ベアリングの、大いなる勘違い?
2014年 08月 24日
ベアリングの内部すきまについてさらっと学びましたが、先日のベアリングの専門書を読解していくうちに、いろいろと勘違いをしていたのではないか?という懸念が沸いてきました。
まず、内部すきまの規格についてですが、隙間が狭くなる順に『C1~5』とあるもんだと思っていましたが、
これは大きな間違いで、
隙間の狭い順で言ったら、
C2→CN→C3→C4→C5
という規格になっているのです。
よって、『C3』は『CN』よりもすきまが『大きい』ということなのです。
この本によると、バイクのホイールベアリングに使用されるすきまは『C3』が多いとのことでしたが、つまりそれを鵜呑みにすると
純正のベアリングはすきまが大きい
のです。
従って、先日行ったベアリングの発熱実験。SKFのCNと、純正のC3と思わしきベアリングの発熱を比較して、SKFの方が熱くなったというのは正に理論通りだったことが言えるのです。(C3に比べてすきまの狭いCNの方が、摩擦が高く発熱しやすい。)
ただし、実験そのものの正確性に乏しい事と、純正がC3であるという確約は全く無いということを付け加えますが。
さて、そうなってくると、純正で「隙間の狭いベアリング?」という疑問が沸いてきます。
というのも、ベアリングの『剛性』は『すきまの狭い方が高い』という考えがあるからです。
そこで、この本で『ベアリングの剛性』という観点で調べてみると、ベアリングに『予圧』を与える事での剛性アップについては触れていますが、内部すきまと剛性の関連性については本書では触れていませんでした。
『予圧を与えて剛性を高める』というのは、金属の弾性を予め与えておくという考え方のようです。
当ブログでも以前触れたことがありますが、金属には『弾性域』と『塑性域』があって、弾性域というのは例えばバネのように、縮めても元に戻ろうとする領域のことで、塑性域というのは、曲がったまま元に戻らなくなってしまう領域のことです。
弾性域と剛性の関連性というのは、例えば0Nから10N加えた場合の弾性の変化量と、予め5N加えてある状態から10Nまで加えた場合の変化量とでは、後者の方が変化が少ないということから、考えられます。
つまり、ベアリングに予めバネなどで予圧を掛け、内部の金属を縮ませることによって、荷重が掛かった際のベアリングの弾性変化量を抑えることが出来るのです。
ベアリングにおける剛性は、弾性変化を予め与えるということならば、内部すきまと剛性に関しては直接的な因果関係が無いことになってしまいます。
ちなみに、本書において内部すきまは『寿命』と関連づけられており、
この図のようになるそうです。
要するに、内部のすきまが『ゼロ』よりもほんの少しだけ『マイナス』の状態が理論上最も寿命が長いということなのです。
しかし、その最大値を超えると急激に寿命が短くなることや、摩擦が増えて温度上昇をもたらすこと、さらに実際のベアリングには形状偏差があるので、隙間にはやや余裕をもたせることが一般的のようです。
つまり、過剰なすきま不足はベアリングに重大な損傷を与えることがわかります。
そして、ベアリングは通常の状態で適正なすきまであっても、実際の使用状態でもそうとは限りません。
今回のホイールベアリングに関して言えば、ホイールへの『はめあい』によるすきまの減少があります。要するに、『圧入』されている状態なので、ベアリングの外周よりハウジングの径の方が狭い訳ですから、ベアリングが外側から縮められた状態となります。その縮められた分、内部すきまは減少します。
また、高速走行を続けていると、ベアリング本体の温度が上昇するのは先日の実験からも解ります。ベアリングの温度が上昇すれば、内部が膨張して隙間が減少します。
以上の事柄は計算によって求める事が出来るので、その点を踏まえて適正な『すきま』のベアリングを選定する必要があるということなのです。
寿命の観点から考えても、すきまの種類が、ノーマルより『広い方』に多いのも、頷けます。
つまり、CNのベアリングをホイールベアリングとして使用した場合、適正すきまより過小な事により、短寿命に終わることが予想できます。
ただ、理論上隙間はわずかにマイナスの方が最大値を示すのであれば、安全牌としてのすきま選びより、攻めの隙間を選ぶ方が男らしいのではないでしょうか?笑
(注:専門書を読み、自分なりに理解し、殆ど自分の言葉で記事にしてますので、間違いなどがあるかもしれないことはご了承下さい。)
(まだまだこれからも、勉強し理解を深めていく所存でありますので、成長日記として受け止めて頂ければ幸いです)
まず、内部すきまの規格についてですが、隙間が狭くなる順に『C1~5』とあるもんだと思っていましたが、
これは大きな間違いで、
隙間の狭い順で言ったら、
C2→CN→C3→C4→C5
という規格になっているのです。
よって、『C3』は『CN』よりもすきまが『大きい』ということなのです。
この本によると、バイクのホイールベアリングに使用されるすきまは『C3』が多いとのことでしたが、つまりそれを鵜呑みにすると
純正のベアリングはすきまが大きい
のです。
従って、先日行ったベアリングの発熱実験。SKFのCNと、純正のC3と思わしきベアリングの発熱を比較して、SKFの方が熱くなったというのは正に理論通りだったことが言えるのです。(C3に比べてすきまの狭いCNの方が、摩擦が高く発熱しやすい。)
ただし、実験そのものの正確性に乏しい事と、純正がC3であるという確約は全く無いということを付け加えますが。
さて、そうなってくると、純正で「隙間の狭いベアリング?」という疑問が沸いてきます。
というのも、ベアリングの『剛性』は『すきまの狭い方が高い』という考えがあるからです。
そこで、この本で『ベアリングの剛性』という観点で調べてみると、ベアリングに『予圧』を与える事での剛性アップについては触れていますが、内部すきまと剛性の関連性については本書では触れていませんでした。
『予圧を与えて剛性を高める』というのは、金属の弾性を予め与えておくという考え方のようです。
当ブログでも以前触れたことがありますが、金属には『弾性域』と『塑性域』があって、弾性域というのは例えばバネのように、縮めても元に戻ろうとする領域のことで、塑性域というのは、曲がったまま元に戻らなくなってしまう領域のことです。
弾性域と剛性の関連性というのは、例えば0Nから10N加えた場合の弾性の変化量と、予め5N加えてある状態から10Nまで加えた場合の変化量とでは、後者の方が変化が少ないということから、考えられます。
つまり、ベアリングに予めバネなどで予圧を掛け、内部の金属を縮ませることによって、荷重が掛かった際のベアリングの弾性変化量を抑えることが出来るのです。
ベアリングにおける剛性は、弾性変化を予め与えるということならば、内部すきまと剛性に関しては直接的な因果関係が無いことになってしまいます。
ちなみに、本書において内部すきまは『寿命』と関連づけられており、
この図のようになるそうです。
要するに、内部のすきまが『ゼロ』よりもほんの少しだけ『マイナス』の状態が理論上最も寿命が長いということなのです。
しかし、その最大値を超えると急激に寿命が短くなることや、摩擦が増えて温度上昇をもたらすこと、さらに実際のベアリングには形状偏差があるので、隙間にはやや余裕をもたせることが一般的のようです。
つまり、過剰なすきま不足はベアリングに重大な損傷を与えることがわかります。
そして、ベアリングは通常の状態で適正なすきまであっても、実際の使用状態でもそうとは限りません。
今回のホイールベアリングに関して言えば、ホイールへの『はめあい』によるすきまの減少があります。要するに、『圧入』されている状態なので、ベアリングの外周よりハウジングの径の方が狭い訳ですから、ベアリングが外側から縮められた状態となります。その縮められた分、内部すきまは減少します。
また、高速走行を続けていると、ベアリング本体の温度が上昇するのは先日の実験からも解ります。ベアリングの温度が上昇すれば、内部が膨張して隙間が減少します。
以上の事柄は計算によって求める事が出来るので、その点を踏まえて適正な『すきま』のベアリングを選定する必要があるということなのです。
寿命の観点から考えても、すきまの種類が、ノーマルより『広い方』に多いのも、頷けます。
つまり、CNのベアリングをホイールベアリングとして使用した場合、適正すきまより過小な事により、短寿命に終わることが予想できます。
ただ、理論上隙間はわずかにマイナスの方が最大値を示すのであれば、安全牌としてのすきま選びより、攻めの隙間を選ぶ方が男らしいのではないでしょうか?笑
(注:専門書を読み、自分なりに理解し、殆ど自分の言葉で記事にしてますので、間違いなどがあるかもしれないことはご了承下さい。)
(まだまだこれからも、勉強し理解を深めていく所存でありますので、成長日記として受け止めて頂ければ幸いです)
by tm144en
| 2014-08-24 02:56
| BIMOTA DB7S
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