成長する

あまりにも理不尽なことを言うお客さん。
少し前の私であれば、店員という立場も忘れ論破。退治していたことでしょう。

しかし仮に、100対0でお客さんに歩が無い状態だとして、お店側としてその事実をお客さんに諭すことは、果たして『正義』と言えるのだろうか?

答えは違う。

どんなに理不尽な主張であっても、他のお客さんに迷惑をかけるような人であっても、少なくとも最後にお金を払ってくれるのであれば、そのお客さんにはウチのお店で『楽しむ権利』があるし、お店側として『楽しんでもらう義務』がある。

その為に我々が取るべき行動は千差万別と言えるが、少なくとも『正義の主張』をお客さんに押し付けることは違うと言える。
なぜなら人は、自分に歩が無い時に相手に『正義』を押し付けられた時、『楽しい気分』にはなれないからである。

お客さんに『楽しい気分』になってもらう為には、時に『正義』に蓋をする必要もある。

とはいえ、理不尽であったり、迷惑なお客さんというのは少なからずいる。
御多分に洩れず、今日もいらっしゃった訳で、、、

他のお客さんの前で大声で電話したり、持って行った料理を鼻で笑ったり、店員を下僕のように扱ったり、挙げ句の果てに、他のお客さんに怒鳴り声で注意したり。。。

「あ〜あ」

私の中で生まれた、最初の感情である。

まぁ、店員に対する態度は良しとする。(それでも以前ならば「カチーン」ときていたであろうが)

それよりも、他のお客さんに対する態度は改めてもらう必要がある。
しかし、注意すれば機嫌を損ねるのは必至。
何はどうあれ、そのお客さんにも楽しんでもらう権利があるのだから。

そこで、慎重に言葉を選び、なんとかお客さんの理解を得ることが出来た(ように感じた)。

特殊なタイプの人なので、ニコニコ笑顔、、、ということにはならないが、少なくとも以前の私であれば確実に怒鳴り合いの喧嘩になっていたであろうことは、容易に察しがつく。

「店員はお客さんにペコペコしてりゃ良い」ということではない。
勿論、基本的には『ペコペコ』するが、そこに『心』があるということが重要。
表面上ではペコペコして、心の中では「クソッタレーー!」と思っているようでは、まだまだダメ。(以前の私であれば、表面上でも「クソッタレーー!!」だったが)

自分を見下し、一生懸命作った料理を鼻で笑われ、それでも心から「ペコペコ」する。

商売で大事なことは多々あるだろうが、やっぱりどんなお客さんであれ、『不快な思いをさせない』というのが最も大事なのだろうと思う。

そうなると、そのお客さんに怒鳴られてしまったお客さんは、タイミング的に私がフォローできるような状況では無かった為、かなり不快な思いをして店を後にしであろうことが一番の心残りである。

だからと言って、その怒鳴った方のお客さんに「コノヤローー!」ということでもない。

そう。全て私の『采配ミス』なのである。
あの状況で、どこをどうすればそんなことにならなかったのかは正直判らないが、それでも私が悪いということだけは解る。

過ぎてしまったことはどうすることも出来ないが、少なくとも明日からは全てのお客さんに満足してもらえるよう努力をするしかない。

それしかない。
名前
URL
削除用パスワード
by tm144en | 2016-05-14 07:39 | Comments(0)

カメラとバイクとエトセトラ


by だいちゃん