【500-Vdue】<第7章:整備>(第17話:クラッチハウジングギア③)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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クラッチハウジングギア改め、『プライマリードリブンギア』。

クランクシャフトに接続されているギアは、ギア伝達の一番『最初の(Primary)』ギアなので、『プライマリーギア』。
そのギアから『最初に』伝達される、動かされるギアだから『プライマリードリブンギア』ということですね。ドリブン(driven)はドライブ(drive)の過去分詞。


かねてから「ドリブンってなんだろう?」と思ってましたが、ドライブの過去分詞形の発音だったんですね。

Xで教えて頂いた方、ありがとうございました!




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さて、まずは昨日のニードルベアリングの続きから。

純正で使用されていたのは、INA製のHK3016 2RS。2RSというのは両シール付きのタイプという意味。
ですが、ducatiは外側のシール一つしか付いていません。




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1098は、プライマリードリブンギアの内径の外側に16番のオイルシール、その内側に20番のボールベアリングが圧入されています。絵面的に多分、開放のボールベアリングだと思いますが・・・

だとしたら、ミッションシャフトとの隙間を塞ぐシールは16番のみということになります。




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一方dueシールは44番のオイルシールと9番の両シール付きベアリングの計3ヶ所。ベアリングも10番のボールベアリングと9番のニードルベアリングの2箇所備えられています。
ベアリングに関しては、プライマリードリブンギア自体の厚みがあるので、それを賄うために必要な設計であろうことは推測出来ます。

ですが、ニードルベアリングの方をシール付きにする必要があったか?というところに疑問が残ります。

先日の考察では、カセット式ミッションの頻繁な脱着によるシール損傷のリスクを最小化するため、保険的な意味合いで3箇所付けているのではないか?というものでした。
だとすると、ミッション脱着を行う予定の無い私の場合は、シール付きではなくシール無しのニードルベアリングに変更することで、シールの抵抗分を減らし、ニードル幅拡張による剛性アップの期待が出来るようになります。



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NTNで見てみると、両シール付きのHK3016LLがあり、




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シール無しの同幅であるHK3016もありました。
同じ幅でのシールの有無ですから、単純にニードルの長さが違うことになります。つまり、シール無しの方が剛性が高いと言えます。

ただ、ですよ。

そもそもこのベアリングの役割は一体なんなのか?という点。
クラッチハウジングギ・・・プライマリードリブンギアとミッションシャフトとの摺動面に配置されているということは、すなわち『エンジンの回転がミッションに伝わっていない状況』において摺動の役割を担っているということになります。

つまり、クラッチを握っている時だけの役割。

発進時やシフトチェンジの『瞬間』でのみベアリングの役割が果たされ、それ以外の多くの時間はプライマリードリブンギアとミッションシャフトは連結されて同軸回転をしていることになります。

その状態における『剛性』とやらを追求することに、果たしてどれだけの意味があるだろうか?

そう考えると、剛性よりも『シール性』の方に重きを置いた方が、のちのちの整備性においては役に立つ可能性が高いと言えます。
dueの通常運行の段階になったらミッションの脱着はしないと想定しましたが、果たして本当にそうでしょうか?私のこの性格で『外せるものを外さない』ということを我慢出来るとは到底思えません。



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ミッションを外した時、



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ミッションオイルの汚れが沈澱していた状態を目の当たりにしました。ミッションオイルがドレンから綺麗に排出される構造になっていなかったのが主な原因と言えます。これはミッション室に限った話ではありませんが、少なくともミッションを外すことでよりしっかりオイルを抜き取ったり汚れを拭き取ったりすることは出来るわけですから、オイル交換のたびにミッションを外す。なんてのも大袈裟な話ではないのです。

カセット式ミッションなのですから。

むしろ、だからこそドレンの抜き取り加工コストを削減しているとも考えられます。




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BMW k1のオイルパンは、このように溝加工が設けられ、汚れたオイルを一滴残らず排出させるというBMWの強い意志を感じることが出来ます。

見えないんですよここ、普通は。にも関わらずコストをかけるということは、いかにメーカーが本気かということ。国産車でもオイルドレンがパンの底よりも高い位置にあるやつとかあるくらいですから、『製造上の都合』にどれだけコストをかけるか否かはエンジンを作る上での重要な項目となってくるわけです。

dueの場合は「どうせミッション外すのだから」と思えば、わざわざそこにコストをかけるのは意味が無いという判断だとしても頷けます。





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さて本日最後は、プライマリードリブンギアの一番外側に取り付けられていたオイルシールについて。




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サイズは内径28mm、外径38mm、厚さ7mm。メーカーはクランクシールと同じfp製。

うわーfp製かよ〜!


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安心してください!NOKにありますよ!

純正で採用されているのは、fp製の『G』というシングルリップのタイプ。




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どちらも同じシングルリップで、構造形状もほぼ同じ。厳密には若干の違いはありますが、どちらも同じ目的、性能ですので、これは置き換えてもなんら問題は無いと判断出来ます。しちゃいます。

っていうか、fp製はねぇ。70個ですから・・・笑





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by tm144en | 2026-02-12 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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