【500-Vdue】(第30話:ハイパーパイオリ大作戦④)<第6章:サスペンション>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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『お手本』



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以前ふと思いついた、「ダンパーピストンを、オーリンズの物で流用できないか?」というのを確かめるため、姫の前脚を分解することに。




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パイオリのピストンと、過去の記事に載せたオーリンズのピストンのサイズを画像で比較する限り、なんかイケそうな気がするんですよね〜。ねっ?

わざわざ分解しなくても、以前このピストンを注文したことがあるのでどこかにしまってあるハズなんですが・・・見つけられませんでした笑





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というわけで分解。




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惜しい!

分解の苦労虚しく、敢えなく撃沈。径が合いませんでした。オーリンズの方が4mm太かったですねぇ。
パイオリのピストンリングがちょっとしょぼかったので、オーリンズのそれっぽいヤツが使えれば良いなぁと思ったのですが、残念無念。



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というわけで、せっかくバラしたので各部の寸法や精度、仕上げの研究材料としていくことに。




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先日コメントにて教えていただいた、フルードの通路の『カド』を落とすという加工。例えばこの低速の通路の入り口部分をよく見ると、オーリンズはしっかりテーパーに仕上げてありました。




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一方パイオリを見てみると、ややテーパーになってはいるものの、ほぼ面取りといって良いレベル。まだまだ削れるといった印象です。




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私が作ったのも同様。軽く面取りしただけで終わらせていました。ご提案が無ければこのままだったかもしれませんね。





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というわけで、小径用の面取りカッターを早速用意して追加工を行いました。




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どうでしょう?



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こちらはオーリンズ。多分、テーパーの角度がオーリンズの方がちょっとキツそうですね。私が使用した面取りカッターは通常の90°でしたので、おそらく80°とか70°とか。もうちょっと角度が浅い印象を受けます。

フルードの流れを出来るだけ滑らかにするためには、浅い角度で深く削る方が良いと考えられます。なので、オーリンズの方が『より良い』と言えますが、今回の加工も『悪くはない』といったところでしょう。少なくともパイオリ純正よりは良くなっています。

通路の出入り口はまだ他にもありますので、細かく見ていって改善出来る所は手を加えていくことにします。




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さて、追加工ついでに長手方向の寸法微調節を行なっておきます。この一番最初のフランジからズレていたので、それを基準にした全てがズレてしまっていたことになります。

長手方向はノギスで測定する手段しか持っておらず、そこが精密加工をする上での課題となっていました。






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ノギスを当てる時は左図の様に片方だけにするのではなく、右図の様にメインスケールの座面全体を当てるようにすることでより測定値が安定します。

しかし、メモリを実際に読む時のアクションが少ないのは左図になります。旋盤上においてですが、左図の方法でノギスを当てた場合、メモリは上を向けておけるので、読む時はそこから180°回転させる1アクションで済みます。

一方右図の場合は裏側を向いてしまうので2アクションが必要になり、その時にデプスバーがズレてしまうリスクが増えてしまいます。

スライダーのロック機構をうまく併用すれば良いのですが、おそらくこれは『良いノギス』か否かで測定結果が変わってしまうと言えます。安物のノギスだとスライダー自体の精度が甘く、僅かな力加減やロックの有無でコンマ以下の読み取りが微妙にズレてしまうことが往々にしてあるのです。

なので現状出来る最善策として、右図の方法でロックを使わず、数回測定した最頻値を採用するという方法を取ることにしました。

その分測定に時間と労力を費やすことになりますが、ノギスをケチっている以上致し方ありません。

もうね、測定器なんてそんなそんな買ってられませんよ笑




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テーパー部分も微調整。



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最後にシムフランジも修正。





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これにてホボ同寸の仕上がりになりました。『ホボ』って、多分コンマ1ミリはまだ追い込めてないかな〜?という感じなのですが、コンマ4ミリからのスタートだったので、これくらいで勘弁してもらいます。多分もう一回やると、今度はマイナスになってしまいそうですし。

おそらく今後デプスのマイクロメーターを購入する予定でいるので、その時それで再測定してさらなる微調節の可能性を一応残しておくため・・・というのが今回の大義名分となります(笑




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ーーーーさて、それはそうと。

今回ダンパーピストン流用の可能性を検証するため、オーリンズフォークをサンプルとして分解しました。
結果は既出の通り惨敗となりましたが、フルード通路の仕上がりの違いなど参考になる点も多くありました。



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例えば他にも、フルード通路の径の違いに関して。

パイオリは2方向で径が違うということは以前記事にしました。その理由が『低い加工精度を担保するための苦肉の策』と結論づけましたが、オーリンズも同様に2方向で径が違ったのです。

オーリンズに限って『低い加工精度を担保するための苦肉の策』などではないと仮定すると、この径の違いは意図的であるということになります。その根拠の一つに径の境目がキッチリ出ている点が挙げられます。



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パイオリはこのようにバランスがズレていましたから、『苦肉の策』を肯定する材料として十分でしたが、オーリンズはそうとは言えません。

とはいえ、先ほどのフルード入口のテーパー加工のように、通路の滑らかさを出す加工をわざわざ施しているというのに、ここで変な段差をつけることは矛盾していることになります。

もしかすると、低速時のフルードの流れを圧と伸びでやや変化させるため・・・という可能性もあるかもしれません。

穴の径は下側の方が大きいので、フルードの戻り。つまり『伸び側』の時に段差に引っかかることになります。ダンパーの基本セッティングとして、圧の減衰力の方を高めにするのがセオリーですので、その点でも一致しています。

高速側はピストンのシムで圧と伸びを別の設定に出来ますが、オープンカートリッジのこのフォークの場合、低速の調節は上下のオリフィスで同時に行われてしまいます。
なので、穴のサイズや長さなどで絶妙に調節している可能性があるのです。

したがって、パイオリの仕上がりは稚拙に見えましたが、2方向でサイズを僅かに変え、圧力を微妙に調節していた可能性は否定出来なくなります。

勝手に『苦肉の策』と決めつけ、φ3.5mmの貫通穴に作り替えてしまいましたが、念の為片方はφ3.6mmに修正しておいた方が良いかもしれませんね。



ーーーーそして、それよりもさらに重大な事実が発覚。




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オーリンズのシムホルダーの径を測定してみると、なんとφ8mmあったのです。パイオリはφ7mm。
しかも、中心に空いている穴の径はオーリンズの方が小さい。

それは何を意味しているかと言いますと、


『パイオリの方が肉厚が薄い!』

という事実が発覚したのです。

今回のシムホルダー製作。ことの発端は材料置換による軽量化でした。オーリンズがアルミだったので、アルミでいいべ?という単純な発想。

実際、ホルダー自体の寸法的優位差はほとんど無い様に見えたので、アルミでも問題無い・・・と判断したのですが、実はオーリンズの方が僅かに肉厚があった。

両者のネジ部を、0.2%耐力で比較すると、

オーリンズ 15326N
自作品    9696N

という結果になりました。約5630N。5トン560kgf近く『弱い』ということになります。

え・・・

ええぇ〜〜〜・・・・





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by tm144en | 2025-09-17 00:07 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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