【500-Vdue】(第23話:クランクケース⑥)<第4章:分解>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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無事、分割に成功したクランクケース。




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もう片方のベアリングにまだクランクシャフトが圧入されていますので、この後は通常のセパレーターを使用して分解していきます。




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今度は1箇所づつ外します。



そして・・・



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ついにキターーーーーー\(^o^)/♪


とうとうやってしまいました。エンジン完全分解です。日本に7台しかないバイクのエンジン。それを完全にバラバラにしてしまいました。
おそらく、このエンジンをここまでバラした日本人はほとんどいないのではないでしょうか?

まさに未知の領域!




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分解してまず目についたのは、クランクウェブに仕込まれた謎の圧入パーツ。
例えばtmの場合、クランクウエェブ軽量化とバランス取りの為の穴空け加工が施されているのですが、その穴の分1次圧縮率が下がってしまうので、イタリアらしくコルクが詰められています。
しかしdueのこれはそういった類のものではありません。完全に金属製です。

これは一体何か?

詳しいことは後日じっくり考察する予定でいますが、おそらくは『カウンターウェイト』ではないかと考えています。



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以前記事にした、1次慣性力を打ち消すお話。これの青線の力が『カウンターウェイト』によるものなのですが、おそらくこれではないかと。

クランクウェブの材質は鉄だと思いますので、それよりも比重の高い銅や鉛、ニッケルやタングステンなどの金属が圧入されているのではないかと考えられます。
そのあたりのことは、カウンターウェイトに必要な質量と使用されている体積から推察することが出来ると思いますので、今後のお楽しみにします☆




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さて、もう一つ気になった点。それがこちら、オイルシールです。

dueのクランクベアリングは両端ともボールベアリングが使用され、そのいずれもミッションオイルによる潤滑がなされていました。つまり、1次圧縮室との隔壁が必要になりますので、ベアリングの内側にオイルシールが必要になるということになります。

ここに使用されるオイルシールはかなり特殊で、クランクの高速回転に追従しつつ、1次圧縮の圧力にも耐える必要があります。そして出来るだけ回転抵抗を減らしたい。

純正で使用されているオイルシールも当然そういったことが考慮されたものが採用されていると思うのですが・・・ちょっと構造的にコレ、かなりギリギリなんですよね。




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図にするとこんな感じ。

シールの全幅は6mmで、ケースに圧入されている部分は4mm幅。2mmが飛び出している格好になっています。
クランクシャフトの根本はシールに接触させるための段差があり、その幅はシールと同じ6mm。

したがって、シール側面とクランクウェブが接触している可能性があるのです。というか多分擦れてます。

シールのリップ部分は接触摩擦するのは本分ですが、側面はそういった構造になっていないと考えられます。また、クランクウェブやクランクシャフトは熱望膨張しますので、最大膨張時はシールにかなりの負荷がかかっていることになります。

これまで聞いてきたdueの故障やトラブルの症状などで、クランクシールに起因するものは考えにくいものばかりですが、単純にここの構造は看過できない・・・

と・は・い・え

対策するにしてもどうしたものか?

まず、環境に適したシール及び適合サイズを探す必要があります。しかしそれでも、シールはめあい部の深さが4mmしかありませんので、通常の円筒形のシールならシール自体の厚みが足りないことになってしまいます。

なので、もしやるとしたらケースの奥の方を削ってベアリングを2mm移動させれば、6mm厚のシールをケース内に飛び出させることなく装着することは出来ますが・・・そうすると今度はシャフトの段差部分の寸法もなんとかしなければいけません。カラーを圧入していけるかどうか・・・?

どうするにせよ、ケースを分解してしまったからにはシールとベアリングは新品に交換したいところ。
ベアリングは一応同じ型番のものを手配済みなのですが、シールはどうしたものか。

設計変更を諦めて純正と同形状の物を付けるとした場合。シールメーカーは『FP』というイタリアのメーカーで、型番は以下の通り。



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これをどこか輸入してくれる会社があれば良いのですが、その前に気になることが。よく見るとこれ、



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耐圧性能が0.05Mpaとなっているではありませんか!?
これは一体どういうことなのでしょう?

0.05Mpaとは、気圧に換算すると0.5気圧。つまり、大気圧よりも低いということになります。

え!?どういうこと!?

エンジン組み立てた状態ではすでに大気圧(1気圧)がシール部分にかかっているわけですから、0.5気圧だと既に破綻しているということになります。

じゃぁどういう意味?

オイルシールの耐圧性能の概念を調べても、詳しく解説しているサイトが見つけられなかったので、私なりに考えてみました。




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まず、0.1Mpa(1気圧)の注射器を半分まで押し込むと、中の圧力は2倍の0.2Mpaになります。




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逆に、2倍に広げると内部圧力は0.05Mpaに減少。

つまり、大気圧との差が0.05Mpaというのが、シールの耐圧性能の限界ということなのではないでしょうか?
0.1Mpa上にある時は、『内側も外側も0.1Mpa』。したがって、両側から同じ力で押されているので、耐圧性能には影響しないという風に考えられます。





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体積と圧力の関係はこのような反比例の関係が成り立ちます。

したがって、1次圧縮圧力が0.15Mpaになる時の体積は1÷1.5




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つまり、1次圧縮容積の66%まで体積が減少すると、0.15Mpaの内部圧力となり、シールの耐圧性能の限界点となることになります。

では、一般的な1次圧縮率とはどの程度のものなのか?
実はその値は一般的ではなく、諸元表やサービスマニュアルにも記載されていません。なのでネットを検索するととあるお方が自力で計測しており、それによると『1:1.24』という結果になっていました。


この方のHPは大変勉強になるので、よく参考にさせて頂いてます。
この値はスクーターの50ccエンジンのものですが、排気量が違えど比率は大きく変わらないのではないかと推察できます。

であるならば、シールの限界性能は『1:1.5』までということになり、まぁまぁ許容範囲であるということが判明しました。

ただし、シールの耐圧性能の表記が、『大気圧との差』という意味で良いのならという注釈が付きますが。


まぁ、メーカーが選定したのだから、間違いは無いのだろうと思いたいですが・・・なんつってもdueなんでねぇ笑


シールに関しては、もう少し頭を悩ませることになりそうです・・・




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さて、最後に余談。

容積測定の時から気になっていた、コンロッドに付着していたこの汚れのようなもの。ケースを分解してようやく判明しました。





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おそらくケース合わせ面に塗られたガスケットがはみ出たものですね。それが合わせ面に全周に渡ってニュル〜っとはみ出ていますので、それをコンロッドが削ぎ落とすような格好になったのだと考えられます。触った感触、成分的にも似通っているように感じます。

なるほど。となると組み立て時は、そのはみ出たガスケットの処理が一つテーマになりますね。
なんといってもクランク入れた状態では、合わせ面に直接アクセスできませんから、はみ出たものを拭き取るということも出来ません。

薄い紙か何かを入れて削ぎ落とすことは出来るかもしれませんが、変なカタマリが残って悪さしてもいけませんし・・・う〜む。地味ですが難しい課題ですね、これも。





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by tm144en | 2025-07-30 00:06 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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by だいちゃん