2015年 09月 12日

チェーン考察

さて、リクエストがありましたので、早速ですが記事にしてみます。

ドライブチェーンの潤滑についてです。

まず、チェーンの潤滑ポイントからおさらいします。

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チェーンの構造を図にするのはなかなか難しいのですが、こんな感じでイメージ出来ると思います。

①は、チェーンのプレートとシールとの接触部分。
②はガイドローラーノ表面。すなわち、スプロケットとの接触部分。
③は、ガイドローラーの内側部分。
④は、チェーンのピン部分。

チェーンは主に、この4箇所について潤滑が必要であると考えられます。

さて、それでは理想的なチェーン潤滑とは一体どのようなものなのか?
この点について考えてみることにします。

まず、ライダーが思い描く『理想』という物が、画一的では無いことが言えます。
何を主体で考えるかで、選ぶべき潤滑剤、及びメンテナンス方法が変わるからです。

私は、チェーン潤滑について、以下の3点に注目して考えることにしています。

A飛び散り性能
B潤滑性能
Cメンテナンス性能

Aは、チェーン駆動マシンの永遠の課題と言っても過言ではないでしょう。その特性上、塗布した潤滑剤が回転の遠心力によって、否が応にも周囲に飛び散ってしまいます。
ただ、この飛び散りは、潤滑ポイントの①、②及び③に関してであり、④のポイントはシールによって密閉されているので、この限りではありません。
③のポイントに関しても、ガイドローラーとの隙間になっているので、あまり多くの飛び散りがあるとは言えません。

この飛び散りは、往々にして塗布しすぎた潤滑剤、つまりチェーンの表面についたもの等が大半であることが多いと言えます。

この飛び散りを最小限に抑える為、潤滑剤塗布後、時間をおくと非常に固くなるチェーンルブがあります。
私が使用しているのはそのタイプで、モチュールの物を使用しています。スプレー噴射直後はサラサラの液状ですが、時間の経過と共に固く粘りけのあるものへと変化します。

ちなみにこのモチュールのチェーンルブは、噴射直後のサラサラは隙間への浸透力に優れていて非常に良いのですが、逆にあまりにもサラサラ過ぎるのでこぼれ落ちてしまう分が多く、周辺が汚れてしまうのが少し難点です。
その点に関しては、ウエスでチェーンを掴み、スプレー噴射後すぐにウエスで吸い取る様にして使用することで、周辺の汚れへの対処としています。
ただ、噴射量に対して実際の塗布量が少ないので、あまりコストパフォーマンスの良い商品とは言えないかもしれません。
ただ、肝心の飛び散りに関しては、皆無とは言いませんが以前使用していたLAVENの物に比べれば断然良いです。
また、走行後のチェーン汚れもさほど気にならず、メンテナンスは主にタオルとオイルスプレーで行っています。

タオルにオイルスプレー(AZの200円位のヤツ)を吹き付け、それでチェーンの表面を拭き取るだけといったものです。
オイルスプレーが防錆の役割を果たしてくれますし、タオルで行う事でブラシと違い必要以上にシール部分をこすらずに済みます。

そもそも論になってしまいますが、チェーン潤滑はシールチェーンに関しては④の部分の潤滑がメインであり最も重要な部分です。
①は、タイヤを回した時の抵抗に作用するので、しっかりと潤滑されていることが望ましい事ではありますが、チェーンの寿命とは大きく関係しません。

②は、スプロケットとの接触部分ですので、重要に思われますが、ローラーとして回転する構造になっている為、スプロケットとの摩擦は殆ど起きず、ただスプロケットを引っ張るだけの役割となります。
接触する瞬間は極圧的な作用があると考えられますが、これに関してもローラーの回転、及び隙間の『ガタ』により緩和されるので、あまり大きな力とは言えないでしょう。
そういった観点から考えると、②の潤滑は主にガイドローラーの『防錆』としての役割となります。

③の潤滑はそこそこ重要と言えます。
ガイドローラーは忙しく回転しますので、その潤滑は重要だと言えます。

そこで、よくよく考えてみました。

どの位『忙しい』のか?

例:
リアタイヤサイズ180/55R17
リアスプロケットサイズ直径20cm
チェーンサイズ525
ガイドローラーサイズ1cm

このバイクが、時速300kmで走った場合。

タイヤ円周を約2mとすると、1時間に15万回転。
同時にスプロケットも15万回転。

直径1cmのガイドローラーは、スプロケット半周に対して、ローラーも半周すると考える。

ガイドローラーの円周を約3cmとする。

仮に、ガイドローラーがスプロケットを1周すると考えると、ガイドローラーも1時間に15万回転の速度で回っている。
分速にすると2500回転。
速度にすると、時速約4km。

NTN社で、直径が最小である1.5cmのボールベアングの、グリス開放型の許容回転数が毎分10000回転であることを考えると、ガイドローラーはその4分の1以下であると言える。

しかも、断続的な半回転の繰り返しであり、摩擦による発熱は走行風による冷却が期待できる。

以上の観点からガイドローラーへの潤滑は、不必要とまでは言わないが、それほど重要でもないと考えられる。

それより重要になるのは、マシンコントロールの方と言える。

急激な加速や強烈なエンジンブレーキは、チェーンへのダメージが非常に大きいので、チェーンを長持ちさせるのであれば、控えるべきである。

チェーンには、初期伸びと摩耗による伸びがある。
摩耗による伸びは、ピンの摩耗によって隙間が広がることで起こる。
隙間が広がるということは、その分金属部分が薄くなっているということであり、チェーンとしての強度が落ちるということである。
摩耗が限界に達すると、チェーンが切れてしまう。

だが、私の経験上、ある程度定期的にチェーンの交換さえ行えば、切れることは皆無である。
それは、どのようなメンテナンス、潤滑方法においてもである。

つまり、名のあるメーカーのチェーンを使用する限り、潤滑に関してはさほど神経質にならなくとも、切れることはまず無い。

そうなってくると、①の部分の潤滑における、チェーンの回りの良さが、チェーン潤滑の最も重要視すべき点であると言えるのかもしれない。

リアタイヤの回転の鈍さは、精神衛生的にも良くないし、押し歩き時には不可になり、ガス欠の時などは大変苦労するであろう。なにより、マシンのパワーを奪うことにもなる。

そう考えると、モチュールのように固くなってしまうチェーンルブでは回りの良さには妨げになってしまうので、ベルハンマーやテフロンなどの潤滑スプレーなどが最適であると言える。
シールとプレートとの摩擦係数を下げれば良いからだ。


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以上、思いつくままに書いたので、まとまりのない文章になってしまいました。
核心の部分に迫ってはみましたが、結局の所、

走り方
メンテナンスの仕方

で、使用すべきチェーンルブやメンテナンス方法も変わり、さらには乗り手の求めるものも考慮するとなれば、自分流を見いだすことが一番であるという結論に至りました。

私の場合ですが、今までで数万キロオンオフ走ってきましたが、チェーンに関するトラブルは一度もありません。
ブログを始めるようになってからはまだしも、それ以前のまだまだ作業が未熟者の時でも、お金も知識も無いような状態で、なんとなく聞きかじったやり方ですら、トラブルは皆無でした。
その頃は、チェーンはガソリンで洗ってましたし、チェーンルブはガイドローラーの表面にばかり塗ってました(笑)
それでウィリーばかりしてましたけど、切れたことはありません。


思うに、一番重要なのはチェーンの潤滑方法や洗浄方法よりも、『張り』

マシンによる、適切な『張り』を常に意識すること。
これが、チェーンメンテナンスで最も重要な事だと私は考えます。
『張り』を意識することで、チェーンの寿命(摩耗)も分かりますから、早め早めに交換することができます。

その寿命を長くさせる為に、潤滑方法や洗浄方法といった部分をこだわるということにつながってくるのでしょう。


なんか、思うところが色々ありすぎていくらでも記事書けそうなんですが、話がまとまらないので、とりあえず今日はここまで。

最後に、チェーンネタを振ってくれたナツウサギさん、ありがとうございました。

皆様も、私の視点で書いてほしいネタなどがありましたら、どしどしお寄せ下さい。

by tm144en | 2015-09-12 06:00 | Comments(2)
Commented by ヒナアユ at 2015-09-16 20:58 x
チェーンは負荷の掛かっていない時に、どの程度のフリクションが必要なのか、張り具合のベストってどんな状態なのかって悩みますが、触っていると楽しいですよね♪
Commented by tm144en at 2015-09-17 03:39
悩みますね〜笑
そりゃ、もうチェーンを指で下からカチャカチャカチャカチャ…


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