【500-Vdue】<第5章:測定>(第64話:クランクケース座面②)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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それではケース合わせ面の精度を測定していきます。
最初に見るのは「カタカタ」していなかった方のケース。




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ケースには、クランクを囲むように3箇所ノックピンが配置されているので、最初はそれぞれのラインを基準にして見てみることにしました。

ただdueのエンジンは、ノックピンの位置にケース合わせ用のボルトが通っておらずノックピン単体となっているので、基準としてどうなのかな?というところはありますが、まぁとりあえず。




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まずは①のラインから。


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光に透かすと、明らかに隙間が確認出来ます。




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しかし、手持ちのフィラーゲージで最小である0.04mmは入りませんので、『一応問題無い』というレベルであるとは言えるでしょう。




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次に②のライン。こちらも、ごく僅かに光が透ける程度の隙間はありましたが、いずれも0.04mm未満といったところでした。

まぁそれなら概ね大丈夫かな?という感じだったのですが・・・




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なんと③のライン。ついにフィラーゲージが隙間に入ってしまいました。




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しかもその値。0.13mm。
通常こういった合わせ面は、せいぜい0.05mmとか、出来れば0.03mmとかの『ひゃくぶんだい』が要求されるレベルなのに、一桁違う1/10レベルの隙間。






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手前側は0.05mmなので、斜めに削れている感じになっているのかもしれません。



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同じ場所が低くなっているのかを確認するために、ストレートエッジをこの向きにして見てみます。




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すると、この向きで0.04mmが入る程度でした。


となると、



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こっちの向きで高低差があるのか?

・・・と思いましたが、この向きでは光がうっすら透ける程度。

したがって、そう単純な理解で解決出来る面の状態ではないということになります。


そう。まさに




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『ペンローズの階段』状態。




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低くなっているのはこの辺り。両クランクの真ん中に位置し、場所も近いので結構重要なポイントであると言えます。
反対側のケース次第とはなりますが、ここだけが低い状態でケースを組み付けると、ボルトの締結力によってこの部分だけが歪んでしまうと考えられます。




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歪んだ状態を図に表すのは難しかったのですが、イメージとしてはこんな感じになるのではないかと。
空白の部分が低くなっている場所なので、それをボルトの締結力によって無理矢理反対側の面に押し付けると、周囲がそれに引きずられる格好で歪むのではないかと考えられます。

そうなるとすぐそばにクランクシャフトが通ってますので、その軸も曲がってしまうことが危惧されます。




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こういう感じになるんだったら良いんですよね。フランジシールで密閉さえされていれば、特に問題は発生しません。これが先日申し上げた『場所による』の部分。



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今回のこの場所は、下の3箇所はボルトの締結に使われますが、上の2箇所の穴には締結力は生まれません。大きい方の穴はノックピンですが、となりの小さい穴共々貫通穴になっています。





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この0.13mmの隙間はちょうどノックピンの位置なので、隙間の大きさほどの心配は要らない・・・と、言えなくも無い。




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その上は矢印の2箇所で締結されるので、



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まさにこの格好になる可能性は十分にあります。





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とはいえ、下の3つのボルトの真ん中には0.05mmの隙間があるので、ここは確実に歪むと言えます。0.05mm分の歪みが、クランクシャフトの軸にどう影響するかまではちょっと解りませんが、ギリギリ許容範囲といえなくもない・・・かな?といった感じではあります。


な〜んか、キモチワルイですけどね。



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というわけで、もう片方のケースも同様に測定してみます。こっちは「カタカタ」していた方。





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先ほど0.13mmの隙間を生んだのと同じラインを測定してみると、





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先ほどは0.13mmでしたが、こちら側は0.04mmという結果に。さっきよりはマシですが、相対で見ると0.17mmになってしまうので、よけい歪みが大きくなってしまう可能性がありますね。



しかも、



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この部分。



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ここにも0.04mmの隙間がありました。

つまり、



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こういう感じに近いと考えられます。こうなるとやはり大きく歪んでしまいますね。





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で、こっちのケースだけカタカタなる原因は、




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どうやらこの部分にありそうです。指の位置を支点にして、ストレートエッジがシーソーのような動きをするのです。


したがって、




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赤線で示した辺りが、どうやらちょっと高いゾ・・・っていうところと、




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あとは、このノックピンの位置も、全体の中でやや高いゾ・・・ということが今回の測定で見えてきました。




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最初はマジックでマーキングして、もっと数値的にキッチリ高低差を把握しようと企んでいたのですが、重なり合う部分や『ペンローズ状態』になっていることもあり、途中からは脳内イメージでざっくりとした把握しか出来なくなってしまいました。

なのでちょっと不確実性はありますが、

「あの辺とあの辺が低くて、あの辺とあの辺が高そうだゾ」

というのが今回の測定結果となりました。

とりあえず「なんか良く無いゾ」ということは判ったものの、じゃぁどうすべきか?という部分に頭を悩ませる必要があります。
というのも、シリンダーの座面でしたら、面研してガスケットで調節ということも出来ますが、ことケース合わせ面は、面研・・・というわけにもいきません。クランクとベアリングの関係がありますので、横幅は厳密にしなければならないからです。なので、削った分をガスケットで調節することは出来ます・・・が、果たしてケース合わせ面に紙ガスケットを使っても良いものか?というのがあります。

ある程度位置精度に余裕のあるシリンダーや、精度関係ないカバー類は紙ガスケットが使用されますが、縦割りのケース合わせ面は位置精度が非常に重要ですので、私の知る限り紙ガスケットが使用されているのは記憶にありません。多分無いんじゃないですかね?

さーて、どうしましょうね・・・




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by tm144en | 2026-01-28 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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