【チャレンジ】さよなら岩間温泉ツーリング(最終話)
2016年 09月 29日
「ところで、岩間温泉には無事行けたのですか?」
「それが、行けなかったのです。」
「1%の確率も?」
「1%、、、いや、それ以上の確率はあった。でも行けなかった。」
「それは、なぜ?」
「進まないことが、正解だった。」
「あなたは嘘つきですね。1%の確率があれば、進むと言った。残念です。」
「いえ、解っていないのはあなたです。確率1%を100%に変換する為に、時として退くこともある。」
「言い訳ですか?」
「命ある限り、挑戦することを許される。確率1%を1%のまま遂行することは、無謀と言うのです」
やはり、だ。
日勝峠の通行止めの時点で、薄っすら予想はしていた。
そして然別湖の時点で、その予想は確証へと変わる。
とはいえ、引き返すつもりなど毛頭無い。今まで幾多の通行止めを走破してきた。物理的に走行不可能な場所で無い限り、走破出来ない道など無い。
その気丈な思いは、ゲート進入直後に打ち砕かれることになる。
道が、無くなっていた。そう、完全に。
通常、通行不能とはいえ、そこには道のようなものがある。
しかし、ここに、『それ』と思わしきものを、全く見つけることが出来なかった。
つまり、どちらの方向に進むべきかすらも判断できない。
ただ、道は無くとも、地面はある。物理的に走行不可能な場所ではない。であれば、とりあえず辺りを探索してみるに他ない。
長年培ってきた、山の中での勘、そう『山勘』で、道のようなモノは発見した。
しかし、それはあまりにも険しい。
逆側から見ると、その険しさがよくわかる。
車一台分の道幅が、おそらく大雨による増水の影響だろう。山肌がえぐり取られているのだ。
要するにこうだ。遠くに見えている川が増水し、
辺り一帯がこのように浸水していたと考えられる。
かつて道だったその場所は、いまは『空』となっている。。。。
さらに奥へ進むと、
かなり太い倒木が道を塞いでいた。しかも斜めに。
これは、だめだ。
難所が多過ぎる。現在時刻と、今回の装備では到底進むことは出来ない。
フラットダートを鼻歌まじりに走るつもりでしか来ていなかった。
しかし、ここまでの感じで、行けない事も無いとは思う。山の中での勘ではあるが。
私にとっての盤石の態勢。軽量な250ccクラスのマシンに、ちゃんとしたオフロードウェアー。数台の編制でもって、早朝からアタックすれば、まだまだ先へ進むことは出来る。
しかし、日が傾き始めた頃に、一人で、重量級のマシンとマイナスの気温でも走れるウェアーでは、到底アタック出来ない。
悔しい気持ちもあるが、ここは退くことこそ賢明。
岩間温泉への道のりは、わずか数百メートル程で断たれたのであった。。。
さて、温泉に入りたい。そのつもりでここまで来ているのだ。
近くに『幌加温泉』という所がある。そこは有料の温泉宿なので、今まで特に行こうと思ったことは無かった。ここまできたら、当然岩間温泉に行っていたからだ。
しかし、その岩間温泉に行けなかった以上、向かうべきはそこしか無い。
幌加温泉の『鹿ノ谷』という温泉宿。
その名にふさわしく、
鹿がウロウロしている。
ーーーー気さくな婆さんが出迎えてくれた。感じの良い婆さんだ。
500円の入浴料を支払い、中へと入る。
なんともノスタルジックな雰囲気。「まるでタイムスリップしたかのよう」という、まるでセンスの無いワンフレーズが出てきてしまう程、時の止まっている空間。
実はここ。混浴。
脱衣所は別になっているが、中の風呂は一緒になっているのだ。
カノジョがいる人は、知らないふりして是非来ると良い。きっと素敵なものが拝めるはずだ。。。
内湯は人(男)が入っていたので無理だったが、露天は誰もいなかった。
石で組まれた浴槽は、岩間温泉のものとよく似ている。
泉質は、やや乳白色だが岩間温泉のものよりは透明度が高い。
というか、ここには内湯も含め4つの浴槽があるのだが、そのそれぞれは泉質が異なる。
内湯にはナトリウム泉、カルシウム泉、鉄鉱泉、露天は硫黄泉となっていた。
よく見ると、山奥からホースで源泉を引っ張ってきている様子が窺える。
岩間温泉もそうだが、ここの露天は日よけが無いので、入浴中は日差しをモロに受けてしまう。
そこで取り出したるは、
傘。
これを日よけにして、ゆっくりと湯船に浸かるのだ。
途中、若いカップルと老夫婦が入ってきた。
老夫婦はさておき、若いカップルは文字だけ見れば、、、だが、、、、まぁ、理想と現実とは常に解離性があるもので。。。
気がつけば、葉が色づき始めている。
日中の最高気温も、そろそろ20度を越えなくなってきた。
岩間温泉への林道は、改修されるのだろうか。
今回の台風雨の影響は、私の想像を遥かに超える、甚大な被害をもたらしていた。
日勝峠や三国峠などの、主要国道でさえ通行止めになる程の事態。
岩間温泉への林道など、優先順位としては一番下の方と言える。
もし、諸々の状況が整えば、再度岩間温泉への道をアタックしてみようと思う。
その時はチャレンジか、はたまた、、、
「それが、行けなかったのです。」
「1%の確率も?」
「1%、、、いや、それ以上の確率はあった。でも行けなかった。」
「それは、なぜ?」
「進まないことが、正解だった。」
「あなたは嘘つきですね。1%の確率があれば、進むと言った。残念です。」
「いえ、解っていないのはあなたです。確率1%を100%に変換する為に、時として退くこともある。」
「言い訳ですか?」
「命ある限り、挑戦することを許される。確率1%を1%のまま遂行することは、無謀と言うのです」
やはり、だ。
日勝峠の通行止めの時点で、薄っすら予想はしていた。
そして然別湖の時点で、その予想は確証へと変わる。
とはいえ、引き返すつもりなど毛頭無い。今まで幾多の通行止めを走破してきた。物理的に走行不可能な場所で無い限り、走破出来ない道など無い。
その気丈な思いは、ゲート進入直後に打ち砕かれることになる。
道が、無くなっていた。そう、完全に。
通常、通行不能とはいえ、そこには道のようなものがある。
しかし、ここに、『それ』と思わしきものを、全く見つけることが出来なかった。
つまり、どちらの方向に進むべきかすらも判断できない。
ただ、道は無くとも、地面はある。物理的に走行不可能な場所ではない。であれば、とりあえず辺りを探索してみるに他ない。
長年培ってきた、山の中での勘、そう『山勘』で、道のようなモノは発見した。
しかし、それはあまりにも険しい。
逆側から見ると、その険しさがよくわかる。
車一台分の道幅が、おそらく大雨による増水の影響だろう。山肌がえぐり取られているのだ。
要するにこうだ。遠くに見えている川が増水し、
辺り一帯がこのように浸水していたと考えられる。
かつて道だったその場所は、いまは『空』となっている。。。。
さらに奥へ進むと、
かなり太い倒木が道を塞いでいた。しかも斜めに。
これは、だめだ。
難所が多過ぎる。現在時刻と、今回の装備では到底進むことは出来ない。
フラットダートを鼻歌まじりに走るつもりでしか来ていなかった。
しかし、ここまでの感じで、行けない事も無いとは思う。山の中での勘ではあるが。
私にとっての盤石の態勢。軽量な250ccクラスのマシンに、ちゃんとしたオフロードウェアー。数台の編制でもって、早朝からアタックすれば、まだまだ先へ進むことは出来る。
しかし、日が傾き始めた頃に、一人で、重量級のマシンとマイナスの気温でも走れるウェアーでは、到底アタック出来ない。
悔しい気持ちもあるが、ここは退くことこそ賢明。
岩間温泉への道のりは、わずか数百メートル程で断たれたのであった。。。
さて、温泉に入りたい。そのつもりでここまで来ているのだ。
近くに『幌加温泉』という所がある。そこは有料の温泉宿なので、今まで特に行こうと思ったことは無かった。ここまできたら、当然岩間温泉に行っていたからだ。
しかし、その岩間温泉に行けなかった以上、向かうべきはそこしか無い。
幌加温泉の『鹿ノ谷』という温泉宿。
その名にふさわしく、
鹿がウロウロしている。
ーーーー気さくな婆さんが出迎えてくれた。感じの良い婆さんだ。
500円の入浴料を支払い、中へと入る。
なんともノスタルジックな雰囲気。「まるでタイムスリップしたかのよう」という、まるでセンスの無いワンフレーズが出てきてしまう程、時の止まっている空間。
実はここ。混浴。
脱衣所は別になっているが、中の風呂は一緒になっているのだ。
カノジョがいる人は、知らないふりして是非来ると良い。きっと素敵なものが拝めるはずだ。。。
内湯は人(男)が入っていたので無理だったが、露天は誰もいなかった。
石で組まれた浴槽は、岩間温泉のものとよく似ている。
泉質は、やや乳白色だが岩間温泉のものよりは透明度が高い。
というか、ここには内湯も含め4つの浴槽があるのだが、そのそれぞれは泉質が異なる。
内湯にはナトリウム泉、カルシウム泉、鉄鉱泉、露天は硫黄泉となっていた。
よく見ると、山奥からホースで源泉を引っ張ってきている様子が窺える。
岩間温泉もそうだが、ここの露天は日よけが無いので、入浴中は日差しをモロに受けてしまう。
そこで取り出したるは、
傘。
これを日よけにして、ゆっくりと湯船に浸かるのだ。
途中、若いカップルと老夫婦が入ってきた。
老夫婦はさておき、若いカップルは文字だけ見れば、、、だが、、、、まぁ、理想と現実とは常に解離性があるもので。。。
気がつけば、葉が色づき始めている。
日中の最高気温も、そろそろ20度を越えなくなってきた。
岩間温泉への林道は、改修されるのだろうか。
今回の台風雨の影響は、私の想像を遥かに超える、甚大な被害をもたらしていた。
日勝峠や三国峠などの、主要国道でさえ通行止めになる程の事態。
岩間温泉への林道など、優先順位としては一番下の方と言える。
もし、諸々の状況が整えば、再度岩間温泉への道をアタックしてみようと思う。
その時はチャレンジか、はたまた、、、
by tm144en
| 2016-09-29 05:57
| BMW G650x challenge
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