2020年 02月 01日

【tm125EN】125返り咲きプロジェクト(クラッチケース洗浄)

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’07tm125のクラッチケース。パワーバルブの制御ギアが取り付けられています。
このパワーバルブの制御ギアは、クランクシャフトのギアから直接回転力を得ており、ウォーターポンプのプロペラと同軸上になっています。

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左側のパワーバルブの位置を動かすリンクロッド部分と、制御ギアとの部屋は別に分けられています。
制御ギア側はクラッチなどと同様にミッションオイルで潤滑され、リンクロッド側は設計的にはドライな空間として確保されています。
なので、連結ギアの隔壁部分にはオイルシールが入ってますし、シリンダー側のパワーバルブとの境目も同様にオイルシールが入っています。

しかしながら、その密閉度はいまいちで、放っておくとパワーバルブ側から吹き抜けてきたオイルが溜まってしまいます。

それもあって汚れがたまっているので、

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分解して丸洗いしました。

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洗浄後は完全乾燥させ、直ちにベアリング部分へ注油します。

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ウォーターポンプ部分とキックペダル部分のオイルシールを交換します。

とくにウォーターポンプ部分は、ミッションオイル側との隔壁になっているので超重要。パワーバルブの制御ギアを外した場合、必ず交換するくらいで良いと考えます。
フサベルの時は、この水と油を分けるシールは水側と油側の両方にあり、その間の空間から外に排出する『穴』が空けられていました。
つまり、水、あるいは油側のシールから漏れ出てくることがあれば、その排出される穴かららどちらかの液体が流れてくるので、シール交換の判断ができる、という構造になっているのです。

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しかし、tmの場合はそういった構造にはなっていませんので、シールの寿命には注意が必要です。

ちなみにここのオイルシールはエンジン回転がそのままずっと伝わっている場所なので、たとえば5000回転で1時間走ったら30万回転になりますので、10回乗れば300万回転にも及びます。
ゴムシールの薄〜いリップ部分が、300万回も金属シャフトと擦れ合わさっているのですから・・・・・・


シャフトがかわいそう


そう。案外シャフトが心配です。
ゴムの、というかNBRの力が侮れないのはリンクの時に痛感しました。さすがにシャフトが切断されるなんてことにはなりませんが、シャフトが痩せた分だけシール力が低下しますから、今一度シャフトの点検もしたほうが良いですね。

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シールを外します。

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ここのベアリングはSKF製。
なぜか、ゴムシール側だけ金蓋仕様というよくわからない部品選定になっていますね。

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パーツリストでもちゃんと『Z』の品番になっていますね。あ、しかもC3!!
金蓋の片側シールの場合は『Z』で、両側だと『ZZ』になります。ちなみに、接触型ゴムシールだと『LLU』とかになります。


このベアリングはミッションオイルで潤滑させる必要がありますので、開放型のベアリングを採用する必要があるのですが、ゴムシール側にわざわざ金蓋をつける理由がわかりません。


もしかすると、ウォーターポンプ側との隔壁をなすオイルシールのすぐ裏側に位置していますので、開放型であればオイルシールにジャブジャブオイルをぶっかけることになりますから、その負担を少しでも軽減させる意味で片側だけ金蓋にしたという可能性はあるかもしれません。
ゴムシールにしないのは接触抵抗が増えるからで、開放型と接触抵抗が変わらない非接触の金蓋を採用するのは納得はいきます。

まぁたしかに、無いよりはあった方が安全っちゃ安全ですけど・・・・

いや、むしろ、私の想像を超えるほど、この金蓋のおかげでオイルシールの負担がかなり減っているのかもしれませんね。
フサベルのように両サイドがシールされているわけではありませんから、『少しでも』というのは本当に切実なのかもしれません。
そのかわり、接触抵抗は限りなく低く設計されていることになりますから、エンジンパフォーマンスを遺憾なく発揮させることができます。

『レーサー』という基本概念から、『性能』と『耐久性』のトレードオフの極地が、この姿なのでしょう。

いやはや。見ているだけでも満足させてくれますね〜。

うえさか貿易さんのお話で、「tmにとっての価値は、速さやパワーではなく『愉しさ』である」といった内容がありました。
もちろんそれは『乗って愉しい』ということですが、私はtmの『愉しさ』はそれだけにとどまらないと感じています。
それは、未知のオフロードを、安全に、速く、確実に走破するという『単一目的』に開発されたとありますが、この『単一目的』であるが故の突き抜ける矢のように真っ直ぐな『設計』。この『設計』を有しているという満足感こそ、私にとってはtmを所有する『愉しさ』というか『喜びの極み』なのです。

最大の憧れは『本物のレーシングマシン』

しかし、F1のような、motoGPのような、『本物のレーシングマシン』を手に入れることなど不可能ですし、お金で解決したとしてもとんでもない金額でやっぱり不可能。

なので、我々のような一般人はいわゆる『レプリカ』を買わなければなりません。

それでも、よくできた『レプリカ』であれば一歩引いてみればまぁ普通にカッコ良いのですが、しかし1歩近づくと粗が見え、もう1歩踏み込むと、メーカーの仕事にガッカリしてしまうのです。
もちろん、『レプリカ』なのですから、金額がお求め安いのですから、それは仕方の無いことではあります。

なまじっか私は中途半端な知識を持ち、バイクを部品1個1個のレベルで観察してしまう『癖(へき)』があるが故、見なくて良いものを見てわざわざガッカリしているようなもの。

お風呂でムダ毛処理してる女性の姿を覗き見て、わざわざガッカリするようなそんな感じ。(したことありませんけど 笑)

過去いろいろなバイクを所有し、そのたびバラバラにしてきましたが、どれもしょせん『コンシューマー向け』。そこかしこにコスト削減の影を見つけるたび、マシンへの愛着が削がれていってしまったのです。
そんなに近づかず、一歩引いて見ていればそこそこ良いマシンもあったのですが、人間関係同様。近づきすぎるとよく無いものなのです。

しかし!そんな私を最大限満足させてくれるのがDB7の姫であり、tmの姫。イタリアが誇るべき、超マイナーメーカーのこの2ブランドだけは、どんなにバラしてもバラしても『粗』というものがでてこず、むしろそのたび新しい発見と感動を私に与えてくれます。
それは、この2つのメーカーが

「まず、良いモノを作ろう。そして、それを買ってもらおう」

そう考えているからなのです。(と私が勝手に思っている)

普通のメーカーの場合、会社である以上利益を追求しなければなりませんから上の考え方では成り立ちません。

「まず、売れるものを考えよう。そして利益を出そう」

この考えにならざるを得ないのです。それは仕方の無いこと。だって従業員を養わないといけませんし、株主に対しての責任もありますから。
でも、そういう考えのマシンでは、私の心は満足させることはできないのです。

ホームページにお金や時間を割く余裕があるのなら、その分マシン開発に回してくださいって感じです。


・・・・・で、今日なんのテーマでしたっけ(笑)


by tm144en | 2020-02-01 07:02 | tm125EN | Comments(4)
Commented by tmほっしー at 2020-02-01 14:12 x
「シェル子も100万回転でかわいそうってはなしです。/)`;ω;´)」
Commented by tm144en at 2020-02-02 02:52
いや、シェル子は100万回転させないよ。ほら、乗らないようにするから・・・てアレーーー!?
Commented by マチョ鍋 at 2020-02-23 03:07 x
オイルシールって油圧を利用してリップを摺動軸に押し付ける機能があるので、フリクションロスを減らすために蓋をしてんのかなって思ってみました。
以上、久し振りにまとめ読みしてるマチョ鍋でした。
Commented by tm144en at 2020-02-25 03:55
それがですねー、完全に画像が紛らわしんですが、ウォータポンプ側がシールの裏面になるので、水圧で押し付ける格好になるんですよ〜。
残念でした〜笑

まとめ読みあざーーーっス!!
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