2015年 07月 10日

ブレーキフルードの熱膨張を考える (その1)

さて、以前ブレーキフルードの熱膨張について少し触れました。熱膨張する分、リザーブタンクの液量が増えるのではないか?という点。

そんな訳で実験してみました。

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用意した物は、モチュールのDOT3&4、スポイトとピペットです。
液体の熱膨張はごく微量であるという下情報を元に、ピペットは

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2mlの物を用意。

そして、ピペットは先端が貫通しているので、

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このようにして、穴を塞ぎます。
これで、容積2mlの試験管が出来ました。

これに、スポイトでブレーキフルードを注ぎます。


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時間を置き、液面が安定した所で1.08mlをさしています。(ピペットなので目盛りは逆です。)
ただし、先端部分の目盛り外の液量も含まれているので、目測から判断し、今回の基準点を1.2mlとします。

温度は20度。

これを、

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湯せんで100度まで熱します。

すると目盛りは

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1.14ml、つまり0.06ml分膨張しました。

ブレーキシステムの発熱から考えて、200度付近での観測をしたかったのですが、温度を測る術がなく、今回は100度での実験としました。

もし、熱膨張率が単純に温度に比例するのであれば、今回の観測結果から、200度で0.12ml分膨張するということが言えます。

尚、ピペット自体は熱膨張していないと仮定します。

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上記の観測結果により、ブレーキフルードが20度から100度に熱せられると、体積が1.05倍になることが判りました。
もし、熱膨張率が温度に対して比例するのであれば、200度では1.1倍になると言えます。

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次に、キャリパーピストン径を計測します。
計測車両はDB7。ブレンボラジアルマウントモノブロック対抗4ポッドキャリパーです。
ピストン径はΦ34。
今回、キャリパー内液量を測定することが出来なかったので、ピストン吐出量から液量を仮定します。
ピストンは5、5mm吐出していたので、1ポッド当たり約4.991mlとなります。

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1ポッド当たりの4.991mlのフルードが、100度に熱せられると、体積が1.05倍になり5.240mlまで膨張します。

ただし、キャリパー本体は熱膨張していないと仮定します。

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リザーブタンクのベローズによる密閉力が完璧であれば、タンク内の空気圧縮分しかフルードはタンクに戻れません。
8ピストン分、0.48ml分の戻り許容量がリザーブタンクには必要であると考えられるのです。

ちなみに、膨張した体積を、ピストン径で割ると、膨張前と比べて約0.2mmのピストン吐出量となります。
ブレーキリリース直後のパッドとディスクの隙間が0.03ミリ、多少ディスクに押されてピストンが戻っても0.1〜0.2mm程度なので、膨張分が及ぼす影響はかなり大きいと言えます。

つまり、ベローズの密閉力が完璧で、空気圧縮分をふまえても膨張した分をカバー出来ない場合、ブレーキ圧力が高まることになります。
したがって、自分の操作以上の制動力が伝わるということなのです。





あ!!!

もしかして、この辺にブレーキング時にハンドルに伝わってくる「ゴリゴリ」があるのかも!!!???


ちなみに、ベローズの密閉力が弱まれば、タンクからフルードがたちまち漏れてくることでしょう。

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あとがき

ちょっと時間の無い中で記事をまとめた為、乱雑な内容になっています。
また、仮定が多いので正確な数値ではありませんが、フルードは確実に熱膨張をしていることは間違いありません。
その膨張圧力がブレーキシステム内でどのように作用するのか?
今後も折を見て考えて行く所存であります。

by tm144en | 2015-07-10 09:19 | BIMOTA DB7S | Comments(0)


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