【チャレンジ】チャレンジよ復活せよ!(第7話:ステムベアリング整備・考察その1)

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続いて点検するのはステムベアリング。フロントサスペンションを構成するパーツとして、もっとも需要な役割を果たしていると言っても過言ではありません。




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ステムベアリングの点検をするということは、それすなわちフロントサスペンションは全て分解するということ。
作業自体はそれほど難しいものではありませんが、そのためには整備環境がある程度整っている必要があります。

通常のオフロードマシンであれば、腹下から前後輪とも持ち上げるスタンドさえあれば、一般的なガレージ整備の範疇で作業を行うことはできます。
しかし、チャレンジはバックボーンフレームを採用しているので、腹下から持ち上げることは容易ではありません。フレームがないからです。アンダーガードは取り付けられており、エンジンも丈夫ですから、無理やり上げてやれないことはないでしょうが、バランスも悪くアンダーガードのマウント部の負担も大きくなります。したがって、最良の方法とは言えません。

なので、フロント周りを分解する場合上からクレーンなどで吊り上げるのが一番安全で確実な方法となるのです。

一般的なガレージでクレーンを使用するとなると、現実的なのはエンジンクレーンを使用することになります。私はその方法で10年以上整備してきました。
ただ、アームの長さを延長したり、油圧を利用せずチェーンに変更したりなどの工夫は必要になりますが。

しかしながら、整備をする上でバイクを完璧な状態で安定させることができるというのは、作業の質を上げるためにもとても重要な事であると言えます。




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フロントタイヤ、及びフォークを外します。
このフォークアウターは純正カラーでは無く特注でアルマイト処理されたもの。事故後の修理の過程で行ったものになります。

ですがこのブルーアルマイト。ただ単に好みで変更するつもりではあったのですが、偶然にも再アルマイトは修理工程で必須項目となりました。
というのも、実はこのアウターチューブ。チャレンジのものではなく、当時のハスクバーナの物が流用されているのです。当時BMWはハスクバーナを傘下に収め、エンデューロイヤーとしてG650Xシリーズを誕生させましたが、そこで使用される倒立フォークはハスクバーナで使用しているマルゾッキから供給されたものになります。

しかしながらそこはBMW。ただ単にハスクバーナマルゾッキを流用してマシンを構築するなどという浅はかなことはしません。BMWにはBMWの哲学があるからです。

それは、『衝突安全設計』

たとえレース色が濃厚なマシンといえども、『衝突安全設計』をおろそかにするようなことは決してありません。
その証拠の一つがこのフォークアウターにあるのです。

このフォークアウターのボトムクランプ部分の径が、ハスクバーナよりも若干細く削られているのです。つまり、クラッシャブルゾーンとしての機能を持たせている。

そのため、内部構造含め完全に流用できるはずのマルゾッキアウターチューブでしたが、ボトムクランプ部分の外径をわずかに削る必要があったのです。そのため表面のアルマイトが削られますので、再アルマイト処理がいずれにせよ必要になったというわけです。

ちなみに、チャレンジに施されている『衝突安全設計』は他にもあります。それはフロントホイールリムとフロントフェンダーです。
これら3つのパーツが積極的なクラッシャブルゾーンとして機能しつつ、強靭なフレームによってライダーへの衝撃を最小限に抑えることができるのです。それに関しては、他ならぬ自分自身が身をもって体験しました。

林道での正面衝突。

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相手側はWR250rで、マシンの損傷はわずかにスポークが2本折れていただけに止まり、そのまま自走で帰っていきました。

対するチャレンジの方はといえば、先の『衝突安全設計』であるフロントホイール、フォーク、フロントフェンダーが大破。つまり、事故のエネルギーのほぼ全てをチャレンジの『衝突安全設計』に吸収してもらったことになります。

そのおかげで、相対速度100km/hに迫る衝突にもかかわらず、両ライダーとも体は全くの無傷。衝突の際、私はカタパルトのように前方に投げ出されることはなく、柔道の投げ技のように「ボテッ」と前方に一回転しただけでした。

もしこれが、双方ともWR250rだったらと考えると、結果はかなり違っていたことでしょう。

倒立フォークはフロントの剛性が上がり、かん合長の観点からもマシンの走行性能にとっては非常にプラスに働きます。しかし一方で、高すぎる剛性は事故の際のエネルギーの吸収が少なく、結果一番弱いライダーに衝撃が集中してしまうことになるのです。

かといって、フロント周りの剛性が低すぎては、ライディングそのものの面白みが欠けてしまいますから、そのバランスは重要といえます。
その意味では、チャレンジは世界最高の『衝突安全性』と『ライディングの楽しさ』を兼ね備えたマシンだと私は考えています。

ですので、この素晴らしいマシンを後世に伝え続けるためにも、しっかりと抜かりのない整備を行う必要があるわけです。





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・・・・って、余談が過ぎる〜www

さ、外すよ外すよ〜!



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ハンドルで吊っていた車体を、フレームからに吊り直します。




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ハンドルバーを外し、トップブリッジを外します。



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おや?



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そうそう。コレなー。


コレについては次回!

(余談が多すぎるんだよ〜!)





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by tm144en | 2023-07-12 01:26 | BMW G650x challenge改 | Comments(0)

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