【DB7】クラッチハウジング観察、補修
2016年 08月 04日
クラッチハウジングは、この奥にあるギアにボルトで固定されています。
私が今まで経験してきたクラッチは、クラッチハウジングにギアがカシメてあるものばかりでしたが、ドカのエンジンは外せちゃうんですねぇ。
ボルトを外せば、すんなり外れてきます。
輪っかが付いてました。爪が広がって力が逃げないようにする為でしょうか。
マイナスドライバーを当てて、叩いて外しました。
かなりデコボコになってます。走行10000km。乾式ですので、オイルの保護膜ありませんから減るのも早いのでしょう。
これが減ってくると、クラッチの音もうるさくなってきます。10000kmにもなれば、そこそこうるさいですね。
とはいえ、おいそれと新品ハウジングを買うわけにも、ましてやスリッパーだのを買う余裕はありません。ウチにはそんな余裕はありません!
そこで、オイルストーンでこのデコボコを綺麗に均します。
一番厄介なのは、このデコボコにクラッチプレートが引っかかり、クラッチ操作がスムーズに行えない事。先日のツーリングでも、何度かそういうシーンがありました。6速でしばらく走り続けた後、5速に落とす為クラッチを握りシフトチェンジをしようとしても、ペダルが固くてシフトチェンジが出来ないという事が度々あったのです。
その時はクラッチを何度か握りなおすとちゃんと切れたのですが、今になって思えば、やはりこのデコボコが災いしていたと言えるでしょう。
早速オイルストーンを取り出し、磨こうとしたのですが、、、
ちょwwwwwデカwwwwww
これじゃアカン。
ということで、
カツーンとね。
バッチリ☆
デコボコが全くなくなり、真っ平らになるまでに仕上げました。
さて、ここで考え方ですが、、、
デコボコはクラッチ操作に影響します。動こうとするクラッチプレートの邪魔をするからです。
では、それを削って真っ平らにしたことでクラッチの動きはスムーズになりますが、今度はクリアランスが広くなってしまいます。つまり、加減速の時にクラッチプレートの爪が勢い良くハウジングに当たってしまうのです。また、アイドリング時の音も大きくなってしまいます。プレートの遊び量が多いからですね。
つまり、デコボコを修正して平らにしたところで、それは凹の部分の高さに合わせたことでしかないので、基本的には減っていることに変わりありません。
したがって、クラッチプレートの動きの妨げだけを解消させたに過ぎないのです。
一応測ってみますと、
デコボコ部分の隙間が0.7mm、均した部分が0.8mmでした。
つまり、削れてない高さ、凸の部分が0.7mmで、そこから0.1mm削れた、ということになるのでしょう。
しかし、そもそも論として、このクラッチプレート、およびハウジングの『精度』は如何なものなのか、という点。
クラッチプレート爪の数は12か所あり、その全てがハウジングの溝に当たる構造になってはいますが、果たして全ての爪が『均等』にハウジングに当たっていると言えるでしょうか?
答えはNOでしょう。工業製品ですから、完璧な精度などありえません。
プレートに力が加われば、それによって弾性変形しますから、静的状態では隙間のあった箇所の爪でも、動的状態ではしっかりとハウジングに力を伝えてはいるでしょう。
したがって、12か所のうち強く当たっている箇所と、弱く当たっている箇所に分かれるのだと考えられます。
話はちょっと脱線しましたが、要するにハウジングもろともクラッチは消耗品であり、ドカのクラッチであればその頻度は恐ろしく早い、という事が言えるのでしょう。
仕方がない。乾式だもの。
ちなみに、BMWおよび車などのクラッチも乾式ではありますが、あれは単板構造で、この多板式とはまるで違う作りになっているので、消耗の具合も全く違います。
さて、
12か所あるうちの2か所を磨き終えるのに、2時間掛かりました。
、、、え?1か所、、、1時間?
、、、え?あと、、、、10時間、、、?
、、、え?
いやいや、違うよ、10時間ってことはないよ。
ハウジングだけで10時間
クラッチボスもあるからね!
クラッチボスの爪の数は37か所あるからね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
by tm144en
| 2016-08-04 05:16
| BIMOTA DB7S
|
Comments(2)