【500-Vdue】(第13話:シリンダー座面②・インジェクター観察)<第5章:測定>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

なんかアヤシイ


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新旧シリンダーの比較。右が新車装着、左が購入時装着のもの。座面の様子が全然違います。




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新車装着の座面は、何かで擦ったような不規則な傷は散見されるものの、全体的には製造時状態のママといった印象ですが、




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購入時に装着されていた方は明らかにオイルストーンか何かで擦ったように見えます。実際、ダイルゲージの値も不規則な動きをしていました。

よくシリンダーの座面なんかをオイルストーンで磨く方を動画などで見かけたりしますが、あまりおすすめはしません。平面状態が1/1000mmレベルでわかる超絶技巧の持ち主がやるならいざしらず、普通の人間が行うとほとんどはガタガタになります。
元がよっぽど酷い状態だったのなら「まだマシ」ということもありますが、見かけ上の平面が出ている場合は余計なことをしないのが吉。

これをファンキーさんが行ったのか、送られてきた物が元々こうだったのかはわかりませんが、いずれにせよダイアルゲージの値は誤魔化せません。
座面が全体に斜めであるのは変わりませんが、それ以外にもこういった荒さが目立ちますね。

ただ、そもそもこのシリンダーは内壁にタテ傷がついたもの。なので、これをそのまま組み付けるということにはなりません。
シリンダーは全部で4個あるので、その中で良さそうな2個を選定して使用するというのが得策でしょう。今のところ、下シリンダーだった2つの状態が良さそうに見えます。
ただし、新旧を組み合わせるとピストンクリアランスに差が出来てしまうので、その場合はホーニング&再メッキに出すのが妥当かなと考えています。






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というわけで、4個のシリンダー全ての上下座面を測定しました。立て傷シリンダーの座面だけがおかしくて、他のは問題無い・・・ということなら良かったのですが、結果は以下のとおり。


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う〜ん。やはり全体で見ても、きっちりゼロで揃ってるということはありませんでしたね。これを『普通』と捉えるか、『修正の余地あり』と捉えるかは意見の分かれる所だと思いますが、少なくとも私は『気になって眠れない』。

やはりこれは面研確定と言って良いでしょうね。

ただ、やはりというか、CDの新車装着の方が精度はマシですね。

先ほどホーニングの話を書きましたが、それをやる前に座面の方をしっかりしておかなければいけません。測定用で作ったジグを流用して、面研にも使用出来るかどうか?
今後の課題となります。




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さて、シリンダー測定には関係なかったのですが、興味本位で取り外したインジェクターの話。




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固定ボルトを外せば抜き取れる構造になっていたのですが、指で引っ張るだけでは全く抜ける気配がないので、バイスで掴んで外しました。




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これがdueのインジェクター。『低圧式』と呼ばれるものですが、その実態はよく解りません。




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インジェクターの先端を観察すると、小さ〜〜〜〜〜い穴が空いてるのですが、肉眼はおろか、ルーペを使用してもよく見えません。



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画像で綺麗に写せるのは10倍が限界。


44倍まで写せるカメラなのですが、画像にするとヌメーっとするので動画にしました。









おそらく丸い部分がプランジャーになっていて、噴射時はここが奥に引っ込んで隙間から燃料が噴射してくるものと思われます。


かねてから疑問に思っていたことがあるのですが、このインジェクターの燃料噴射は、果たして『間に合って』いるのでしょうか?

というのも、dueはシリンダー直噴機構になっており、


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位置関係はこのようになっています。インジェクターの位置は排気ポートよりも低いので、完全密閉されてから噴射されるわけではないようです。
開発時点では、「燃料をピストンヘッドに吹き付けて冷やす」という考えもあったそうなので、おそらく噴射タイミングは下死点頃ではないかと思います。
(なので、どうしたって燃料は排気ポートから出ていってしまう分があると言えます。「それのどこがクリーン2ストなんだ?」というのは置いといて・・・)


一般的なインジェクターの噴射速度は400m/sとされています。
そしてピストンスピードは9000rpmでおおよそ18.4m/s。
なので、噴射『速度』はピストンスピードをはるかに超えていますが、重要なのは噴射『時間』の方。

つまり、下死点からインジェクターが塞がれるまでの約30mmの間に噴射を完全に終わらせなければいけないのです。その時間わずか0.00163秒。
この時間を過ぎるとインジェクターはピストンに覆いかぶさってしまうので、燃料はピストン側面に吹き付けることになってしまいます。ガソリンは基本的に混合ではありませんので、ピストン側面に吹き付けられることで油膜が切れ、それがシリンダーの傷の原因になっている可能性が考えられます。




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そう。傷の位置はインジェクター側なんですよね。大抵こういうのって熱的に厳しい排気側に傷が入るものです。
燃料の噴射時間が間に合わず、高回転時はピストン側面にガソリンが噴射されているのではないか?

その疑問を解消するためには、dueで使用されているインジェクターの噴射『時間』を測定しなければなりませんが・・・なかなかにハードルが高い。

というわけでネットの知を検索し、それっぽい数値をピックアップ。そこから仮の検証を行ってみます。

まず、インジェクターの構造は簡単に言うと『ソレノイドバルブ』になっており、電流によってプランジャーが開いたり閉じたりするようになっています。
しかし、開いた瞬間に燃料が噴射されることはなく、

電流→開き始める→噴射され始める→噴射し続ける→閉じ始める→噴射が減る→閉じる


と、一連の流れが生じます。このうち、燃料が噴射されていないタイミングのことを『無効噴射時間』と言います。そしてこの無効噴射時間は、インジェクターのサイズが大きいものは長く、小さいものは短いという傾向があるそうです。デカいものは遅いというのは、直感的で理解しやすいですね。

で、dueに採用されているインジェクターは『SIEMENS』というメーカーの『DEKA』という種類なのですが、現在同じものは取り扱っていないようで、調べても出てきませんでした。
ただ、2個取り付けられているところから察するに容量の小さいものだと考えられるので、無効噴射時間が短い推察。

で、その小さめのインジェクターで無効噴射時間が短いものだと、おおよそ0.00055~0.00075秒とのこと。
ただし、無効噴射時間は立ち上がり時の方が長い傾向にあるので、今回は仮に前半を0.0003秒、後半を0.00025秒として考えます。

そして、一般的にインジェクターの通電時間は0.002秒前後というデータがあります。


であるならば、電流が流れ始め、設定された燃料は噴射し終わるまでにかかる時間は概ね0.0017秒。

最初にあげた条件では、0.00163秒以内にということでしたので、もうほんとギリギリ。
しかもこれは、私が勝手に『下死点で噴射』という条件をつけてのこと。

ここまでシビアな条件となると、ストローク量などをちゃんと精密に測定し、インジェクターのデータも実際のものに即したものでないと正確な判断は出来ません。

ですが逆に考えると、条件次第では物理的に不可能では無いということは解ったので、今後なんとかして精密な測定ができればと思っていますが、はてさて・・・





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by tm144en | 2025-07-22 00:02 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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