測定器紹介①
2026年 01月 14日
(5259字)
『ドラゴンボールのアニオリ展開』
・・・ではありませんが、ブログの時間軸が実作業に追いついてしまったので、ここでちょっとdue物語から離れ、『測定器紹介』をまとめることで時間を稼ぐことにします笑
測定器に関してはこれまでもちょこちょこ触れてはいますが、工具紹介の時のようにまとめておこうと思った次第です。
私自身、『使い方』を間違っている可能性もありますし、おさらいの意味も込めて・・・

それではまず全体像から。
いや〜・・・集めましたねぇ〜・・・(遠い目)
高いモノから安い物まで色々ありますが、それにしたって数が集まれば大層な金額になるでしょう。
ーーーー以前私が感銘を受けた言葉があります。それは
『測れないものは、作れない』
というもの。まさにその通りで、粘土細工や彫刻のような芸術的なものではなく、こと『工業製品』と呼ばれるような物は、殆ど全て『測定』が土台にあります。
長さや厚み、外径等々。材料の『寸法』を測定することが出来なければ、ちゃんとした『ものづくり』を行うことは不可能と言って良いでしょう。
しかもそれは、『測定可能な最小単位』によって、製品の品質や性能に大きく影響を与えます。端的に言えば、
「精密な測定を行うことで、より品質の高い製品に仕上がる」
ということになります。
もちろん測定後に『精密な加工』を行うことも重要ですが、測定無くして『精密な加工』はあり得ません。何をもって『精密』とするかは、測定の数値に示してもらわなければ判断が出来ませんからね。
最小単位が1mmの測定器では、そのレベルの品質が限界点となります。同様に0.1mmなのか、0.01mmなのか。はたまた0.001mmなのか。
ただし経験に基づく『勘』というものもあります。人間の指先の感覚は鋭く、キサゲ加工などはまさに職人の技。しかし、万人が安定した品質で『ものづくり』するためには、やはり測定無くして語ることは出来ないでしょう。
『ものづくり』を始める時、だいたい最初は普通の『定規』から始まります。これが1mmの世界。それからより精度を求めて『ノギス』を手に入れ、1/10mmの世界に突入。この辺りまでは比較的オールマイティに使用可能ですが、ここから先は専用形状や狭い測定範囲が必要になってきます。1/100mmの世界。通称「ひゃくぶんいち」です。
私も、旋盤を導入するまでは『ひゃくぶんいち』は未開の地でした。マイクロメーターとダイアルゲージを持ってはいましたが、使い所はそんなに無くバイク整備でごくたまに出番がある程度。
しかし旋盤を導入し、本格的な金属加工を行うことで『ひゃくぶんいち』の世界に突入。そこで切磋琢磨する日々となりました。
『ひゃくぶんいち』の世界に入ると、それまで見えていなかったモノが見えるようになってきます。人間は与えられていない概念で物事を考えることは出来ませんが、測定に関しても同様のことが言えます。
私の場合、1/100mmレベルの『ものづくり』を自分で行うことで、既製品に対しても『ひゃくぶんいちの目』で見ることが出来るようになりました。そういう発想が自然に湧いてくるということ。
例えばピストンクリアランス。
マイクロメーターやボアゲージを持つ遥か以前。フサベルのエンジンを分解整備していた14年程前に初めて出会った『ピストンクリアランス』という概念。ピストン径とシリンダー径をそれぞれ1/100mmレベルで測定し、管理するというもの。
サービスマニュアルを見て意味を理解することは出来ましたが、肝心の測定器がありません。しかし当時は1〜2回しか使わなそうな測定器に数万円も出す気にはなれず、結局ピストンクリアランスの計測はオアズケ。『ひゃくぶんいちの世界』に足を踏み入れることは出来ませんでした。
そうなると私にとっての『ピストンクリアランス』とは、まさに絵に描いた餅。その領域のバイク整備を行うことは出来ないということになるのです。
要するに、『作る』ことが出来れば『管理する』ことも出来るということ。1/100mmレベルの『ものづくり』が出来るのであれば、そのレベルで製品を整備することも出来るということになります。
ただし、『作る』は機械が必要になる場合が多いので、この考え方は逆もまた真とはなりません。
私の場合は、『ものづくり』の楽しさの延長線上に、たまたまバイク整備が乗っかった。という感じになりますね。今のdue整備がまさにそれ。
ーーーーーというわけで前置きが長くなり過ぎてしまいましたので、そろそろ本題に入りますか笑
・・・あ、その前にもう一つ!
『測定』と『計測』は、日本語的にはどっちがどっちでも意味は伝わりますが、産業規格的には明確に定義づけられています。
=========
測定・・・ある量をそれと同じ種類の量の測定単位と比較して、その量の値を実験的に得るプロセス
計測・・・特定の目的をもって、測定の方法及び手段を考究し、実施し、その結果を用いて所期の目的を達成させること
=========
こういう表現てイマイチ「何言ってるか解らない」ですが、私の解釈では、『測定』はノギスなどの測定器を使って直接数値を測る行為。『計測』は測定を内包し、それらを踏まえた総合的に判断する行為・・・という理解で問題は無いと思います。
例えば、ピストンの直径やシリンダーの内径を測ることは『測定』となり、それらの値を計算して得られるピストンクリアランスに関しては『計測』ということになるのかなと。
なので、ひねくれた考え方をすれば、「ピストンクリアランスを測定する」と言ってしまうと、「えっ?フィラーゲージをすきまに突っ込んで測定してるの?」ということにもなりかねません。
ニホンゴって難しい!

さて、本日はこちらのコーナーから。いわゆる『定規』の類いです。
こんなの「紹介する」というほどのものではありませんが、テーマ的に無視するわけにもいきませんので、初日はとりあえず簡単なところから・・・

このコーナーで一番使用頻度が高いのは、多分この直角定規。正式には「曲げ尺」と呼ぶそうです。
(余談:ブログ)
普段特にこの定規のことを名前で呼ぶシーンはありませんし、直角のある定規だから直角定規と呼んでしまっていますが、今回のようにブログにしようとして初めて『曲げ尺』なる言葉を知ることとなります。これこそがブログをやる醍醐味!
主に『ちゃんとした』設計図を書く時に使用します。簡単な製作物ならフリーハンドで適当でも良いですが、全体像を入念に考察する時などは実寸大で平行直角をキチンと書かないと、設計ミスにつながってしまいます。
とはいえ、使う紙は無地のコピー用紙ですし、本職の設計士さんから見れば私の設計図など『おままごと』ではありますが。

お次はこの切れた定規。これは、右側の長い方がtmのリアダンパーストロークを測定する時に使用した物です。

『リンク比』を調べるために、リアサスペンションの動きに対しダンパーの変位量を測定するために作ったものです。

かなりチープな測定器ですが、リンク式サスペンションにおけるレバー比の二次曲線を概算で知るには充分役立ちました。

ただ問題はコッチの方。ホイールの変位量を調べるのに板を重ねて測ったのですが、これがチープ・オブ・チープでした笑
今ならもっと別の方法を取りそうなものですが、まぁこれはこれで簡易的で良いでしょう。

で、残されたこの短い方の切れ端。しばらく出番は無かったのですが、フライス盤を導入して活躍の場が与えられました。Z軸のファインフィードを簡易的に見るのに、ちょうど良い長さだったのです。
Z軸のファインフィードはハンドルにメモリはあるのですが、0.05mm刻みで1周36メモリという中途半端な値になっているんですよね。つまり1回転1.8mm。
なので、例えば『13mm動かす』とした場合、
13÷0.05=260
↓
260÷36=7.2222...
↓
36×7=252
↓
260-252=8
『7回転と8メモリ』
という計算が必要になり、まぁまぁ面倒。しかも、ゆっくり回すので「今何回転目?」がわからなくなることもあります。
それでも、精密さが求められる時はやるしかありませんが、それこそ『1mmの世界』で良いのなら、この定規をファインフィードの可動部に当てて測定して判断する方が手っ取り早いんですよね。

お次はこちら。これはミツトヨ製の定規で非売品の頂き物なのですが、まぁこれが伊達じゃ無いわけでして。

例えばこのメモリ。上が1mm刻みで下が0.5mm刻みになっていますが、

裏返すと刻みが逆になるのです。これ地味に便利というか、さすが「解ってらっしゃる!」と思いました。
というのも、

サイズの大きい似たようなシンワの定規の場合、これを裏返すと、

裏にはメモリがありません。つまり表側しか使えないということになります。
測る物の目的で、1mm刻みか0.5mm刻みかが変わってきますが、測る時の姿勢によって定規の使いたい側が固定されてしまいます。つまり、0.5mm刻みで見たい時にシンワの方だと下側で測定しなければならず、姿勢によってはやりづらくなります。
ところがミツトヨの場合は定規をクルッと反対にするだけでメモリの刻みを変えることが出来るので、楽な姿勢のまま安定して測定することが出来るのです。そういうシーンに出会わなければピンと来ないかもしれませんが、フライス盤に固定されたワークを測る時などには、小ぶりなサイズも相まってかなり重宝しますね。
しかも色味を変えることで、どちらの面かが瞬時に判断出来るようにしてあるというスグレモノ。
さらには、

この「グニュ」っと曲がる感触も素晴らしい。他の金属製定規も曲がるは曲がるんですが、厚みがあるとちょっと固いんですよね。
ミツトヨのこれは厚みが薄いので、小さい力で無理なくフィットさせることが出来て便利。使えば使うほど手に馴染んでくるので、もう他の定規が使ってられなくなりますね。
狭い場所で限定された向きで測定する時などに真価を発揮する定規と言えます。

本日最後はコチラ。『シンワ製止め型定規 兼 スコヤ』
角材などの側面に出っぱりを押し当てることで、側面に対し直角の線を引きやすくなるという機能を持った定規で、その底面を利用してついでに『スコヤ』にもなっちゃうというスグレモノ。

『スコヤ』とは直角を見るための測定器で、メモリは無くあくまで『直角』であることを見るためだけのものとなります。
話をちょっと脱線させますが、『直角』というのもなかなか難しく、その精密さには段階があります。
世の中にある物なんでもそうですが、精密であればあるほど値段の桁が跳ね上がるのが『精密』の怖いところ。
例えば上のスコヤ。これはJIS規格で1級と2級とがあるのですが、モノタロウで比較すると以下の通り。


1級と2級で10倍の違いがあります。
1級と2級の直角度の違いは
=======
1級:±(10+L/20)μm
2級:±(20+L/10)μm
=======
とされています。
『L』はスコヤの呼び寸法で、例えば上記の75mmの物で比較すると、
=======
1級:±(10+75÷20)=±13.75μm(0.01375mm)
2級:±(20+75÷10)=±27.5μm(0.0275mm)
=======
という違いになります。1/100mmの精度の違いに、10倍の値段の開きがあるという現実。
で、話を戻すと

このシンワのスコヤに、JIS2級のスコヤを合わせるとご覧の通り。
右のスコヤは呼び150mmのものなので、直角度は±0.035mm。対するシンワの直角度は100mmで0.1mm以下とされているのでこの有様ということになります。
いや〜、これ見たらヤバいっすよねぇ〜。
右のスコヤを買うまでは、結構しばらくシンワのスコヤを信じて金属加工してきましたからね。ターンテーブルの向きやワークの垂直を見るのに使ってきましたので、昔の工作物の直角精度は『1/10mmレベル』ということになります。
ーーーーちなみに、JIS1級スコヤとて、75mmで0.013mmもの『ズレ』が生じるというのですから、じゃぁ『真の直角』ってどうやって測ったら良いの!?ってことになりますよね。(え?ならない!?)
そういう方にはとっておきがちゃんとあります。

パパパパン!
「スコヤマスター」
ミツトヨ製スコヤマスタ。その直角度、驚異の0.003mm!
「え?ちげーし!メトロノームじゃねーし!!」
ーーーーーというわけで今日はこの辺で笑
やべー、測定器の話止まんねぇ〜〜〜〜〜\(^o^)/♪
by tm144en
| 2026-01-14 01:29
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