【500-Vdue】(第22話:クランクシャフト③)<第5章:測定>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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さて、楽しいツーリングの話から一転。クランクの考察に戻ります。(はい、そんな顔しなーい!笑)

前回、自作テーパーアタッチメントを作り、旋盤を偏芯検査器代わりにしてクランクの振れを測定しました。ただし、測定するだけでもそんなに簡単な話ではなく、実際にやってみることで様々な課題や問題点が浮き彫りになりました。

正直に申し上げて、今回のこのクランクの件。内容が非常に難しいというか、言語化するのが難しくて記事にまとめるのに非常に難儀しております。
実際この作業をやり始めたのは7月のことでしたが、記事にまとめれるほど理解が進んでいなかったので後回しになっていました。

しかし記事のストックも無くなってきたので、いよいよ重い腰を上げたという次第。





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というわけで、基本的なことから順番に考えていきます。

まず、理想的なクランクの状態を想定。両サイドのシャフトの軸をテーパーの芯で支えています。




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このクランクの、右側だけが『ハの字』に開いていたと仮定します。すると、シャフトの軸がズレますのでサイドのテーパーの芯に乗りません。




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なので両サイドのテーパーにシャフトの軸が来るように合わせる。これが実際に測定している時の状態となります。

赤矢印をダイアルゲージに見立ててゼロ位置を設定。このままクランクを180度回転させると・・・




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そう。赤矢印は両方ともシャフトに埋まってしまいます。つまり、ダイアルゲージの値が進んでしまう。

本来、理想的な状態から『片方だけ』意図的に軸をズラしたにもかかわらず、この測定方法では両方ともズレていると錯覚してしまうことが解ったのです。

動画や有識者などの説明を見る限り、このダイアルゲージの値は『それぞれのシャフトの傾きを表している』としていましたが、図にするとそうではないことが明らかになったのです。

つまり、ダイアルゲージの値は個々のシャフトの傾きではなく、全体の合計値としての値をしめしている可能性がある。


ただし、



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傾きをつけた右側のダイアルゲージの値の進みの方が多いので、以下のような概念では無いことが判断できます。



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クランクシャフトを2本の棒として考え、その中心で角度を付けます。


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その状態で軸を芯に合わせると、全体が『くの字』という認識になります。つまり傾きは絶対値ではなく相対化する。



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これで回転させると、両方のダイアルゲージの値は均等に動くことが判ります。





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つまりクランクの場合は、ピンとウェブのはめあい部分のズレということになりますので、




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この様に中心からズレた位置で角度がついていることになります。それによって左右の値に違いがでる。

実際は両方のウェブとピンのはめあい部がそれぞれズレているでしょうから、その値が相殺された形がダイアルゲージ上に表示されていると考えることが出来るのです。



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なので、両端を切り分けて測定し、それぞれの結果を連立させて計算することで、どちらがどれだけ斜めになっているかを導き出すことが出来るのではないか?

ーーーというのが現段階での仮説となります。







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というわけで、実際にどうなるかを検証するため、まずは測定方法を見直すことに。

クランクシャフトを定盤の上に置き、両サイドのシャフトとウェブ側面までの長さを測定しました。




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結果は右側が94mm、左が95mmとなりました。
なので、クランクの中心は測定時やや右に寄ってるということになります。





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なので、両方のダイアルゲージを設置する位置を、



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両端から75mmの位置に設定。これで左右差が無くなるはずです。





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これで再測定。振れの値は前回と同様でした。左が0.12mm、右が0.15mmです。(※画像では右が0.14mmになっていますが、ゼロ位置がズレていました)



ではこのまま、クランクシャフトの向きを反対にしてみると・・・




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アレレ?
左のゲージが0.04mm上がっちゃってますね。

これはどういうことだ〜?



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で、一応ゼロに合わせてから測定すると、今度は向きを変えた左側が0.15mm、




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右側が0.12mmという結果になりました。ここまでは仮説の通りです。(一部想定外もありましたが)

ーーーー今回の仮説で重要なことは、このそれぞれの値。0.15mmと0.12mmという値が、左右それぞれ独自の値を指しているのではなく、あくまで

『相殺された結果を振り分けた値』

になっているという点です。ここを見誤ったまま修正を行うと、おそらくドツボにハマるのでしょう。
素人の方がクランクの芯だしでドツボにハマっている動画なども拝見しましたが、おそらくこの辺りの理解を得ていなかったのではないかと推察します。

ピンとウェブは強力な圧入状態になっています。そのはめあい部を必要以上にこねくり回す行為は、しめしろを減少させるばかりか、思わぬ内部応力を誘発することにもつながると考えています。
ですので、芯出しを行う際には最小限の回数。出来れば1〜2回の修正でキメるのが理想だと言えます。


はめ合い部の応力はどうなっているか?

その点を次回考えていきます。





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by tm144en | 2025-10-03 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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