは確認出来ました。とはいえやはり、端から端で0.02mm弱の差があるのもまた事実。

フライス盤のミーリングテーブル自体の精度。
その上に置くターンテーブルの精度。
そのまた上におく固定ジグ用プレートの精度。
そしてフェイスミルによる面切削の精度。

それぞれの公差は0.01mm程度だったとしても、積み重なると0.04mm。今回は仕方が無いとはいえ、やはり間に挟むものが増えると『高精度』とは程遠くなってしまうのが現実です。
tmのシリンダーが0.02mmで仕上がってましたので、一応そこが今回の目標ではありますが、『平行に削る』ということがいかに難しいことか。ことごとく痛感しますね!




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まぁともかく作業を進めましょう。
まずは穴位置をマーキング。この穴位置はそこまで高精度にする必要はないので、定規とマーカーで印すだけにしました。



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そしたらフライス盤で穴空け。




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キャップボルトの頭を隠すザグリも入れます。

このザグリ。厳密に言うと通常のエンドミルでは座面が平らにならないので、ザグリ用としては不適。ザグリ用には先端がフラットになったものを使用するのが正解となります。
『中ベコ』と呼ばれるこのエンドミルは、切削抵抗や切り屑の排出性を向上させるために、先端の刃が中心に向かってやや傾斜した形状にしてあります。なので、横移動させない穴だけの加工にすると、切削面が山型に残ってしまうのです。

しかしながら先端フラットのものは高価であったり、私のフライス盤で使えるものが無かったりするので、『中ベコ』による加工を行うしか無いのが現状。
とはいえ、その山型はごくわずかですので、ボルトのザグリとして使用する分には実用上問題の無いレベルではあります。




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今回はとにかくボルトの頭が隠れれば御の字!




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2箇所、固定穴の加工を行いました。




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最後は中心のネジ穴。

フライス盤でφ6mmの穴を貫通させ、




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ボール盤でφ8.5mmの穴に拡張。φ6mmまではフライス盤のTスロットの溝を『逃げ穴』として利用出来るのですが、φ8.5mmを貫通させるためにはワークを浮かせて固定する必要があります。そうなってくると水平を確保するために台座の平行度だの手間が増えてくるので、今回はこういった段取りを取りました。




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下穴が出来たら、M10P1.5のタップを立てます。ボール盤のガイドで垂直にアプローチさせることは出来ますが、M10にもなると抵抗が大きくて1回転くらいしかタップを噛み込ませることが出来ません。
なのでハンドルに付け替えて残りを立てていく必要があるのですが、今回は垂直が極めて重要なのでスコヤで確認しながら慎重にネジ山を切っていきます。





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半分位まで切ればコッチのもんなので、あとはバイスに固定して残りの山を立てます。



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加工はこれだけ。



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最後に加工後の歪みなどが発生していないかを確認します。面取りが残ってても平行が出なくなるので、加工部はしっっっっっっかり面取りを行います。面取りカッターのバリも出てしまうので、最終的にはペーパーヤスリでしっかり角を丸く仕上げます。



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取り付け確認問題ナシ!

今回シリンダーを固定する為のジグとして製作していますが、この形状なら今後何か別の物を作る時にも有効利用出来るので、色々可能性が広がりますね♪




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by tm144en | 2026-03-03 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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