【500-Vdue】目覚めよ!冥界の支配者 <第5章:測定> (第1話:構想)

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前回までで、クランクケースを残しほぼバラバラ状態となったbimota500-Vdue。
もちろん、ここまでバラバラにしたのには理由がある。

dueはECUのセッティングが合ってなくて、走行パフォーマンスが悪いという持病があった。2ストロークのシリンダー直噴エンジンだから、そう簡単にセッティングは出せない。それ自体は納得がいく。

しかしながら、送られてきたECUは全部で3つ。ビモータが「このマップ試して」と3つも送ってきたにもかかわらず、そのどれも調子がイマイチだったとのこと。

ビモータはバカなのか?

いや、そんなことは無い。情熱に突き動かされた彼らを批判する権利は我々には無い。

dueの開発には6年かかっている。イギリスの研究機関で開発されていた直噴2ストロークエンジンの技術と提携を結び、自社製エンジンへと漕ぎ着けた経緯がある。
排ガス規制によって絶滅へと追いやられつつあった2ストロークエンジン。その未来を切り拓くためには、『シリンダー直噴』の技術が必要不可欠だった。そして、その熱き想いで開発に情熱を注いだのが、他ならぬビモータ社だったのである。

様々な課題をクリアし、プロトタイプは完成。プロライダーによる試走も問題無かったとされている。そう、

「問題無かった」

多少のセッティングの調整に課題はありつつも、市販化にゴーサインを出せるレベルだったはずなのだ。プロトタイプの時点では・・・

しかし、ここからは私の想像も入るが、おそらく量産化に問題があったと推察している。ビモータの構想をもとに、実際にエンジン製作を請け負ったのはモリー二社となるのだが、量産化の段階でトラブルが発生したとされている。
納期や資金繰りなど、本来エンジンとは関係ない場所でのトラブルが、エンジン製作の『慎重さ』を欠いたのではないかと考えている。

つまり、市販されたマシンで「ECUが問題」とされていたが、実はそれ以前に「エンジンの精度」に問題があるのではないか?
ECUのセッティングによって決められた燃料の噴射は、2気筒それぞれ同時に送り込まれる。つまり、2気筒が全く同じ環境になければ、セッティングの値が同じである以上調子が良くなるはずがない。
きちんとした精度で2気筒がしっかりバランスされていなければ、いくら適切なガスを送り込んだところで、その動きにはバラツキが出てしまうことは明白。

しかもdueは2軸同爆。単気筒エンジンを2機繋げたようなシンプルな構造は、裏を返せば『バランス』が究極的に重要ではないかと考えている。例えるなら『二人三脚』

2人の足をがっちり結び、「せーの」の合図で息ピッタリ踏み出さなければすぐに転んでしまう。身長差や息が合わなければ、まともに走ることは出来ない。

対して通常の多気筒エンジンは、ほとんどが1軸クランクで、燃焼タイミングは各シリンダーごとに異なる。燃焼の最大値は基本的に一瞬であるから、タイミングをずらして燃焼を『足して』いくことで、クランクを回す力を連続的に発生させることが出来る。それぞれのシリンダーで一斉に力を発生させる様は、例えるなら『神輿』のようなものだろう。

神輿は大勢で重たいものを担ぎ上げる行為だが、背の高い者低い者、力のある者無い者などてんでばらばらでも、成立はする。もちろん、全員のスペックと息をそろえることで、より綺麗な担ぎ上げとなるが、それは多気筒エンジンのバランス取りのレベルと言えよう。

これはあくまで例え話だが、『2軸同爆』とはそういうものだと私は考えている。


したがって、2気筒におけるピストンクリアランスやピストン重量。スキッシュや1次圧縮比に至るまで、全ての値が『一致』していることが大前提であるべきマシンなのではないかと思うのだ。
単気筒のtmですらシビアなのだから、それが2気筒なら尚のことである。

おそらく、プロトタイプは少量で生産していたから、精度面での不具合は無かったと推察出来る。その上でECUのセッティングを施すから、ある程度良好な結果が得られたはずだ。
しかし、量産品は納期の遅れなどのプレッシャーから精度面が疎かになり、形はbimota500-Vdueでも、中身がまるで違うものになってしまったのではないだろうか。


まずはエンジンの機械的バランス。

その前提でECUのセッティングがあるべき。



したがって、第5章では徹底的にエンジン各部の『測定』を行うことにする。
とはいえ、精密な測定器は非常に値が張る。プライベーターにはなかなか辛い現実だが、夢のマシンを現実のモノとすべく、可能な範囲でなるべく高精度な測定を心がけ、ひいてはエンジンを精密に組み直すところまで持っていけたらと考えている。

だいちゃんガレージ究極の挑戦が、今始まる!




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by tm144en | 2025-07-04 00:05 | bimota 500-Vdue | Comments(0)

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