【500-Vdue】<第5章:測定> (第51話:クランクシャフト⑤) 〜目覚めよ!冥界の支配者〜

(2998字)


「クランクシャフトの芯が出ていることは、オイルシール密閉度の側面でも非常に重要である」


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以前、そういった仮の結論に達しました。

というわけで、オイルシール密閉度の観測がまだ途中ですが、ここで一旦クランクシャフトの考察に戻ることにします。



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以前行ったのは、旋盤を利用したクランクシャフトの測定。偏心検査器を模した手法で行いました。当初はこの方法で問題無いだろうと考えていたのですが、期間が空いたことでちょっと気になることが。




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それは、自作したこの稚拙なセンターアタッチメント。




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そのアタッチメントを、クランクシャフトの両端に空けられたこの凹みに引っ掛けて回転させるのですが、その動きはそもそも真円になっているのだろうか?というもの。

というのも、センターアタッチメントの先端の精度然り、クランクシャフト側の凹みの精度も含め真円である前提が必要となるからです。じゃないと、引っ掛けて回す以上クランクシャフトは、この部分の精度に依存することになります。

ただ、いくら考えても机上の空論。実際に検証して、確証を得ることにします。



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検証方法はこのシャフトを利用します。これは以前、クランクケースの軸を測定するのに用意したシャフトなので、精度はある程度保証されています。これで一旦測定してみることに。




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センタージグに引っ掛けてダイアルゲージを当て、この状態でシャフトを回転させると・・・



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ここから、



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えぇ〜〜!?こんなに!?!?

0.08mmも振れてるじゃぁないですか!

こりゃぁダメだ。


シャフトはほぼ真円、真直に極めて近い状態であるとするならば、確実にエセ偏心検査器による測定結果が信用に値しないということが判明しました。





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やはりこのやり方じゃぁダメなようですね。



ーーーークランクシャフトの芯を測定するのに、偏心検査器を利用している人と、Vブロックを利用している人がいます。どちらも一長一短ありますが、せっかく旋盤があるので偏心検査器『風』でやってみたいという思いがありました。

それに、dueのクランクシャフトにはベアリングが付かないので、Vブロックで行う場合シャフトを直接擦りつけることになります。なんかそれってちょっと嫌。

ですが、今回の検証によってうちの旋盤及び自作のセンターアタッチメントでは精密な測定が出来ないということが判明しましたので、じゃぁやはり王道のVブロックでやるしかないか?



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ただ、VブロックならVブロックで、ちゃんと真直のものを『真直』としてくれるのかを先に検証したいので、端材で自作Vブロックを作ってみることにしました。




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材料は20mm厚のA7075プレート。これを使って『おもちゃ』のVブロックを作ってみます。

板材の上下面は仕上げされているので、ワークの準備として側面の平行と直角を出します。



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なのでまずは、バイスで上下面を掴んでそれを基準とし、側面の一つをフェイスミルで切削。以前の経験からX軸とY軸にそれぞれ動かして、『平行度』を高める切削を行います。




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そして削った面を今度は下にして、反対側の側面も同様に切削。これで側面の2つの平行が出たことになります。





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そしたら、ワークサイズがエンドミルの長さよりも大きいので、ここで一旦半分に切断します。






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先ほど削った側面の一端を下にして、真ん中をミーリングカッターで切断。




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2つに斬したら、





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お次は2つを並べてフェイスミル。面を出します。





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これで、最初に作った面との平行になります。






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そしてそのまま、今度はエンドミルで側面を切削。





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これで平行な上下面に対する直角の面が出来上がりました。





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反対側も同様に切削し、これでようやくワークの準備が完了。





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このまま2つがズレないようにテープで止めておき、V溝の加工をおこなっていきます。





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V溝の角度は90°なので、ワークを45°に傾けてクランプに固定すると、





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ちょうど中心にV溝が出来上がります。





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45°はこの定規で合わせました。




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下書きした線を目印にして、削る位置を把握します。





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しっかりバイスで固定したら、あとは手前から徐々に削るだけ。





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所定の位置まで削ったら、90°のV溝が完成・・・


・・・ですが、



削ったのがエンドミルの側面の方か底面の方かで、切削面の仕上がりが変わってしまいます。これはちょっといただけない。




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側面で削ったほうが仕上がりが美しいので、向きを変えて底面だった方を側面切削で仕上げます。





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その際、先ほど削った側面仕上げの方にエンドミルの底面が当たるとざんないので、刃の高さを紙で調節してほんの少しだけすきまを空けます。紙の厚みは0.08mmなので、これで微かに擦れる位置から刃をさらに1メモリ(0.05mm)だけ下げてギリギリを狙います。





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ギリギリ綺麗になる所までにして、削り過ぎないよう注意します。



そして・・・




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Vブロックのおもちゃがカンセーーー
♪\(^o^)/♪

なんかカワイイぜ☆



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張り合わせて削ったので、相性の良い方が判るように目印は残しておきます。






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さて、それではこのおもちゃのVブロックの実力や如何に!?


・・・・というか、本来ならVブロック『で』何かを測定するものですが、今回はVブロック『を』高精度シャフト『で』測定する格好になります。





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適当な位置にダイアルゲージを当て、まずは頂点を探します。




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頂点の位置が定まったら、シャフトを回転させてゲージの針の動きを確認。


むむむ!


ばっちり1/100以下の高精度ではあるのですが、微妙〜にモニョモニョ針が動いています。




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そこで、もっと精密に測定するため、1/1000スケールのダイアルゲージと交代。




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結果は3/1000。0.003mmの振れが確認されました。これはシャフトの精度なのかVブロック側の精度なのかはわかりませんが、いずれにせよおもちゃのVブロックでもまぁまぁの精度になっていることは確認出来ました。





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次に、そもそもシャフトの真直度がどうなっているかを測定します。Vブロックを外し、定盤に直接乗せてダイアルゲージで一端の頂点にゲージのゼロを合わせ、



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もう一端を測定。

結果はメモリ読みで1/10000。0.0001mm。0.1μmといったところ。もうほぼ完璧な真直度と言って良いでしょう。




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では、Vブロックの高さはどうか?

一端からもう一端に移動させると・・・




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1/100mmスケールになっているので、ー0.04mm高さが変わっていますね。つまり、2つのVブロックの精度はピッタリ一致していないということになります。
これは、切削面の高さが違うのか、あるいは斜めに削れているのかは定かではありません。ですがいずれにせよ、シャフトの『真円度』を見るには十分ですが、『真直度』を見ることは出来ないということが判りました。

それにしても、あれだけ慎重に加工したVブロックだったんですが、こうやって測定するとちゃんとした精度が出ていないんですねぇ〜。フライス盤の主軸が斜めなのが影響しているのでしょう。

一般的な製作物ならそこまで影響しないくらいの誤差とも言えますが、いやはや。高精度な加工はやっぱ難ぴーーー!!





ーーーーーというわけで以上の実験から、エセ偏心検査器で測定するくらいなら、たとえ自作だとしてもVブロックで測定した方が圧倒的に精度が高いことが判りました。




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というわけで、ちゃんとしたVブロックを用意して、クランクシャフトの芯を測定・・・・するのか?しないのか?


どっちなんだい!?



測定〜s〜〜〜・・・・




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by tm144en | 2025-12-20 01:31 | Comments(0)

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by だいちゃん