【500-Vdue】<第5章:測定>(第67話:ポートタイミング測定④)〜目覚めよ!冥界の支配者〜
2026年 02月 04日
(3041字)
「まぁ、鉄にコダワル必要は無いんじゃない?」

強度区分10.9。SCM435のボルトにM16P1.5のネジを立てるのは至難の業。
・・・というか、ちゃんと強度のあるダイスじゃ無いと到底太刀打ち出来ません。

というわけで材料を変更。A7075でボルトを作ることにしました。

夜中で高速カッターが使えないので、旋盤でカットします。

薄皮だけ削って、突っ切り。

適度な長さにしたらチャックに付け替え、下削りしていきます。

M16なのでφ16mm。『ノギスレベル』で笑

A7075とて、所詮はアルミ。M16なのでスイスイとまではいきませんが、順当にネジ山が立ちました。
SCM435に敗北して欠けたダイスでしたが、まだ残っている刃の部分があったのでなんとか使うことが出来ました。

アタッチメントの取り付け確認。バッチリです。

ボルトとして使用しますが、限定的な使い方なので頭は六角にしないでこのまま使います。
なんかすごい遠回りしているような気がしますが、気にしない気にしない。
そもそも、全てを俯瞰して完全理解した状態で作業しているのではなく、あくまで『手探り』で前に進んでいるので、何をすることが最善だったのかはこの時点では判断が出来ません。
その判断を下せるのは、ブログにまとめる時になってから。数日を空けて頭がリセットされた状態で改めて振り返ると、「アレ、なんでこんな方法取ってるんだろう?」ということはよくありましすし、その時思いつかなかったことがふと思いついたりすることも多々あります。そういう意味でブログ、すなわち『アウトプット』する作業は非常に大事だなと思いますね。
「全てを理解してから作業することは出来ないの?」
と思われるかもしれません。考え無しに進むのは良く無いと。
しかしそれは違います。考え無しに進んでいるわけではありません。作業前にどのようになるかを、ある程度想像してから材料や道具を準備したりしますので、『無鉄砲』や『行き当たりばったり』ではありません。
ですがやはり、一度も経験したことのないことでいくら想像を重ねても、思い浮かぶことの解像度はたかが知れています。それよりも実際に手を動かしてデータや現象、結果を得た方が、はるかに理解の解像度を上げることが出来るのです。
『想像』『実践』『総括』
この3つの流れを繰り返すことこそが、私の人生における最大の楽しみであり、とりもなおさずこのブログがその集大成となっているわけです。
そしてそれを読んでくださる方々がおられる。こんな幸せなことはないですよね☆

さて、余談が過ぎたところで作業に戻ります。
まずはワークを外径で掴み、端面を旋削。

21mmのドリルで穴を空けます。

アタッチメントのはめ合い部がφ21.65mmなので、内径はφ21.66mmを狙うことにしました。

残りは内径バイトで削ります。

φ21.67mmくらいになったかな?ガタも無くスッとアタッチメントが入ることを確認したら、

チャックにアタッチメントを取り付けて、

先ほど作ったボルトでワークを仮締め。

芯押し台に三つ爪チャックを取り付けて、ボルトを本締めします。

これでようやく外径旋削に取り掛かれます。

外径はφ66.345mm。ピストン径が66.33mm なので、それより一回り大きくしてあります。熱膨張の心配は無いですからね。
ちなみにシリンダー径はφ66.39mmでしたので、tm250のピストンクリアランスは0.06mmってことになりますね。ただし、簡易測定なので多少前後してるかもしれませんが。

というわけで測定用ピストンが完成☆

勿の論はめ合いもバッチリ!

長さの足りない分は、『下駄』を挟んでまかないます。

これでようやくポートタイミングの測定が出来るようになりました!
さぁ、『お手本』となるシリンダーのポートを拝ませて頂きましょう♪

なんと!
'20tm250のシリンダーは、掃気ポートよりもブースターポートの方が、0.55mm開放タイミングが遅く設定されているではありませんか!!!
まーーじーーーでーーーー!?!?

第1第2掃気ポートに関しては、きっちり同じ高さに仕上げてあり、面取りの仕上げも極めて美しく、真っ直ぐな状態となっていることが改めて確認出来ました。
それだけの加工精度、技術をもっていながら、ブースターポートだけ高さを間違えた?
いやいやいや
これはどう考えても『敢えて』そうしているのに違いありません。
ブースターポートのタイミングを0.55mm遅らせる。これがtmシリンダーの極意なのかもしれませんし、もしかすると企業秘密だったかもしれません笑

ちなみに'07tm125の方のシリンダーも、

肉眼で判るレベルで、ブースターポートの高さが少し低くなっています。これはもう間違いなく『敢えて』そうしていると言えます。
なーるーほーどー!
そーだったのかーーーー☆
掃気①②もブースターも全て同時が理想と考えてましたが、これを目の当たりにしたら考えを改めないといけませんね!

じゃぁdueはどうなっていたかと言いますと、たしかに僅かにブースターポートの方が低くなってはいます。しかし、測定値から見るにその値は最小で0.33mm、最大でも0.41mmと、tmの0.55mmには僅かに及びません。
ちなみに、C、Dシリンダーの方。新車装着時と思われる方のシリンダーに関しては、

なんと!ブースターポートの方が高いではありませんか!
な・る・ほ・ど!!
「dueのシリンダーは、ポート形状に欠陥がある」という『噂』がありましたが、これのことを言ってた可能性が非常に高そうですね。それはbimota社も理解していて、対策シリンダー(A,B)を送ってきたということなのでしょう。
つまり、先日書いた『火炎伝搬速度』にも絡んでくる話で、仮説としては混合気の燃焼した部分とまだ燃焼していない部分があり、燃焼して膨張したものはシリンダー側に行きピストンを押し下げ、まだ燃焼していない部分はプラグ付近に滞留している。
なので、ブースターポートの気流を先にプラグ付近に吹き付けてしまうと、まだ燃焼していない混合気が排気ポートに押し出されてしまうのではないでしょうか?
これは燃焼の広がり方、及び火炎伝搬速度とピストンの移動量、ポートのタイミング等織り交ぜて考察する必要があるので、宿題としておきます。
今回の結論としてはとりあえず、
「ブースターポートタイミングは、tmシリンダーに倣い0.55mm遅らせるべきである」
といったものとしました。
tmが0.55mmブースタータイミングを調整しているという世界線において、そもそも掃気①②のポートタイミングに最大0.52mmもの違いがあるというのは、やはり稚拙と言わざるを無いでしょう。
tmは第1第2ポートの高さはきっちり揃えてましたが、もしかしてdueは第1と第2においてもタイミングを分けているという発想を持っていたという可能性は無きにしもあらず。
ですが、値がバラバラである以上それは『やってないも同然』
直噴なので、第1ポートを僅かに遅らせる方が良いのではないか?と、今若干考えを改めていますが、もう時既に遅しなのでこの件に関しては封印。
とりあえず
『tmに倣う』
これを遂行していくこととします。
いや〜面白くなってきましたよ〜♪
(tmとdueではストローク量が違うので、それをブースターポートのタイミングに換算した方が良かったような気もしますが、これもまた時すでにお寿司)
by tm144en
| 2026-02-04 00:07
| bimota 500-Vdue
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