【500-Vdue】(第2話:ピストン・シリンダー)<第5章:測定>〜目覚めよ!冥界の支配者〜

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それでは測定の儀を執り行います。


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まずは、それぞれのピストンを灯油で洗浄。上クランク側のピストンだけヘッドにカーボンが付着していたので、それはピカールで除去。「ヘッドを鏡面にするぜ〜!」っていうのは、追々。カーボンは簡単に除去出来ましたね。

それにしても、これほどまでピストンの状態が違うと、『何かしら』を疑わざるを得ません・・・




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ついでに予備ピストンも洗浄。
これも1個だけカーボンまみれでしたが、先ほどと同様簡単に除去出来ました。

ピストンの使用時間にもよると思いますが、そんなに使ってなくてもガチガチに硬くて取るの苦労する時もありますから、これだけカーボンが柔らかいということは、ヘッドの温度が低かったのかもしれませんね。
直噴したガソリンがピストンヘッドに直接かかる設計になっているので、燃焼後のカーボンは都度洗いながされる感じになるでしょうし、ピストンヘッドの温度も上がりにくい。

設計の構想にも直噴のガソリンでピストンを冷やすというのがあって、それによってピストンクリアランスを狭くすることが出来るからパワーアップにつながると考えていたみたいです。

その副次効果として、カーボンの付着が少なく済んでいる可能性もありそうです。



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さて、それではそれぞれ測定していきます。



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まずは重量。今回このために、1/100g単位で測定出来るハカリを購入しました。と言ってもAmazonの安物ですが、精度はきちんと正確でした。同じ物を乗せてホボ同じ値になるので、『相対重量』として使うのには十分優秀です。



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お次は外径。これも新たに50-75スケールのミツト〜ヨ製マイクロメーターを用意。


で、測定結果を出す前に、早速間違ってしまったというか。
外径の測定ポイントをピストンリング溝の部分にしてしまったので、ピストン本来の値からはかけ離れてしまいました。
本当はもっと下の方を測らないとだめだったんですよね。

ピストンは、運転時の熱膨張した時に真円になるよう設計されていますが、ピストンヘッドとスカート部では温度に差があります。燃焼時の熱を1番に受けるピストンヘッド部の方が熱膨張量が多くなるので、逆算して常温時は上に窄まった形状になっています。なので、『ピストンサイズ』として見る場合、スカート部ギリギリのところを測定するべきなのです。

また、前後左右でも差があります。ピストンピンが入っている横の方が肉厚になっているので、熱膨張する量も増えてしまいます。なので、その点も考慮して横にも窄まった形状になっています。


つまり極端に表すと、



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こんな感じになります。

前後左右は測定しましたが、今回の値はあくまで『比較』という意味で捉えていただければと思います。後日改めて『ピストンサイズ』として測定し、ピストンクリアランスも含めて再考察することにします。


というわけで測定結果は以下の通り



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『上バンク』『下バンク』としているものが車体に組み込まれていたもので、C〜Eは付属のものとなります。

いかがでしょう。数値がてんでバラバラなのがお分かりいただけると思います。
ピストン重量は揃っていませんし、ピストン外径も異なっています。

昔、レッドバロンの店員さんにdueのことについてお話を伺ったことがあるのですが、その時の内容で印象的だったのが、「ピストンサイズが上下で違う!」といったものでした。
もう10年以上前に聞いたことですが、そのことだけが頭の中にずっと残っており、それを検証したくて今回とにかくピストンを測りたかったというのがありました。

そして案の定というか、言ってた通り。AとBに関しては前後方向で0.04mm、横方向で0.02mmの寸法差があることが判明しました。
カーボンの付着が多く、シリンダーとピストンに傷があり、棚落ちしかかっている方が径が小さく軽いピストン。

「全ての原因がコレ」とは流石に断定できませんが、逆に考えて径や質量が揃ってないことのメリットの方が考えにくいと言えるでしょう。

100歩譲って空冷のV型エンジンなら、冷却の厳しい後バンクのピストンクリアランスを広くしておくというのなら理解出来ます。(実際どうかは分かりませんが...)

しかしdueは水冷ですし、2つのシリンダーは共に前傾していますので、両クランクとも数値的なものは一致しているべきだと思います。

ただし、付属していたCとDのピストンは値が一致していましたし、カーボン付着のEも傷の部分を除けば概ね同じ。
そしてそれらはAとBよりも、横幅が狭く、縦幅は逆に大きいサイズのものとなっています。

この辺りのことがどう作用するのか?



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ただ、CとDのピストンに関してはちょっと謎です。キャブクリーナー的なもので洗浄したあとなのか?なんかちょっとシミっぽいマダラ模様な表面になっていました。もしかするとこれは新品未使用なのか?

となるとEのピストンはカーボンと傷まみれでしたので使用されたのは明らかですが、じゃぁもう一個は?

いや、もしかして下クランクのピストンだけ交換されたのか?

だとしても寸法が違うし・・・

うぅ〜ん。ちょっとこれだけの情報では判断が難しいですね。


とりあえずシリンダーの方を測定していきます。




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こちらも予備シリンダー含めて4機あります。贅沢ですね〜♪




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ボアゲージもミツト〜ヨをフンパツ!

銭貧ですよ銭貧〜涙



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シリンダー内径の測定結果は以上の通り。
シリンダー上死点付近の前後左右、およびポート直下あたりの前後左右の合計4ポイントで測定しました。

ただし、Aのシリンダーはインテーク側に深めの傷が入っており、測定値が広めに出ています。

このdueの新車状態で取り付けられていたシリンダーがCとDになるのですが、それと比較して0.005~0.01mmくらいクリアランスの狭いシリンダーになっている感じがしますね。
使用したダイアルゲージが100分台の物なので1000分台の値は正確ではありませんが、何度やっても同じ針の位置に収束するのでおおよそ正しいと考えています。

ちなみに、サービスマニュアルに記載されているのは以下の内容。



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dueには『Aシリンダー』と『Bシリンダー』というのがあり、手元の4個は全て『A』の刻印がなされていました。したがってAシリンダーと考えて良いでしょう。
それで見てみると、CとDのシリンダーの値が『Aシリンダー』の値と完全に一致しているのが判ります。

(※注ビモータ社が言う『Aシリンダー』と、私が割り振った『A~D』は全く異質なものです)


対してAとBのシリンダーは『Bシリンダー』の値とも合致しませんので、第3のシリンダーなのか?なんなのかといったところ。

同じタイミングで同じ測定器で何度も何度も測定しての結果なので、測定誤差はないハズ。



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ちなみにこちらがAのシリンダー。インテーク側に傷が入っているのが確認出来ると思います。



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そしてこちらがCのシリンダー。新車装着時に上シリンダーだった物ですが、こちらも同様にインテーク側に傷が入っています。
ただし、Aのシリンダーに比べて傷は浅く、測定にも影響するほどではありませんでした。
Cですら傷が入っているのに、それよりもさらに細いシリンダーに変えたら、そりゃより擦り傷がひどくなるのは明らかですよね。

ただし、それがあって縦方向に狭いAとBのピストンに交換されたのかもしれません。
シリンダーとしてはほんの一回り狭くなったが、ピストンは縦をさらに狭くした。

もしくは、本来ビモータ社が送るべきだったのは『Bシリンダー』だった可能性も考えられます。Aシリンダーはクリアランスが狭すぎて問題を抱えていたので、急遽クリアランスの広いBシリンダーを用意したのかもしれません。

ただ、とある『噂』を聞いたところによると、どうやらシリンダーの製造に問題があり、なんとポート形状の加工にミスがあったとか無かったとか。
であるならば、それの対策品が『Bシリンダー』という可能性もありそうです。

ポート形状の違いは致命的なものか否かで話も変わって来ますが、とりあえずここにあるシリンダーのポートタイミングも追々計測してみた方が良さそうですね。

とはいえ最初にも書きましたが、直噴でピストンヘッドを冷やすという構想を持っていたとされているので、パワーアップのためにピストンクリアランスを狭く設計したが、実際走らせてみるとかじってかじってしょうがなかった、というオチも考えられます。

しかしながら、下シリンダーのBとDには全く傷は入っていないので、上シリンダーの方だけ『何かしらの』問題を抱えていた可能性もあります。


なんか、臭うなぁ〜笑


いずれにせよ、ピストンの測定ポイントを正しい位置にして、再度ピストンクリアランスを測定し直す予定でいますので、この件に関しては一旦保留。後日再検証します。







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by tm144en | 2025-07-05 00:17 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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