最近の若いヤツは

「最近の若いヤツは」

よく聞く言葉ですし、ある程度の年齢の方なら一度や二度ならず言ったことがあるでしょう。
しかし、そんなにも最近の若いヤツは『駄目』なのでしょうか?
もしくは、それを言っている人はそんなにも立派な人なのでしょうか?

例えば(例えに出したら申し訳ないかもしれませんが)、今60代の方が若かりし20代の頃、今の20代の人達と比べたら太く立派な人だったと言えるかもしれません。20代の頃の自分達と比べると、今の20代が手ぬるく見えるのでしょう。

しかしながら、かの小早川秀秋は19歳にして15000の軍勢を率いて、関ヶ原の合戦に挑んでいるのです。

時代が違う?

それを言ってしまったら、40年前と今とも時代が違うわけですから、同じ価値基準ではものは語れません。したがって「私の若い頃と比べたら」と思うこと自体が『無意味』ということになります。

「最近の若いヤツは」というフレーズは、さかのぼること平安時代、清少納言の『枕草子』でも使われていたそうです。
つまり、いつの時代も、自分よりも大きく年下の人間が考える事や行動について、快く思えないのが自然の摂理。

では、なぜそのような感情が湧いてくるのか?

それは、時代が日々『進化』しているからではないかと私は考えます。
日進月歩。科学技術が進歩し、生活環境は年を追うごとに便利で豊かなものへと変化し続けてきました。
つまり、自分の若い頃と比べると、最近の若いヤツは豊かな環境でヌクヌク生きてるようにしか映らないのです。だからこそ「こんなこともできないのか!」という感情が湧いてくる。

しかし、ちょっとまってくれ、と。

最近の若いヤツの立場から言わせてもらえば、そんな豊かな環境を作って、言わば温室を作ってその中でヌクヌク育てたのは他ならぬあなた達(大人達)ではないのか!?
温室で育てておきながら「害虫に弱いヤツめ」などと言うのは、如何なものか?

生活をすること自体が大変だった世代の人は、それだけ精神的に強くたくましくなるでしょう。
生活することと自体に、なんの不自由もない、ボタン一つでなんでも出来てしまう世代の人は、その分精神的に弱く脆い人になるのかもしれません。

しかしながら、生活すること自体に然程の時間を費やさない分、趣味や勉強の時間を多く取ることが出来るのも事実。
選ぶ趣味や取り組む科目によって、人それぞれの個性が出てきますし、趣味も勉強もしない人間であれば、ロクでもない人生を歩むことになるでしょう。

生活が便利になったことで、生き方の選択肢が増え、多種多様な考え方が生まれることになったのです。

とどのつまり、世代が違うということは、相容れない思想の集団ということであり、人は皆、自分の生きてきた世代の範囲内での思想に支配されてしまう。

どちらが良い悪いということではなく、認識の違い。
もしくは、自分の考え方以外を受け入れることの出来ない、低い許容力。

私が年上の人に思うことは、自分たちがしてきた失敗なら、俺にもさせてくれ。

そこに、世界的進化は無いかもしれないが、私という人間は成長する。
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by tm144en | 2015-08-07 05:02 | Comments(0)

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