【500-Vdue】(第4話:1次圧縮容積②)<第5章:測定>〜目覚めよ!冥界の支配者〜
2025年 07月 09日
前回は、1次圧縮容積測定するする詐欺をしてしまいましたので、今回はちゃんと測定していくことにします(笑)























容積測定に使用するのは2ストオイル。これをクランク室に注ぎ入れ、シリンダー座面『ツライチ』になるまでの容量で判断することにしますが、一つ問題が。

吸気ポートを塞がないと、こちらにオイルが流れてきてしまいます。
しかしこの吸気ポート。シリンダー座面に対して斜めの格好になっており、位置が高くなっています。なので、シリンダー座面ツライチに注いでも、吸気ポートをオイルで満たすことは出来ません。
なので、出来ればクランクケース側で蓋をして吸気ポートに入らないようにした方が良いのですが、そちら側の形状は複雑になっているので、蓋を作るのは難しい。

というわけで致し方ないですが、リードバルブの座面で蓋をすることに。
測定に使用するオイルが、吸気ポートの半分だけを満たすというちょっと中途半端な測定にはなってしまいますが、両クランクの容積を比較することが目的なので、測定に影響はないと判断。
もし必要であれば、追々吸気ポートのみでの容積測定を行えば良いかなと考えました。

というわけでアクリル板をカットし、蓋が完成。

蓋をする座面部にグリスを薄く塗り、

蓋を貼り付け。
ただ、これだけだとオイルの圧力で蓋が外れてしまう可能性があるので、

こんな感じで軽く押さつけておくことにしました。

コンロッドは、位置が容積に影響を与えるので、上死点で垂直にして紐で吊るしておきます。

容積測定・・・・ですが、容積を精密に測定する器具が無いので、先日購入した1/100スケールのハカリで重さを基準にすることにしました。温度で容量が変化するので、20度の環境で行います。
オイルは、カップの重量含めて500.00gに合わせました。オイル1滴で0.015gといったところ。
重量測定時は、カップを一旦外して再測定してもちゃんと500.00gになるように調整します。1滴ずつとかで増やしていくと、さすがにハカリ側の反応がズレてしまうからです。

オイルの準備が出来たら、いよいよ測定開始!
なるべく泡立たないよう静かに注ぎ入れますが、かといってあまりにカップの傾きを浅くしてしまうと、カップの側面にオイルが伝ってしまうので、思い切りも必要。
オイルをこぼしてしまったら測定結果に影響が出てしまうので、1滴たりともこぼすわけにはいきません。
ある程度の量を注いだら、座面に近づくにつれ糸のように細い筋で少しずつ少しずつ連続的に注ぎ足していきます。一旦カップを上げてしまうとその分カップの側面に伝ってしまうので、出来るだけ1回の動作で終わらせるようにします。
これ、結構技がいる作業ですね。

想定していた通りといいますか。オイルは表面張力が強いので座面からぷっくり盛り上がってしまいます。ただ、どこか明確な『基準』で比較できれば良いので、この表面張力が崩れる瞬間を目安にしてみようと考えました。
ポタッ・・・ポタッ・・・と1滴ずつ注ぎ足していきますが、なかなか表面張力が破られません。
というか・・・あれ・・・なんか・・・減ってない・・・!?

あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
横から漏れてる〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?
そう。

クランクシャフトの右端には小さな穴が空けられており、その先はケースカバーにあるオイルシールに差し込まれます。
そしてその表側には・・・

オイルポンプの入り口ががが!!
実は、この時初めてクランクシャフトにオイルポンプが接続されていたことに気がついたのでした。分解している時にここのホースを抜いてますが、先がどこに繋がっているかを特に気にしなかったんですよね。
なので、実はdueのオイルポンプはシリンダー壁にのみ接続され、クランクベアリングはそこから滴ったもので潤滑しているのだと考えていたのですが、どうやら違ったようです。
というか、なるほど。オイルポンプをクランクシャフトに接続して、コンロッドベアリングにオイルを回してるってわけですか。
コンロッド大端部はもとより、コンロッド中心部にも通路が設けられ、小端部にもちゃんと送られる構造になっていました。さすがです。
「2ストエンジンは、燃料にオイルを混ぜることで潤滑をしている」という常識を覆したシリンダー直噴2ストエンジン。
潤滑ポイントにオイルポンプで直接圧送することで達成しているのです。
裏を返すと、オイルポンプがこのエンジンの『命』を握っていることになります。
そう考えるとやはり、キャブで混合の2ストエンジンがいかに理に適っていたかを痛感しますね。
というわけで・・・
や・り・な・お・し

やりなおし。
オイルを一旦全部抜き取り、逆さまにしてしばらく放置。完全に抜け切ったところで再測定します。
アクリル板で蓋をした吸気ポート部も、一旦バラしてオイルをしっかり拭き取っておきます。

再測定時は、クランクシャフト先端に綿棒を突っ込んで対処。これで漏れてはきません。
それでは先ほどと同様に準備を整えていきます。
①X-Y軸水平
②コンロッド垂直固定
③吸気ポート蓋
④オイルポンプ通路閉鎖
⑤オイル計測
準備が出来たら、いざ再測定!

再測定時に突然ひらめいたのですが、座面に定規をあてて、表面張力にならないギリギリを判断する作戦に切り替えてみました。表面張力崩れる瞬間作戦だと、ちょっとあまりいい感じがしなかったので、やはり座面とツライチが理想だと判断しました。
が、
今度は定規に表面張力が働き、サイフォンの原理のようにオイルが引っ張り上げられ横に漏れてきてしまいました。
あ〜〜〜〜〜うまくいかね〜〜〜〜!!!!
や・り・な・お・し

再度やりなおし。
オイルしっかり抜き取るのに数時間は置くので、その間は別の作業をしていました。そのため、気になる容積測定は結局数日掛かり。
準備①〜⑤を整え、再々測定開始。
ただ、測定も3回目ともなると手練れてきたのか。作業の正確性が向上していきました。

測定目安に関しては、やはり人間の『直感』が最後に頼れるといいますか。「ここだ!」というところが案外正確なことに改めて気がつかされます。

1個前の測定時。定規を使う前に判断した「ここが座面とツライチのハズ」という見え方と、今回同じ見え方をした所で判断した結果、ほぼ同じ値を叩き出すことが出来ました。
(※画像メモ左欄が定規失敗測定時の値。上段が最初に直感的にツライチを判断した容量で、今回の右欄の結果とほぼ一致している)
ようやくこれで下クランクの容積測定が完了しました。
手際も慣れてきたので、続いて上クランクの測定に取り掛かります。
上クランク側は既にオイル抜き取り処理後なので、続け様に作業出来ます。
そして、待望の結果は・・・・

下クランク容量→427.44g
上クランク容量→455.56g
したがって28.12g分、上クランクの容積が大きいことが判明しました。

体積にして概ね30cc。
まーーーーーじーーーーー
でーーーーーーーー!?!?!?!?
アリ!?
こんなのアリなの!?!?
普通なの!?
許容範囲なの!?!?
欠陥なの〜〜〜〜〜〜!??!?!!?
by tm144en
| 2025-07-09 00:03
| bimota 500-Vdue
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