2015年 07月 01日

【DB7】ブレーキフルード&クラッチフルード交換

ブレーキフルードとクラッチフルードを交換しました。
ブレーキフルードに関して、今更特筆して書くことも無いのですが、クラッチの方に関して一つだけ。

通常、ブレーキフルードのリザーバータンクは、

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上限目盛一杯が理想だと考えます。


しかし、クラッチ側はどうでしょう?

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今まで、何も考えずブレーキ側と同じように上限一杯に入れてましたが、よくよく考えてみると違うような気がします。

というのも、ブレーキとクラッチとでは、『減った時』の変化に大きな違いがあります。

ブレーキの場合、パッドが減った分はリザーバータンクのフルードで補填され帳尻が合う構造になっていますが、クラッチの場合、プレートが減ると逆にリザーバータンク側にフルードを押し戻す構造になっているのです。

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(クラッチレバーを握ると)油圧ピストンがクラッチのプッシュロッドを押すことでプレート同士が離されます。
このプレートの合わせ面が摩擦によって減ると、プッシュロッドの位置は合わせ面に対して『負の位置』にあるので、減った分突き出てくることになります。

つまり、リザーバータンク内を満タンにしておくと、クラッチプレートが減った分のプッシュロッドが移動できなくなり、理論的にはクラッチが離れたままになってしまいます。
リザーバータンク内も、ベローズで密閉されていますから、プッシュロッドから押されてくる圧力を逃す場所はありません。

じゃぁ、と言って、フルードを下限で抑えても結果は殆ど同じです。フルードとベローズの間に空気の層があったのでは、多少空気が圧縮されて縮むことはあるでしょうが、最善の策とは言えません。

最善の策として考えられるのは、リザーバータンクは上限目盛り一杯までフルードを注ぎ、蓋をします。
それから、クラッチのブリーザーバルブから数回クラッチマスターをポンピングして中のフルードを抜きます。

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こうすることで、リザーバータンク内は真空が保たれ、フルードが減った分はベローズが移動します。
この状態にしておけば、クラッチプレートが減りプッシュロッドが飛び出してきても、フルードの逃げ道はベローズが担保してるので、問題が生じることは無いのです。

おそらく、これが構造から考えられる論理的な対策だと思うのですが、これにはこれで課題もあります。

まず、そもそもクラッチプレートの減りはかなり微量であるという点。
例えリザーブを満タンにしていても、ベローズには多少の縮む余地があります。クラッチフルードの交換を定期的に行っていれば、殆どの場合問題が生じることは無いと考えられます。

次に、ベローズに負圧をかけたままの状態にしておくことで、ベローズのゴムに『くせ』がついてしまうという点。
癖がついたところで、負圧が保たれているのなら仕事に差し支えはありませんが、次のフルード交換の際はベローズも交換が必要になってしまいます。

つまり、ここで考慮しなければならない重要なことは、『どのようなライディングシチュエーションなのか?』ということなのです。
私のように、年に数回程度しか乗らず、フルードの交換も毎年行うのであれば、リザーブは満タンがベスト。
逆に、ワンシーズンで数万キロ、フルードの交換も車検ごと、というような乗り方でしたら、ベローズには負圧をかけておくのがベストと言えます。

ーーーーーと、ここまで書いていて、ふと気になる事が出てきました。

ブレーキ側も、ベローズに負圧をかけておいた方が良いのでは?

ブレーキ側は、パッドが減った分はリザーブが減る構造ですし、クラッチに比べて減る量も多いですから、リザーブは上限で良いと考えてましたが、そういえば『熱膨張』という観点を忘れていました。
ブレーキング時の発熱で、キャリパーから200度にも及ぶ熱を受けますから、フルードは熱膨張して然りでしょう。
つまり、体積が増えるということですから、その逃げ道が必要なはずなのです。
この点を考えると、クラッチ同様ブリーザーから数回分フルードを抜いた方が良いと思うのですが、そんなこと言ってたバイク屋さんに出会ったことが無いのですが。。。
リザーバーからフルードが溢れることはよくあることで、なんならリストバンドをして予防してる位のものなのですが、そもそも密閉してる容器から漏れてくるというのはおかしな話で(毛細管現象もありますが)、熱膨張で溢れてきてる分もあるのではないでしょうか?
私の師匠ですらそんなことは言ってませんでしたから、この考え方は邪道なのか?

熱膨張することで、リザーブからフルードが溢れるだけならまだしも、ブレーキレバーをリリースしてもパッドが引きずるということにも繋がると考えられます。


あれー?
そんなこと一度も聞いたことないけどー?
こんな重要なことなのにー?

でも、理論的に考えると、そうだよなぁ。。。

by tm144en | 2015-07-01 04:29 | BIMOTA DB7S | Comments(3)
Commented by sb6r-spl at 2015-07-01 13:00 x
スズキのエンジンを想定して書きますが、クラッチの件は摩耗とロッドの位置は関係ないと思います。

クラッチ接続時…スプリングで各プレートが圧着されている。
クラッチ切断時…ロッドでスプリングを押しプレート着圧力が抜ける。
クラッチ板が減っていくと着圧力とレバーでいうと切れる場所が変わりますがロッド位置は摩耗に対して移動しません。
ドカのエンジンはばらしたことないんでわかりません。書かれている通りなのかもしれません。乾式クラッチ採用モデルもあるので方式は国産と同じと思います。

ベローズですか?あの部品はふたとタンクのシールと空気とフルードを接触しないようにしつつ、タンク内を大気圧にするためで液量が変化するので蛇腹にして空気とのシール効果を保つようになっています。マスターシリンダに空気が入らないように半分程度はレベルがあったほうがいいと思います。

いろいろ考えるのは楽しいですね~。
Commented by tm144en at 2015-07-02 06:35
GSXのクラッチを見てみましたが、油圧ポンプの位置の違いではないでしょうか?GSXは右ですよね。
ドカ(1098系)は左なので、プレッシャープレートを裏側から押す感じになります。クラッチプレートが減ると、減った分つられてプレッシャープレートもハウジング側に移動するので、そのプレッシャープレートに押されたプッシュロッドが油圧ピストンを押して、油面を上昇させます。
いずれにせよ、ごく微量ですが。
Commented by tm144en at 2015-07-02 06:40
あと、ベローズに負圧をかけておく、という表現は適切ではなかったです。
ベローズに負圧がかかると、その分ベローズが伸び、結果タンク内は正圧に戻る。
私が言いたかったことは、『ベローズを伸びた状態にしておく』という意味でした。


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