【500-Vdue】<第7章:整備>(第9話:クランク芯出し⑤)〜目覚めよ!冥界の支配者〜
2026年 01月 13日

ちょっと煮え切らない芯出しとなってしまいましたが、とりあえずもう一つの方に取り掛かってみることにします。


振れ幅は、右が0.011mm、左が0.023mm。こちらのクランクは綺麗な『ハの字』に開いているので、修正は簡単ですね。


左0.009mmまできました。


右は0.002mm。
1本目もそうでしたが、片方を修正しているといつの間にかもう片方の振れ幅も少なくなっているという現象が起きました。
旋盤で両端支持の偏心検査を行った時、ゲージの値は左右で逆転するという現象が起きていました。右を修正すると、左のゲージの値が小さくなる。1本のシャフトとしてみると偏心はあくまで全体に及ぶので、測定ポイントは『地点』でしかないからです。
その考え方でいくと、今回の偏心検査台においても適用されるのか?

図で考えてみます。
右が13°、左が3°『ハの字』に開いているクランクシャフトを用意。

これを今回の偏心検査台に乗せた状態で表し、ダイアルゲージの位置を矢印でしめします。

これで180°回転させると、矢印の先端からそれぞれ青線の幅分離れるのが確認できます。つまりゲージの先端が伸びた=数値が減った状態ということになります。
角度のきつい右側の方の値が大きくなっているのが判りますね。



これで反転させると、左の値(青矢印)に変化はありませんが、右は修正前よりも間隔が狭くなっているのが判ります。
したがってこの図から解釈できることは、クランクベアリング部支持の偏心検査に置いては、左右は独立した値を示している・・・
・・・・ということが言えるのですが、実際は左も修正されていた。
う〜ん・・・
ま、ちょっと図の方が稚拙なんで、もしかしたらミスってる可能性はありますね。


さて、最終的に右は1/1000弱、


左は0.004mmまで修正することが出来ました。これ以上はもう動きません。
余談ですが、この2本目の測定時。1本目の時よりもやたら針の動きが『トリッキー』になり、なんかヘンだな〜と思いながらやっていたのですが、原因はこれでした。

ベアリング側面に見える小さな『点』。
これの正体は・・・『銅の破片』

そう。銅ハンマーでドツキまくったことで、銅の破片がアチコチに飛び散っていたのです。その破片がシャフトやベアリング部に付着したことで、挙動不審なゲージの動きの原因になっていたのです。
クランクシャフトの重りで薄く伸びて、糊みたいにピッタリくっついちゃうんですよね。
これはちょっと盲点でした。

なにはともあれ、2つのクランクシャフト。それぞれ片方のシャフトだけ『センブンダイ』を出すことに成功しましたが、もう片方は1/100以下という結果となりました。
いずれにせよ最初の状態よりは確実に改善されましたが、tmのクランクを目の当たりにしたことでなんとなく煮え切らない気持ちが残ってしまいました。普通に見れば十二分な出来栄えだとは思うんですけどね。
今回行った初めてのクランク芯出し。印象としては『部品精度に依存した状態には、比較的容易に修正できる』というものでした。衝撃を与えることで、ピンが収まるべきところに収まるので、そこまで叩く向きや力を重視する必要はないのかな?という感想です。
もちろん、ある程度叩く方向の目安はつけるべきですが、そこまで厳密ではなさそうな印象。
ただし、クランクピンを軸にしたウェブの回転方向に関しては、叩けば叩いた分だけズレていくと思うので、そこだけは慎重にやるべきだとは言えます。逆に、最初にそこだけキッチリ合わせてしまえば、『ハの字』の修正はそこまで難しくないのなかと。
まぁ、たったの3個クランクを叩いただけの感想なので、まだまだ奥行きを知らないだけだとは思いますけども。


ボコボコにシバき倒した銅ハンマー。
合計何百回叩いたか判りませんが、元旦から2日にかけてずっとクランクの芯出しに取り組んでいました。
本当はもっといろいろ考察のポイントはあったのですが、なにせ言語化するのがむずかしい領域というか、『勘』に頼る部分が多く記事に全てをまとめるのは不可能でした。
途中夢中になって叩いていたので、記憶に残っていないシーンが多々あります。かろうじて要所要所の写真を撮ってはいましたが、後になってダイアルゲージの値だけ見ても「この時何を考えていたのか?」を思い出すことが出来ないのです。
そういう時は『メモ』も一緒に写真に残しておくという手法を普段ならやってたんですが・・・まぁ夢中になってたんですね笑
したがって、ブログ上では大筋の部分だけをまとめた内容となっており、シロートがいとも簡単に芯出ししたような印象を受けるかもしれませんが、少なくとも『丸2日間』取り組んでようやく妥協出来るレベルにもっていけた・・・と言えば、その苦労が伝わるでしょうか。
流石に叩き過ぎてクランクの金属疲労とか、他の部分が気になってしまいますが、それはもう後の祭り。運を天に任せるしかありません。
クランクシールの検証も『良い意味で』後味の悪い結果でしたが、今回のクランク芯出しもしこりの残る結果になってしまいました。
私が追求しているレベルが、私の能力の限界を超えたところにあるので、どうしても100%の達成感を得ることがここのところ難しくなってきています。
ですが、だからこそ『成長』出来るのだと信じていますし、これ以上ない『やりがい』を感じているのは事実。
全ては、dueの咆哮を復活させるため・・・
by tm144en
| 2026-01-13 00:07
| bimota 500-Vdue
|
Comments(0)

