【500-Vdue】<第7章:整備>(第11話:シリンダーポートチューニング③)〜目覚めよ!冥界の支配者〜
2026年 01月 30日
(2671字)

以前にも少し書きましたが、dueの話では無かったので改めて。
掃気ポートは、3種類合計6箇所の穴が空けられています。
そのうち、排気ポートに近い①を『第一掃気ポート』、その隣の②を『第二掃気ポート』と呼び、排気ポートの対面にあるのを『ブースターポート』と呼んでいます。
dueの掃気ポートの気流を調べるためにブロワーを使って空気を送り込み、大雑把ではありますが大体の流れを把握することが出来ました。それが上図の矢印の通りとなります。
まず『第一ポート』の気流。吹き出し口の形状が斜めになっているので、矢印の方向に円を描くように掃き出されています。
動画だとちょっとわかりにくいですが、排気ポート側には一切空気が流れず、気流は全てブースターポート側のやや上に流れていっています。
そしてちょうどその位置にインジェクターの噴射口が配置されているので、噴射されたガソリンと空気が効率的に混ざり合う設計になっていると考えられます。
実に面白い!
そして『第二ポート』。これはシリンダーの中心に向かってまっすぐに掃き出されていました。
したがって、『第一ポート』では気流を回り込ませるついでにガソリンと混合させるのに対し、『第二ポート』はあくまで燃焼ガスの排出に役割を特化させていると考えることが出来ます。シリンダーヘッドの燃焼室はお椀状になっていますので、そこに滞留している燃焼ガスをかきあつめるようにして排気ポートに押し出す役割となります。
ただ、実際にはそれぞれの気流は同時に発生してシリンダー内を入り乱れているので、そうきっちり役割が分かれているわけでないとは思います。
色分けした煙で3箇所のポートから同時に空気を送り込み、どんな感じになるかの観察実験をすれば、より詳細に気流を研究することが出来そうですね。
・・・・やりませんけども笑
なお、このブースターポートのタイミングには実は大きな意味があるのではないか?という考察があるのですが、それに関してはまた後日・・・
ちなみに排気ポートに関しては、メインの大きい開口の両脇に小さいのが1つずつあります。これは、メインの方はパワーバルブの影響を受けるのに対し、両脇の小さい方はパワーバルブの横を通っていく通路となっています。
したがって、dueは電気式パワーバルブによる燃焼コントロールがなされているのと同時に、それに依存しない排気の流れも確保されているという設計になっているのです。
おそらく、排気ポートの面積を出来るだけ確保し、高回転高出力にするための措置ではないかと考えられます。
メインの排気ポートだけで大きくしてしまうと、ピストンリングの引っかかりの問題も出てしまいますし、おそらくシリンダーの剛性も落ちてしまうでしょう。
また、パワーバルブで低回転域のトルクを確保させるにしても、大き過ぎる排気ポートではその特性変化も大きくなってしまいます。ですので、排気ポートを部分的にだけ閉じるというセッティングとするために、通路を分けているのではないか?と推察しています。

ーーーーさて、というわけで本日の作業はこちら。
前回シリンダー単体での気流を考え、ポート出口のバリ取りや入口の『人』の加工などを行いました。
まだ完全とは言えませんが、ある程度の目処が立ったのでお次はケースとのつながりを見ていくことにします。そう。吸入された空気はまずクランクケース内に送り込まれ、そこからシリンダー側に登っていくので、ケース側の流れを見ることも重要となってきます。

まず初めに着目したのは、シリンダーとの接続部。

この部分に段差などが出来ていると、気流の乱れにつながりますので、注意して見ていきます。
2個のシリンダーとの組み合わせがありますので、それぞれ位置を変えて確認します。

そうすると、ほら。ありますね段差。

反対側も同様にシリンダー側が飛び出しています。

反対側には段差が無いので、それぞれのシリンダーの片方だけ、といった感じでした。

段差は奥側に位置しているので、気流の慣性を考えると結構モロに影響するのではないかと考えています。なので看過出来ない!

というわけで、それぞれの出っぱりを削ってしまいます。
厳密にはノックピンで位置決めしてからでないと精密ではありませんが、スタッドボルトだけの状態でもそう大きな動きにはならないので、このまま遂行します。

ダイヤモンドビットの細いヤツで削っていきます。

削るといっても全体は削れませんので、

やるとしたらこんな感じでなだからにします。まぁこれでも90度の段差になっているよりは断然マシでしょう。

そもそもそれほど大きな段差では無いので、ササっと削っただけで違和感の無い仕上がりになりました。



継ぎ目もバッチリなだらかになっています。
イイねぇ〜♪
エンジン『ヤってる』感満載です☆

あと、この赤線の部分が逆の段差になっているのですが、

この部分はこういった流れになりますので、『スムーズさ』という観点ではあまり気にしなくても良いかな?と考えています。
厳密には通路が拡張することで流速が落ちるといった現象になるのですが、形状が単純ではありませんし、さすがにそこまで考えていたら空力の世界から出られなくなりそうなので、今回は『簡易的な範囲内で』という点を鉄則にして作業をしていこうと考えています。

あと気になる箇所はココ。リードバルブから掃気ポートに流れる通路の部分。dueはここが角張っているんですよね。

tmは綺麗に丸く仕上げてあるので、しっかり気流のことが考えられているのが伝わってきます。
なので真似して丸く仕上げるか!?・・・・と思っているのですが、まぁまぁそこそこ削る量がありますので、1次圧縮との兼ね合いを考える必要があります。
というか、そもそも1次圧縮容積が上下クランクで違いがありましたので、もし可能ならここの削り量で容積を揃えられたら良いかな?と現在検討中となります。
まだ他にも削った方が良い場所もあるかもしれませんので、全体を把握してからということで、この件は一旦オアズケ。

次回からはいよいよ、ポートタイミングの精密測定を行なっていきます。以前行ったのはまだ予行演習といった感じでしたので、ここから実質本番となります。
2ストシリンダーのディープな世界。とくとご堪能あれ♪
気が付いちゃったですね。
クランクケースからシンダーに至るポートは滑らかに抵抗なく、もちろんガスケットも含め、しかも広げるのが最近のオフロードのワークスマシンの手法です。少なくとも私の知る限りtm、そしてKTMワークスがこのポートテングでした。バリ等はきれいにしていますがポートタイミングは全く触っていませんでした。勿論、パワーバルブのフラップ、タイミング等は別の話ですが。
クランクケースからシンダーに至るポートは滑らかに抵抗なく、もちろんガスケットも含め、しかも広げるのが最近のオフロードのワークスマシンの手法です。少なくとも私の知る限りtm、そしてKTMワークスがこのポートテングでした。バリ等はきれいにしていますがポートタイミングは全く触っていませんでした。勿論、パワーバルブのフラップ、タイミング等は別の話ですが。
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by tm144en
| 2026-01-30 00:07
| bimota 500-Vdue
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