【500-Vdue】<第5章:測定>(第66話:ポートタイミング測定③)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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前回、改良したポートタイミング測定器を使用し、全てのポートタイミングを測定しました。




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詳細な測定結果は以上の通り。
排気ポートを正面奥側とし、左側のインジェクターポートからシリンダーを切り離して展開した図となっています。車両の実際の左右とは全く関係せず、あくまでシリンダー単体としての左右となります。

なお、記載されている測定値はダイアルゲージの示した値そのままとなっているので、ヘッド座面からの距離はこの値を75mmから引く必要があります。
当面は絶対値として値を見る必要性は無く、相互間の相対値として判れば良いので作業性の観点からゲージの示す値そのままで話を進めていくことにご留意ください。



ーーーーというわけで今回注目するポイントは、




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こちら。赤丸で囲った、各掃気ポートの開き始めのタイミング。
数値を見て判る通り、てんでバラバラの位置になっています。

掃気ポートは、クランクケース内の1次圧縮によって圧力が高められた空気が一気に放出される場所となっています。1箇所の圧力が合計6箇所のポートから放出されるのですから、解放タイミングがズレるとそれぞれのポートから放出される空気の勢いに大きな影響を与えると考えられます。

理想は『同時』であるべきと言えるでしょう。

その観点で考えると、上下を別にした場合、上シリンダーのタイミング差の最大値は0.52mm。下シリンダーは0.41mmとなっています。

1次圧縮は上下クランクで別ですが、エンジン全体としては2軸同爆となっているので、その運命は一蓮托生。燃焼効率に上下で違いがあると、お互いが足を引っ張り合い、最終的なエンジンの『調子』にも悪影響を与えるのではないかと考えています。

まとめると、タイミングのズレによる掃気の気流の乱れ。それによる上下シリンダーの燃焼効率の違い。それら二つの要因が重なって、快調なエンジンとは程遠くなってしまうのではないかというのが今回の仮説となります。
当然、これ『だけ』がdueのエンジン不調の原因とは言えません。数ある要因の一つに過ぎないでしょう。

ちなみに、0.52mmの差を『どの程度』と捉えるか?と言う点について。

エンジン回転数を5000rpmとした場合、ピストンが0.52mm移動するためには、0.00004992秒を要します。
5000rpmのピストンスピード10.4m/sにおける火炎伝搬速度を69.3m/sと仮定した場合、0.00004992秒で広がる火炎は約3.45mmということになります。

また、スキッシュエリアの調整幅はコンマ数ミリで燃焼効率に大きく影響を与えますし、ピストンクリアランスは1/1000mm単位で調整されます。

そう考えると、『0.52mm』もの掃気ポートの開放タイミングのズレは、決して無視出来ないレベルと言っても良いのではないでしょうか。

とはいえこれらは、数字をこねくり回した『トンデモ論』ではあります。掃気タイミングと火炎伝搬速度の相関性は何も論じてませんし、スキッシュエリアやピストンクリアランスも同様。あくまで、

『シリンダー内における規模感』

というイメージ、感情、ニュアンスの話でしかありません。
いずれにせよ、『揃っているに越したことはない』という前提で話を進めていきます。


「じゃぁ、どうするか?」


シリンダーに肉盛りすることは現実的ではありませんので、やれることと言ったら一番高いポートに合わせることくらいです。
上シリンダーの右第二ポートの26.09mmが一番開放タイミングが早くなっていますので、他のポート全てをこの位置に合わせることが現状取れる最善策であると結論付けました。

とはいえ、その削り量わずかコンマ数ミリ。それを極めて正確に、しかも11箇所も加工するというのが果たして『現実的』かどうかは分かりませんが、これ以外の策が思いつきませんので、やれるだけやってみることにします。

ただし、そうするとポートの開口幅の方をどうするか?という別の問題も生じます。
そもそも開放タイミングはもとより、開口幅も既に揃ってはいないのですが、開放タイミングを合わせることでその差はより顕著になります。

開放タイミングを合わせたとすると、開口幅の大小の差は0.38mmとなってしまいますので、こちらも揃えるべきかどうか?

とりあえず重要なのは『開き始めのタイミング』だと思っているので、開口幅に関しては一旦保留とします。


ーーーーと、その前に



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『お手本』がどうなっているか気になりますよねぇ〜♪

シリンダー上下座面の平行度や掃気流路の形状など、tmのエンジンは『お手本』と言える精度、造り、仕上がりになっています。同じ2ストローク250cc用シリンダーですので、理想の燃焼効率といった根底にある基本概念は同じだと考えて良いですから、『tmクオリティーに寄せる』というのが、dueのエンジンを整備していく上での指標となります。



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tmのポートは、ちょっと覗いて見るだけでも、その仕上がりの美しさが分かります。dueのポートとは大違い。バリなんか残っていませんし、フチも綺麗に真っ直ぐ仕上げてあります。

THE・お手本



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というわけで、tmのポートタイミングを測定して、dueと比較してみることにします。




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ですがシリンダー径が違いますので、同じロッドは使えません。新たに作る必要があります。




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突然思いついてしまったので材料は端材でなんとか作ることにします。

ですが、径は丁度良いのですが、厚みが全然足りません。ポートタイミング測定として利用する分としては、この程度の厚みがあればシリンダー内で斜めになることはないでしょう。ですが、外径を旋削するのに外径を掴むわけにはいきませんので、別の方法でチャックに固定する必要があります。

そうなるとまず外径で掴んで内径に穴を空け、内側からチャックに固定する方法が妥当であると言えるのですが、カメラを置いて観察する都合上、あまり大きな穴を空けるのは都合が悪い。




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というわけで、最小限の穴だけ空け、アタッチメントを取り付けて外径を旋削することにしました。
このアタッチメントは、ブロック球面のバーエンドプラグを作った時の物。





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これ作ったのも、もう2年前ですか〜・・・



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アタッチメントにボルトで挟み込んで固定する格好になるので、まずはそのボルトを作る所から作業を開始。

ボルトの材料はボルトから。



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必要な長さにカットします。




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径は丁度良いので、あとはここにネジを立てるだけ。




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ネジのサイズはM16P1.5。









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ダイスやっつけちゃった笑


SCM435のボルトなので、ダイスの方が負けちゃいましたね。

う〜ん、コマッタ!







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by tm144en | 2026-02-03 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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by だいちゃん