測定器紹介⑥

(4937字)

測定器紹介もいよいよ大団円に突入!




測定器紹介⑥_e0159646_17185172.jpg


本日はダイアルゲージ、及びシリンダーゲージのご紹介からとなります。
ここからは『ひゃくぶんだい』の世界。

内訳は、

ミツトヨ製スピンドル式10mmスケール最小0.01mm×2
ミツトヨ製スピンドル式1mmスケール最小0.001mm×2
ミツトヨ製てこ式5mmスケール最小0.01mm×1
シンワ製スピンドル式10mmスケール最小0.01mm×1
新潟精機製スピンドル式80mmスケール最小0.01mm×1

ミツトヨ製シリンダゲージ50~150
中国製シリンダーゲージ35~50


となっております。


測定器紹介⑥_e0159646_17235180.jpg


今回のdue物語で、矢継ぎ早に増えたダイアルゲージの数々。普通のバイク整備なら1個あれば十分なんですが、『せんぶんだい』が必要になったり、クランク芯出しのために2個必要になったりと、もう買うしかありませんでした。

『スピンドル式』というのは、上の画像のような真っ直ぐに先端が押し込まれるタイプのものを指します。




測定器紹介⑥_e0159646_18010406.jpg

スピンドル式の特徴は、なんといっても先端を交換出来る所にあります。例えばシリンダーヘッドに取り付けてピストン上死点を探す時など、純正の先端では届かない時に先端を交換して測定位置を延長させることが出来るのです。

ただし、さまざまな形状の物は純正品として販売されていますが、『延長』というのは無いように見受けられます。というのも、先端を延長すると横方向に『しなって』しまい、測定結果に影響するからではないかと考えられます。回転物に当てて測定する場合は、最低限の距離で測定する必要があると言えるでしょう。

その代わりピストン上死点など、直動(含ほぼ直動)のものに関してはある程度延長しても問題なく使用できるので、延長ロッドを自作すればそういった環境の測定にも使用することが出来ます。




測定器紹介⑥_e0159646_21391176.jpg

ちなみにネジピッチはM2.6 P0.45。





測定器紹介⑥_e0159646_17391264.jpg


続いては『てこ式』。これは、先端がその名の通り『てこ』のように動くタイプのダイアルゲージとなっています。
測定環境によっては、測定面に対して直角にダイアルゲージを配置出来ない場合がありますので、そういった時に『てこ式』を利用します。




測定器紹介⑥_e0159646_17434214.jpg


このてこ式は、先端の角度をある程度変えることが出来るので、ゲージの当て方の自由度が確保されています。



測定器紹介⑥_e0159646_17450257.jpg


凄いですよねこれ。測定方向で角度調節出来るので、可動部分がこの小さな場所に2個設けられているわけですから。

てこ式はフライス盤の主軸に取り付け、ボーリングした穴の真円や真直を測定することも出来るので、いつかその使い方をしたいと企んでおります。

dueのクランクウェブ側面を測定するのにわざわざ用意したのですが、その使い道は全く意味が無く、現状は旋盤でワークの芯出し専用となっています。

そう。ダイアルゲージはセットアップが面倒なので、使う場所で『専用』にした方が作業効率が良いんですよね。旋盤あるなら、それ用に『てこ式』が1つあった方が便利です。

スピンドル式だと、ワークのサイズや測定位置によってはセットアップがギリギリになるので、てこ式の方が使い勝手が良いんですよね。

ダイアルゲージはさまざまな形状、方式、測定範囲があり、測定する環境に適したものを採用するのが理想とされています。
しかし、既に測定する環境が定まっているわけではない場合、どんなダイアルゲージが必要になるかの検討もつきませんから、そんな時はスピンドル式の『標準型』を1個持っておけば、概ね対応出来ます。そしてそれだけではどうしても都合がつかない場面に遭遇したら、その都度買い足すというので良いと思います。



測定器紹介⑥_e0159646_17530439.jpg


さて、気になるこちらのダイアルゲージ。シンワのスピンドル式ですが、頭に付いてる謎のアタッチメント。



測定器紹介⑥_e0159646_17542109.jpg


これはアルミニウム青銅から自作したアタッチメントで、フライス盤の主軸に取り付けることが出来るように改造されたものです。これを使うことで曲面の頂点を探すことが出来るので便利だと思ったのですが、あいにく自作の精度が低すぎておじゃん。芯が出てないし、圧入がキツ過ぎてスピンドルが重くなっちゃうしで、ほぼゴミになってしまいました笑

いつか作り直せたらと思っているので、一応取ってあります。




測定器紹介⑥_e0159646_21492682.jpg


お次はこちら。これはブログで登場したばかりなので、記憶に新しいハズ。
新潟精機製ロングストロークダイアルゲージです。そのスケールなんと80mmというシロモノ。そのスケールを0.01mm単位で測定出来るのですから、なかなか素晴らしいですよね。

このシリーズは、30mm、50mm、80mm、100mmの4種類があり、どうせだったら100mmにしたい所でしたが、金額が27000円か40000円かの違いがあったので、ヒヨって80mmの方を選定したのでした笑
精度的にはスケールの狭い方が良いですが、このストローク量だとチャレンジのストロークにわずか3mm届かないんですよね。なので、アッチを測定する時はどうしたものかと思いますが、まぁアッチは全円分度器使えるんでそれで良いでしょう。




測定器紹介⑥_e0159646_22015059.jpg


このロングストロークダイアルゲージは、現在dueのポートタイミング測定で使用し、緻密な『チューニング』に大活躍しています。詳細は後日ブログにまとめますので、その時までお楽しみに☆



測定器紹介⑥_e0159646_22043073.jpg

続いてはこちら。シリンダーゲージ。ボアゲージとも言いますね。これはその名の通り『シリンダー』の内径を測定するためのもの。

上のミツトヨ製の測定範囲が50~150mm、下の中国製は35~50mmとなっています。

これの他に5~30mmの内径用マイクロメーターを持っているので、内径に関しては30~35mmの測定空白が実はだいちゃんガレージにはあります。TL125のフォーククランプが32mmくらいだったので、測定にはちょっと苦労しましたよね。






測定器紹介⑥_e0159646_22061899.jpg


測定はダイアルゲージとセットで使用します。なので、ダイアルゲージを0.001mmのものにすれば、1/1000レベルの内径測定も行うことができます。




測定器紹介⑥_e0159646_22110636.jpg


先端の構造はこの様になっており、左側のロッドを交換して測定の最小値を設定します。




測定器紹介⑥_e0159646_22110915.jpg


そしてダイアルゲージに連動する測定端子はこちら側の『ポッチ』になってまして、有効ストローク量は1.6mmとなっています。つまり、最初に設定したロッドの最小値+1.6mmの範囲の内径を測定することが出来るということになります。




測定器紹介⑥_e0159646_22151863.jpg

ロッドはこのように各サイズが用意されており、5mm間隔のロッドと、シムが4枚あります。これらを組み合わせて、測定範囲にあった初期設定にするわけです。


で・す・が


ここの表記されている数値はあくまで『参考値』であり、これを組み合わせたからといってその値で測定出来るわけでは無いので注意が必要となります。

手順としてはまず、測定するシリンダーをノギス等で大まかに測定し、使用する測定範囲の概算値を確認します。

次に、その概算値にあったロッドやシムを組み合わせます。

そして『セットリング』というものを使用して測定する実際の数値をダイアルゲージ上で確認する必要があるのですが・・・・



測定器紹介⑥_e0159646_22215197.jpg


私の場合はここでマイクロメーターを使用して位置を合わせます。測定する範囲なんてさまざまですから、それにあったセットリングなんていちいち用意出来ませんからね。

なので、例えば70.00mmを測定したい時、マイクロメーターを70.00mmに合わせて固定。

シリンダーゲージをマイクロメータに画像のように合わせ、前後左右にゆっくり動かしてダイアルゲージの針が最大値を指す所を確認します。

ここで最大値のところにダイルゲージのメモリをゼロに合わせても良いのですが、この方法だとそれをやろうとすると針が動いてしまうので、私はメモリの値を読み取るだけにしています。
つまり、ダイアルゲージの値が『4と62』を指していれば、4.62mmということですが、その値が要するに『70.00mm』ということになります。ダイアルゲージの値はあくまで、シリンダーゲージに最初に差し込んだ位置と『ポッチ』のストローク量の合算値を表しているので、こういった読み方になるわけです。

それで『4.62』の所に針が指したら『70.00mm』ということになりますので、それで実際に内径を測定した時に例えば『4.52』の所に針が来たら、『70.10mm』ということになります。

ややこしいですよね

ダイアルゲージの針は、押せば押すほど数字が進みます

対するシリンダーゲージは、先端の『ポッチ』が押さされば押ささるほど内径が狭いということになりますので、内径数値としてのプラスマイナスの感覚が逆になってしまうのです。

ダイアルゲージの値が進まない→内径が広い

ということ。

なので、例えばエンジンのシリンダーの測定でしたら、測定値が変わることはないのでそれほど難しくはありませんが、旋盤で内径旋削をした場合の測定は慎重にやらないと混乱することがあります。


大事なのはまず『初期設定値』

次に『測定のプラスマイナス』

この2点がシリンダーゲージのややこしいポイントとなっています。
私も購入して使うまでは全然イメージが湧きませんでしたが、実際にやればそれほど難しいことではありません。



で、


注意事項ですが、マイクロメーターを利用した初期設定値は、厳密に言えばちょっと数値に誤差があります。
マイクロメーターの値は、シンブルを回転させてラチェットで適切に「カチカチ」させたところが測定値となります。つまり、『適切に押し付けた力』の分が測定結果に影響を与えるのです。




測定器紹介⑥_e0159646_22524065.png


シンブルを回転させスピンドルを伸ばし、被測定物を『押し付ける力』が、そのまま被測定物に『押し戻される力』として伝わってきて、シンブルの中のネジ山に対しても及ぶことになります。この時に生じる全体の僅かな弾性変形の分を含んで『測定結果』としているので、単にメモリにフリーの状態で合わせただけでは、正確とは言えないのです。


とはいえ


じゃぁ他に方法がありますか?と考えると、セットリングを用意するというのが一番理想かもしれません。しかし、1個1万円以上するセットリングを、じゃぁ一体何個買えば良いんですか?って話ですからね。ワンサイズ1個ですから。

作る物、測定する物が決まっているのであれば、それはその方が良いでしょう。しかし測定対象が多岐に渡るのであれば、マイクロメーターで合わせるのが現状取れる最善策と言えるのではないでしょうか?

以前少し考えたのは、ロッドやシリンダーゲージの各部を測定しておけば、その組み合わせで初期設定値を計算で決めることが出来そうであるというものでした。
しかしそれらをネジで組み合わせ、実際に測定を行う際に『絶対に計算通りである』という確証が果たして得られるだろうか?という疑念が拭いきれません。やはり、測定の直前に初期値を実際に確認しないことには、安心出来ないでしょう。

少なくともマイクロメーターで合わせるのであれば、一定の誤差で安定した数値にはなるわけです。つまり昨日の話で言えば『精度(precision)は低いけど精度(Accuracy)は高い』ということ。その方が『マシ』と言えるのではないでしょうか。

現状、この方法で製作物に関しては特に問題はありませんが、dueのシリンダーの内径測定に関しては、特に『せんぶんだい』は憂慮する必要があるかもしれません。
いずれボーリングに出すつもりでいますので、ピストン径と合わせてどう考えるべきか?というのが今後の課題と言えそうです。

まぁ今度、各部測定とマイクロメーターとの値の比較を実験して検証してみたいと思います。そうすることで、ある程度見えてくるものがあるハズ。

そのようにして一定の『基準』を作っておくのは非常に重要なこととなります。

それはつまり、『だいちゃんガレージ内における基準』という概念。


国際単位系である『SI』や『JIS規格』などはもちろん大事ですが、『だいちゃんガレージ規格』という意味で、ある一つの測定器を基準とし、それを元に他の全ての測定器を合わせていくという考え方。

これを、本来の意味からは少し離して『だいちゃんガレージ的トレーサビリティ』と呼んでいます。

この話はまた後ほど・・・






名前
URL
削除用パスワード
by tm144en | 2026-01-21 00:07 | Comments(0)

カメラとバイクとエトセトラ


by だいちゃん