2010年 03月 09日

イニシャル『B』

BIMOTAと言えば、『テージ(TESI)』を思い浮かべる方も多いはず。

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フロントフォークの代わりに前後共スイングアームとしたその構造は、誰の目にも斬新に写るはずです。

『ハブセンターステアリング』と呼ばれるこの機構は、一般的なバイクの構造である『テレスコピックフォーク』の弱点を克服する為に開発され、まさに『夢のマシン』と呼べるバイクです。

テレスコピックフォークは、『舵取り機構』と『ダンパー機構』とが一緒になっています。ブレーキングする事でキャスター角が立ち、ホイールベースが短くなる事で曲がる力を高める事が出来ます。

逆に、加速するとホイールベースが長くなるので、直進安定性が高くなります。

シンプルな構造の中に、まさに的を得た完璧な造りと言っても過言ではないでしょう。

しかし、加速、減速の度にマシンがピッチングモーションを起こすので、速く走らせようとするとライダーの技量に大きく左右されます。
特にブレーキングから倒し込みの『瞬間』、クリッピングからアクセルを開ける『瞬間』等、マシンの姿勢が変わる『瞬間』に大きな危険が潜んでいると共に、技量の差が出る所でもあります。

また、ブレーキングによりキャスターが立ち、ホイールベースが短くなり、マシンとしては曲がり易くはなってますが、ブレーキレバーを引いている限り、ライダーがイン側に抜重していてもマシンはコーナーに切れ込もうとはしてくれません。
それは、ブレーキ操作によりフロントタイヤの『立ち』が強くなっているからです。

そしてその状態から、右手のブレーキレバーに掛ける力を『スッ』と抜くと、マシンはまるで支えを失ったかの様に一気に曲がります。まさに『スパーンッ!!』と。

それがテレスコピックフォークのバイクの『面白さ』であり、『難しさ』であるわけです。

そして、ハブセンターステアリングには、上述した事柄が『無い』のです。
『舵取り機構』と『ダンパー機構』を分ける事で、ブレーキングによる姿勢変化、いわゆるピッチングモーションを無くす(100%では無いが)ことが出来るのです。

舵取り機構は、
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フロントのハブに直接取り付けられており、

ダンパー機構は、
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車体右側下部に、通常とは逆方向に働くダンパーが取り付けられています。

こうする事で、得られるメリットは多大です。
テレスコピックフォークで挙げた、いわゆる危険な『瞬間』がハブセンターステアリングには存在しません。『ブレーキング』と『コーナリング』は別物なのです。

あらかじめコーナリングに適したホイールベースに設定されたテージ3Dは、特に高い技術を必要とせずとも、『スパーンッ!!』と曲がる事が出来るのでしょう。(多分)

その証拠に、DB7やDUCATI1198シリーズのホイールベースが『1430mm』なのに対し、テージ3Dは何と『1390mm』と4センチも短いのです!!!4センチ!!!!!

想像ですが、おそらくDB7やDUCATIがフルボトムした時と同じ位のホイールベースなんではないでしょうか?

また、コーナリングからブレーキングによる影響を取り払う事によって、例えばオーバースピードで突っ込んでしまってラインが膨らんでしまう様な時でも、フロントブレーキの操作でそれを最小限に食い止める事が出来てしまうのです。(ブレーキ操作による影響が、0%という事はありませんが。。。)

テレスコピックフォークでコーナリング中にフロントブレーキをかけるなんて、自殺行為と言ってもいいでしょう。

(フロントブレーキを掛け、ハンドルをコジッてむりやり倒し込むという『技』もありますが、ココではあくまでバイクの理論的な曲がり方の話をしています。)(いや、『理論』なんて偉そうな身分では御座いませんが、、、汗)

と、ここである事を思い出します。

そう。我『モントーク』です。

モントークはハブセンターステアリングでは無く、『テレレバー』という物が付いています。

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これは、エンジンから伸びた、車で言う『Aアーム』のような物がフロントタイヤを直接押さえつける形で装着されており、リアショックユニットに似た形のショックがその動きを制御しています。

一見テレスコピックフォークに見える物が、『舵取り機構』となります。

これも、先のハブセンターステアリングと同様の効果を得ていますが、どちらかと言えばモントークの場合、コーナリング性能の向上を図ったと言うよりは、インテグラルABSを使った急制動による急激な姿勢変化を抑制したり、長距離を移動する際、ピッチングモーションによる疲労の蓄積を押さえる事を目的にしていると考えられます。

とにもかくにも、『B』から始まるこの2社がテレスコピックフォークの壁を越える為、それぞれ違ったアプローチではありますが、尽力してきたんですねぇ。。。

ハブセンターステアリングのテージ3Dと、テレレバーのHP2スポーツの戦いは、面白いかも!?

by tm144en | 2010-03-09 03:50 | Comments(6)
Commented by samansa5103 at 2010-03-09 10:38
初期?90年頃だったかなテージは友人が乗っていたのです峠などでも乗せてもらったのですが全くフロントの挙動が解らない車両でした、乗り比べてはいないのですがテレレバーより違和感が有りました感覚的に牛乳配達の自転車で下りコーナーをかっ飛んで行くような←(なんのこっちゃ)
体感ではサスが無いのでは?と思っちゃう感じでした。
以前より発展はしているのでしょうがelfで使用していた機構なのでライダーにタイヤなどのグリップ低下が伝わらない←(私は今も解っちゃいない)のでハプニングには対応が遅れてしまうかも?

友人はサーキット走行で技量の限界なのか?
車両の限界を超えたのか?
菅生サーキットで部品取り車両にしちゃいました。

国際A級でしたが、大破する前は絶賛!
事後はこりゃ~駄目だ!!
と自身のミスには触れて無かったです(笑
Commented by tm144en at 2010-03-09 15:53
フロントの挙動が判らない、、、、という点は、僕がモントークに感じる物と同じです。
如実に現れるのが、林道を走った時です。
砂利や轍等様々な状況の路面でも、ハンドルに伝わって来る振動や感覚は『無い』と言っても過言ではないでしょう。

かといって、足が動いていないかと言えば、フロントタイヤはまるでエンジンのピストンの様に上下にストロークを繰り返しています。
あれだけのストロークをしていても、ハンドルには何も伝わってきません。

フロントタイヤからの情報を頼りに走る方からすれば「なんじゃこりゃ!?」となってしまうでしょう。
しかし、サンデーライダーがあくまで『峠』というフィールドで、非合法な走りをすると考えると、『予期せぬ危険』『荒れた路面』を『安全』に走る事が出来るのは、テレレバーやハブセンターなんじゃないかなぁ、、と考えます。

Commented by tm144en at 2010-03-09 15:53
ただし、機構がどうあれ、タイヤのグリップ力の限界を越える事にはならないので、例えば国際A級ライダーの様に、テレスコピックフォークでタイヤの限界をいとも簡単に引き出せる方からすれば、ハブセンターやテレレバーなど『無意味』でしょう。

しかし、僕の様なタイヤの限界???俺が限界!!!、、、というような人でも、ハブセンターやテレレバーのそれは、簡単にタイヤの限界付近まで連れてってくれるのではないかと思います。

現に、モントークではそれを痛切に感じます。

サーキットでプロ、もしくはそれに準ずるライダー向けの機構ではないのでしょう。
あくまで『公道最速!!!』がテーマのような気がします。
Commented by samansa5103 at 2010-03-09 17:11
全く感想&意見は同感です。
テージではやった覚えは無いのですがテレレバーで不思議な事は上からの圧力には全くと言って良いほどボトムしないのに路面からの圧力には謙虚に反応しているのが走行中に見て取れます、最初は駐車した状態からバックさせる時テレスコピックの様にボトムさせ反動でバックさせようとした時驚いた事を思い出します。
不思議に思ってどの様なサスペンションに力が働いているのか調べた事が有りましたが解らずじまいです(笑
サスペンションのセッティングに関しても私の走行ではサスペンションのダンパーやスプリングのセットも無縁の物となっています。←(感じる感性がないだけでしょうけど)
サスペンションをオーリンズなど他のに変更している方は感じているのでしょうかね?

スポーツスターに関してはかなりサスペンションの良し悪し&微妙なセットでも車両の挙動が感じられるので交換はうなずけるのですが。

又調べてみようかな!なんて気がしています。
Commented by tm144en at 2010-03-10 04:44
僕も、なぜ上から押してもボトムしないのか、解らないのです(涙)

アールズフォークの原理と同じと聞いた事はあるのですが。。。。
Commented by Mr.T at 2010-03-11 20:05 x
オレも勉強します・・・。


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