2014年 08月 20日

【DB7】オーリンズダンパー考察(その3)

さて、以前ダンパーロッドにおけるオイルの流れを考察しましたが、今回大方の構造を理解するに至りましたので、ここにまとめます。

まず、前回のおさらいから。

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COMP時とREB時で、オイルが流れる通路が多岐に渡るので、いったいどういう事なのか理解出来ませんでした。

そこで、それぞれの通路の担う役割を正確に把握する為、一つずつ見ていくことにしました。

まずは、スプリングの付いている部分の通路(COMP時②、REB時①)に関して。

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スプリングを外し、シムはそのままにして、さらにワッシャーを噛ませてシムを固定します。
これにより、COMP時の②の流れ、及びREB時の①の流れを封鎖したことになります。
従って、オイルの流れは、オリフィスの通路のみとなりました。

この状態で組み付け、オイルの流れが解り易いように、

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メスシリンダーにオイルを入れ、ダンパーロッドを作動させ様子を伺います。

まずは、その結果を述べる前に、この場合のオイルの流れを説明します。
所謂『エア抜き』という行程になりますが、どのようになっているかといいますと、

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最初はこの状態。青いのがオイルで、メスシリンダー、実際にはインナーチューブとダンパーロッドの隙間に入っている状態です。
この状態でダンパーロッドを引き上げると、

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(*注:図が拙過ぎて申し訳ないのですが、REB側オリフィス通路がダンパーロッドの外に出ちゃってますが、実際はダンパーロッド内に収まっています。)

この様に、オイルが注射器の原理で吸い上げられるのですが、図にある様に動かした量全てがオイルとはなりません。これは、REB側のオリフィス通路からダンパーロッド内にあった空気が流れ込んでいるからです。ダンパーロッド本体と、ロッドの隙間から漏れ出てる分もあり、半々位と思われます。

次に、ダンパーロッドを押し下げていくと、

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このように、REB側オリフィス通路、及びスプリング部分通路を通りダンパーロッドの上部空間に移動する分と、またインナーチューブ内に押し戻される分とに分かれます。

以上の事から解る様に、それぞれの通路が、同時に作用しているので、オイルの流れ方も複雑に入り組んでいるのです。

ーーーーーーさて、この点を踏まえ、スプリング部分の通路をワッシャーで封鎖したダンパーロッドが、どのような感触になるかと言いますと、まず、エア抜きに関してはREB側オリフィスから戻ってしまう分があり、多少手こずります。何度やっても、最後の最後に『ズブズブ』とエアーが噛んでる音がしてしまいます。

とりあえず今回は多少のエアー噛みはいいとして、そのロッドの手応えはといいますと、

『速い動きに対して、ロッドが動かない』


ということが解りました。
つまり、COMP、REB共に、小さなオリフィスの通路のみでしかオイルが流れないので、ゆっくり動かせばしっかりと動きますが、急に「グッ」と力を入れても、棒の様に固くなってしまうのです。

それでは次に、REB側のスプリング通路、およびCOMP側オリフィス通路を封鎖し、その他は解放します。
すると、手応えとしては、COMP時の速い動作にはロッドはちゃんと追従しますが、REB時の速い動作は追従しません。

以上の事から、オリフィス通路は低速運動、スプリング通路は高速運動に作用するということが解りました。

ちなみに、

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REB側のオリフィス、及びCOMP側のオリフィスを封鎖し、両方のスプリング通路のみとした場合、
ダンパーロッド上部にオイルが溜まると、ロッドが動かなくなってしまいました。
ダンパーロッド中部のオイルはスプリング通路を経て上部に移動出来ますが、ダンパーロッド上部のオイルは、REB側オリフィス通路しかないので、当然と言えば当然です。

この状態、何かに似てる。

そう、『油圧ジャッキ』です。
オイルの流れがワンウェイで、移動した分が固定される仕組み。
きっと、油圧ジャッキもこのような仕組みになっているのでしょう。。。

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さて、今回実際にオイルを使用してダンパーロッドの動きを検証し、オリフィス通路とスプリング通路の役割の違いを理解するに至りました。
スプリングは、REB側の方が非常に柔らかい物が採用されていますが、これは平らな路面が急にエグれているようなシチュエーションで、フォークが路面に沿って「スッ」と伸びる動きを重視しているからなのでしょう。
路面の『凸』に対してはある程度の反発力があっても問題はありませんが、『凹』に対しては素早く伸びて路面を追従しなければ、すなわちタイヤがグリップを失ったということになってしまうからです。

しかしながら、結局今回の実験で、最後まで解らなかった点があります。
それは、『両オリフィスの役割分担』についてです。一応、COMP側とREB側とに分かれていることになっていますが、構造を見る限り、COMP時であってもREB側のオリフィスをオイルは通りますし、その逆もまた言えるのです。つまり、スプリング通路の様に、オリフィスに関しては明確に役割が分担されていない様に思えるのです。

そこで、その部分を掘り下げる為に、とある実験を行い検証してみたので、次回はそのネタをお楽しみに☆

(*注:結論から申し上げますと、完全理解には至っておりません 笑)

by tm144en | 2014-08-20 03:57 | BIMOTA DB7S | Comments(0)


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