【VANVAN】復活!初日の出ツーリング (第1話)

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12月31日、23時30分。
もう年が明けようかとしているまさにその時、VANVANの出撃準備が整った。
時間に追われ、満足のいく作業をすることは出来なかったが、それでもなんとか年内完成にまで漕ぎ着けることが出来た。

「よし!これで行ける!」

そうブログに綴った直後、トラブルに見舞われた。アイドリングが全く安定しないのだ!

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日中のエンジン試動時には安定したアイドリングをしていたし、試運転でも問題は全く無かった。それなのにここにきて、なぜか全くアイドリングをしなくなってしまったのだ。
チョークを引いた状態では吹けきってしまう程のアイドリングになるが、チョークを戻すとエンストしてしまう。

おそらく、キャブレターの不調などが原因と思われるが、正直な話、私はキャブレターはあまり得意ではない。症状からセッティング云々の知識が乏しいのだ。

そんな状態だったが、とりあえずキャブレターのカバーを開き、あれこれ模索してみた。

「時間が無い!」

もうわずかで年が明けてしまう!
年越しの瞬間は『バイクの上で』というのが、初日の出ツーリングの醍醐味。こんなガレージ横の路肩で年越しなんて、虚しすぎるではないか!

そんな焦りの中、祈る思いでエアスクリューを回すと、さっきまでの症状がまるで嘘のように、ピタっとアイドリングが安定したのだ。
しかも、時刻は丁度0時00分。まさに年を越した瞬間である。
こんな奇跡があるだろうか。これはこれで、良い年越しになったと言えるだろう。

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走りは至って順調だ。懸念された車用スタットレスタイヤでの走行だったが、それなりに走ることができる。
アスファルト部分では何も問題はない。曲がらないといったようなことはなく、普通にコーナリングする。
積雪や圧雪路面でのグリップ力も、まるで不足がない。当たり前のようにグングン加速し、曲がり、そして止まる。
しかし、凍結路面。表面に『テカリ』が生じている路面では、そのまるで逆。まるでグリップしない。もはや『摩擦』という概念すら存在しないかのようだ。
スタットレスタイヤにおいては、凍結路面でのグリップ力は車重に依存するということなのだろう。軽量な90ccのマシンでは、タイヤを路面に押し付ける力が圧倒的に弱い。

また、広がったトレッド面の影響も大きい。僅かな路面の起伏や凹凸、ウネリといったものをいちいち拾い、しかもおおげさにマシンに伝えてくるので、乗っている方の緊張感は途切れることが許されない。
しかしこれは、サスペンションの性能もある。リアのダンパーは抜けバネだけの状態であるし、フロントもどうなっているか判らない。

それでも、普通の夏タイヤで走る程走りが破綻している訳ではない為、私はとにかく進むことを選んだ。

例年であれば、まず目的地ありき。『どこで』初日の出を見るかに重きをおいていたが、今回はそうはいかない。
全く未知の乗り物で、全く未知の走りをすることになるのだから、目的地を選定することなど不可能。
したがって、今回の初日の出は走りの状況に応じて、臨機応変に考えることとした。

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先述の通り、気の抜けないライディングではあるものの、それなりにコツをつかんできた。
最悪近場での初日の出、というのを覚悟していたが、この調子ならそこそこ遠くまで行けそうな気がする。
ただ、まだ不確定要素がある。燃費だ。

ガソリンタンクは4.5リットル。それに10リットルの携行缶を積んで、合計約15リットルでどれくらい走れるかが全く判らないのだ。
tm144で、9リットルで約90kmの走行だったから、リッター10km。
90ccのエンジンは、144ccの1.6倍の燃費だと仮定すれば、リッター16km走ると想定される。
となれば、4.5リットルで72kmは走れるはずなので、15リットルあれば200km以上は走行出来ることになる。
とはいえ、それは机上の空論。実際はやはり走ってみないと判らない。

ガソリンの問題は、最悪ロードサービスを呼べば解決するが、その他にもマシントラブルの懸念が残る。
エンジンはオーバーホールしたとは言え、完璧なものとは言い難い。
車体廻りに関してはほとんど手をかけていないので、どこでどうなるか全く予想がつかないのだ。

そう。『走れる状態』とはもはやそれだけであり、安心、安全な走りとはまるで別なのだ。
そんな手探り状態のツーリングではあったが、乗っている当の本人はまるで気にする様子も無く、すでに淡々と距離を延ばしている。

この先に待つ、過酷な運命も知らずに、、、

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by tm144en | 2017-01-02 03:26 | SUZUKI VANVAN90 | Comments(0)

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