【500-Vdue】<第5章:測定>(第63話:クランクケース座面①)〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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本日はクランクケースのお話。

以前、定盤の上にケースを置いて、「カタカタ」動くことを確認しました。





完全な平面が理想である合わせ面が、定盤の上で「カタカタ」してしまうということは、それすなわち面が出ていないということになります。

ですがこの検査方法では、完全とは言えません。

「カタカタ」するためには、面の出ていない箇所が端に寄っていることが前提となります。ですので、中心部だけが凹んでいるような面の場合、「カタカタ」はしません。

つまり動画の左側のケースに関しても「面に問題は無い」と言い切ることは出来ないということになるのです。右は言わずもがなですが。




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というわけで先日ご紹介したモノタロウ製ストレートエッジ。
これでケース合わせ面の精度を測定していくことにしました。まぁこれが普通のやり方ですけどね笑




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ストレードエッジは定盤の上で検査。面がしっかり出ていることを確認します。




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そしたら早速検査・・・といきたかったのでーすーがー、




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ガスケットがまだ残ってますねぇ。

前に綺麗にしたハズなんですけどねぇ〜・・・

・・・アレッ!?

・・・ってことは、定盤の上で「カタカタ」するのも、これが原因だったんじゃ・・・




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使用されているガスケットは、ロックタイトのフランジシール剤である510。これはドカティの乾式クラッチの、ハウジングを裏側のギアに固定しているボルトに指定されているものと同じです。




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これはボルトの緩み止め・・・というより、裏側のオイルが漏れてこないようにするのが目的となっているので、『フランジシール剤』が使用されているわけです。なので、ここに普通の緩み止めのロックタイトを使うと、もしかすると漏れてくる可能性があるかもしれません。

dueのケース合わせ面にもこの510が使用されており、マニュアルにも記載されていました。見た時にピンク色していたので、「もしかして?」と思ったら案の定でしたね。


ーーーーで、このロックタイト510。まぁ手強い!
プラスチックのスクレーパーでチビチビやってはいるものの、ラチがあきません。

やはりここは化学の力に頼るしかないか。



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というわけで用意したのがこちら。ロックタイト純正ガスケットリムーバです。510にも使えるものですので、これで浮かして簡単に剥がせるハズ。



・・・・ですが、


!!!CAUTION!!!



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このガスケットリムーバーは危険な薬品が使用されているので、厳重な態勢で作業を行う必要があります。
特に目と皮膚。


しかし!


今、北海道は冬真っ盛り。作業をしている夜中はマイナス2桁。なので外での作業は非常に困難を極めます。
とはいえやるしかない。



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まずは冷え切ったケースをストーブの上で温めます。
素手じゃ触れないくらいケースが冷え切っていますし、ガレージ内が暖まるのなんて数時間先ですので待っていられません。
これと一緒にガスケットリムーバーの缶も温めておきます。

人肌くらいの温度にまでなったら、一旦外に持っていき手早くスプレー。ある程度揮発成分が落ち着いたところを見計らってガレージ内にもっていき、ストーブの前に置いておきます。

冬はほんと不便!




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噴射した成分は、噴射直後にはブクブクと泡立つような感じで、その後のり状のベトベトした状態に変化しました。




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10分ほど置いたところで、のり状の物をスクレーパーで擦ってみます。要するにガスケットがこののり状のものと一緒に剥がれてくるということなのでしょう。





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一回では取りきれないので、同様の作業をもう一度繰り返します。

しかし、最初の時よりは綺麗になりましたが、どうしても剥がれない部分がまだ所々に残っています。




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なので、かくなる上のピカール作戦に変更。そう何度も化学薬品使いたく無いですからね。

やっぱ物理こそ正義!


合わせ面をオイルストーンで磨く人は多いと思いますが、私は推奨しません。キサゲ職人並みの、よっぽど卓越した指先感覚を持っていれば良いと思いますが、見よう見まねでやると却ってガタガタになってしまいます。

とはいえピカールなら良いのか?という話ではあるのですが、オイルストーンよりは削れる量が少ないですし、あくまでガスケットの残ったピンポイントへの使用にとどめるので問題は無いと考えています。

結局は何かしらで擦らないと取れないですからね、ガスケットは。




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というわけでチマチマ作業すること数時間。





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全て綺麗にすることが出来ました。

510手強かった〜!

ドカティのボルトで使う時は、真鍮ブラシとかでガシガシやっちゃえますけど、合わせ面はそうはいきませんからね。多分夏なら、ガスケットリムーバーでもっと簡単に剥がせたのかもしれませんが、今回の限られた環境下ではこれ以上使いたくありませんでした。

健康は大事!



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これでようやく合わせ面の測定が行えます。




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「カタカタ」していたのはこちら側のケース。

以前も書きましたが、




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こちら側の合わせ面だけ、なんか変な凹みが所々にあるんですよね。指で触って明らかに凹んでいます。

最初の考えでは、製造時に合わせ面のフライスをした後、オイルストーンかなんかで下手な修正したのか?と思っていたのですが、多分解りました。これ、鋳造後のまだ冷え切っていない段階で、砂から掘り起こしたやつを積み重ねていったんじゃないですかね。つまり、同じタイミングで作られた別のケースの表側になる方の座面部分で食い込んだのではないかと考えられます。

それを証拠に凹みの痕をよく見ると、一定の幅で円形になっているように見えます。




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積み上げる時には同じ面を下向きにしていくでしょうから、合わせ面を下にするとこちら側が上になります。ジェネレーターやピックアップギアの部分はそうですし、クラッチケースカバーの大きな座面も所々カーブになっています。おそらくこの痕ではないかと。

ただ鋳造時にはまだ面は出ていませんので、冷えた後のフライス工程となるはずです。だからこそ、座面部分に対する気遣いが無かったのでしょう。

しかし凹みが大き過ぎて、フライスしても残ってしまった。あるいは鋳造時の『削りしろ』が少なかったとも考えられます。

いずれにせよ凹み痕が残っているのはこの片側だけですので、たまたま順番的に冷え切っていなかったとか、積み上げた下の方だったからとか、色々運が悪かっただけの可能性はあるでしょう。

とはいえ、モトモリーニ社の鋳造施設があまり良い環境では無かったということは言えそうです。
シリンダーの座面が斜めになっているのもそうですし、とにかくエンジン製造技術がまだまだ未熟だったと言わざるを得ません。

ロックタイト510の充填最大すきまが0.25mmとなっているので、これくらいの凹みならギリギリ塞いでくれてはいるのかもしれません。
ですが、私が気になるのは『歪み』です。

ケースをボルトで締め込んだ際、合わせ面同士の接触していない所がボルトの軸力によって歪んでしまうのではないかと危惧しています。これはもう『場所による』とは思いますが、運が悪ければクランクの軸がズレてしまう可能性もありますので、ケース合わせ面の精度は非常に重要だと言えます

単なるカバーなら『漏れないきゃ良い』で済みますけど、縦割りのケースはその精度がそのままクランク軸に影響するので、慎重にならざるを得ません。



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というわけで次回、詳細に見ていきます。









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by tm144en | 2026-01-27 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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