【500-Vdue】(第31話:ハイパーパイオリ大作戦⑤)<第6章:サスペンション>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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「で、ど〜すんの?」



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シムホルダーのアルミ置き換え作戦。
「オーリンズがアルミだから」という単純な理解で製作を進めた結果、致命的な強度不足が発覚。

pc上の画像でパーツのサイズを推し測り、『同じくらいのサイズ』であると判断したのですが、実際のパーツを見るとシムを通す軸の径が1mm違ったのです。
フルード通路の内径の違いも相まって、オーリンズとの0.2%耐力の差は実に5600N。560kgfにも及びます。(以前の記事で『5トン』と書きましたが、間違い)
シムを押し退け、フルードが一瞬で出入りする圧力を考えると、剛性不足は最悪破断のリスクが伴います。

その事実を目の当たりにし、ここまで一生懸命作ってきただけに茫然自失。継続の意欲が吹き飛んでしまいました。

『ハイパーパイオリ大作戦』として考えていた、ダンパーピストンの流用がダメ、材料置換による軽量化もダメとなると、もうなんかやる意味あるの?という気持ちになってしまいました。


で・す・が


よ〜〜〜く考えた末、あることに気が付きます。



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今回のこのシムホルダーはボトム側に位置する物ですが、シムに力がかかるのはダンパーピストンが高速で下降する時(圧側)となります。この時フルードがシムを押し退ける為に発生する力(減衰力)は、そのままシムが取り付けられたシムホルダーへと伝わります。

しかし、この時の向きはシムホルダーを圧縮する方向です。
金属の強度指標としての『引っ張り強さ』や『0.2%耐力』は、材料を伸ばす(引っ張り上げる)方向での指標であり、縮める方向はまた別の性質となります。

往々にして金属は、引っ張ったり折り曲げたりする力と比較して、押しつぶす力の方には強い傾向があるのが一般的。ですので、上述のシーンにおいては強度不足である可能性は低いと考えることが出来ます。
しかも、その押す力は細くなってしまった軸部分ではなく、太く作られた台座部分で受けるのでなおさら。

一方でダンパーピストン上昇時(伸び側)はどうかといいますと、



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こちら向きの時は、ボトム側のシムホルダーはフリーバルブの様になっており、ごく弱い張力のスプリングで1枚のシムを抑えているだけとなっています。
なので、伸び側でこのスプリングを押し上げる時にシムホルダーに伝わる力はごくわずか。

したがって、強度不足と懸念されたシムホルダーですが、ボトム側に関してはそれほど気にする必要は無いのではないかという結論に至ったのです。




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ただし、トップ側のシムホルダーは逆の働きになるので、こちらを材料置換すると強度的な問題は残ります。

ですが、



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そもそもこちらのシムホルダーの重量は25g弱。これをアルミに置き換えても15gほどの軽量化にしかなりません。ボトム側で47gだったことから見るとなんとも物足りなく感じてしまいます。


し・か・も



『バネ下』として動いているのはボトム側のシムホルダーであり、トップ側はフロントフォークのトップキャップに連結されている格好になっていますので『バネ上』という位置付けになります。

『バネ下』の軽量化は『バネ上』の10倍の効果があるとされるセオリーから考えて、『バネ上』で合計30gの軽量化は期待値が低過ぎます。



したがって、結論は

「ボトム側のシムホルダーのみアルミに置き換え、強度的に問題になり、なおかつ軽量化の効果が薄いトップ側に関しては既存のままとする」


というところで一応の納得を得ることが出来ました。

せっかく始めたんでね。何か形にしたかっただけに、この結論は十分合理的だと感じています。




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そうと決まれば、2個目の製作を開始!



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先日リサイクルショップで購入した、ミツトヨのデプスゲージが大活躍。長手方向の測定精度を格段に上げることが出来ました。やはり、測定器具の性能が金属加工における命運を握っていますね。ここにどれだけ投資出来るかで、今後の飛躍につながると言っても過言ではないでしょう。





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『ニガテ』な同じ作業の繰り返しを淡々とこなし、



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徐々に形を整えていきます。




そして・・・・




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完成〜〜〜〜〜\(^o^)/☆☆☆


いや〜思ってた100倍大変でした!




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単純形状だとたかを括っていましたが、純正の寸法と1/100mmレベルで全ての部位を削るというのがとんでもなく難しかったです。しかもそれを2個ピッタリ揃える。

まぁ本職の方からしたら当たり前のことなのでしょうけど、おそらくそのために重要な『捨て作業』みたいなノウハウが全く無いので、ただただ神経が衰弱していきました。
単純な考え方でも、1/100mmを測定して削ること自体は出来てしまいます。しかし、それを安定して常にやり続けるためには別の考え方を持つ必要があるのだと感じました。まさにそれが『プロ』の称号。

ただ、だからこそ『公差』という名のバラツキがあるわけですし、言い方を悪くすれば『揃ってない』ということになります。

それをキッチリ揃えて作ることが出来るのは、むしろプライベーターの方だと私は思っています。コストを度外視しないと生み出せないモノが『そこ』にあるから。


『そこ』に意味を見出すか否かは本人の気持ち次第であり、裏を返せば『そこ』にしか感動を得られないのであれば、もう自分でやるしか無いのです。

それこそが『プライベーター』の称号







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by tm144en | 2025-09-25 00:07 | Comments(0)

カメラとバイクとエトセトラ


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